アダルトチルドレンは人を信頼できない病の持ち主です。
その原因は養育者の虐待ないし養育放棄にあります。
解決法は自分の問題を正確に知り、その解決のために12ステッププログラムに取組むことです。
①アダルトチルドレンとは虐待あるいは育児放棄されて育った子供時代を持つ人々
育児放棄をするという、とんでもない養育者相手に自分をよくぞ守ったということに関しては立派なのです(これをサバイバーと呼びます)。
しかし子供時代に培(つちか)ったサバイバルの方法を大人になっても知らず知らずのうちに無意識に実践していることがあります。
これが問題になります。
なぜかというと、たとえば人を愛するときは心を開きます。
心を開くとは、具体的に相手を信頼するということを意味します。
アダルトチルドレンにとってこれは難しいことです。
なぜなら子供時代に嫌というほど養育者に失望させられてきたので、無意識のうちにまた失望させられるのではないかと身構えてしまい、相手に身を委ねることができないからです。
②カウンセラーと人に委ねる訓練
カウンセラー訓練で、目隠しをして人に導いてもらうことや、後ろに倒れたのを受け止めてもらうエクササイズがあります。
これはみな、人に委ねることが苦手な私たちが、人に委ねるということを体で覚える訓練です。
なぜカウンセラーが人に委ねることが大切かというと、カウンセラーは人様の悩みを聞かせていただく仕事ですが、人様には「私を信じて悩みを打ち明けてください」と言いつつ、自分自身は人を信頼できないというのでは、まずいわけです。
当然このようなカウンセラーがいくらカウンセリングをしても、うまく行きません。
③ある女性学の創設者と呼ばれる方のこと
日本における女性学の創始者と言われる方がおられます。
ありのパパは、その方があまりに攻撃的なので苦手でした。
その方がラジオのインタビューに答えておられました。
アナウンサーが「お父様はどんな方でしたか?」と質問すると「マザコンで、どうしようもない男でした」と答え、「お母様はどんな方でしたか?」と聞くと、「生きている間中、愚痴ばかり言う女でした」と答える、こんな調子でインタビューは進みました。
最後にアナウンサーが「ご両親に感謝することは何ですか?」と聞きました。
するとその方は「私は仕事で色々な人に会いました。その中には親に愛されずに育った方も多くいらっしゃいました。私が自分の両親に感謝するのは、いろんな問題があったとしても、愛してくれた。愛して育ててくれたことです。それだけは感謝しています」とお答えになりました。
ありのパパはそれを聴きながら、なぜか泣きたい気持ちになりました。
「あなたねぇ、世の中には親に愛されずに育ったがゆえに多くの問題を抱えて悩み苦しんでいる人が多いのだよ。[愛してくれたことだけは]と言うけれど、それがあったら、あと何が必要なのか?」と思わずにはおれませんでした。
④アダルトチルドレンがもつ問題
アダルトチルドレンが持つ問題には、リラックスできない、心から感動できない、頑張りすぎてしまう、感情を表すことができない、人間関係が破綻しやすい、人と距離感をうまくとることができないなど、数え上げればきりがありません。
(詳しくはアダルトチルドレンの問題リストをご覧ください)
アダルトチルドレンでない人が当たり前のこととして出来ることが、アダルトチルドレンは自分を訓練しないと出来ません。
でもそれが良いのです。
なぜなら苦労しなくても出来る人は、他の人が出来ないと「なぜ出来ないのだろう?」と不思議に思うだけです。
しかしアダルトチルドレンは「こういう理由で出来ないのではないか?」と察しが付くのです。
ありのパパの今までの人生も困難なものであったことを認めないわけにはいきません。
しかし生きづらさは、人様に共感するための力となりました。
ですから今はアダルトチルドレンであることを感謝しています。
⑤アダルトチルドレンであることを儚(はかな)んでも問題は解決しない
座り込んで「可哀想で哀れな自分」に自己憐憫に浸っても何にもなりません。
もし本当に問題を解決しようとするなら、目の前にある問題を解決することに全力を尽くすことです。
ただそれだけが、あなたを幸せにいたします。
このような問題解決を通して成長を目指す生き方に12ステップがあります。
皆さんの中で自分がアダルトチルドレンかもしれないという方がおられましたら、ご一緒に12ステップに取り組みましょう。
◎回復と平安を祈っています。