「自助グループのミーティングに参加し続けていたら知らない間に回復してた」なんてことは決してありません。
この記事は回復するための最短距離は霊的に目覚めるのを目的にして12ステップに取り組むことであるのを解説しています。
1.アダルトチルドレンや依存症から回復するには二つの解決策を得ること
ありのパパの持っているトースターは一万円しましたが、冷凍食パンが実に美味しく焼けます。
それで一万円を出すのが惜しくなかったし、トースターを買い換えるとしたらまた同じ製品を買うと思います。
これとアダルトチルドレンや依存症を同列に並べるのは気が引けますが、無理矢理に比較することにします。
12ステップはアダルトチルドレンや依存症から私たちを必ず回復させてくれるプログラムです。
しかし現実を見ると、どうもそうなっていないようです。
原因は12ステップの取り扱い方を誤っているからです。
いくら冷凍食パンを美味しく焼けるトースターであっても取り扱い方を誤れば美味しいパンは焼けません。
それと同じように、いくら依存症から回復させてくれるプログラムであっても取り扱い方を誤れば期待した効果を発揮することはできません。
では正しい取り扱い方は何でしょうか?
それは12ステップに取り組む目的を明確にすることです。
本質的な解決策は霊的目覚め
多くの方は回復するためにプログラムに取り組んでいるように見えます。
それは間違っているとは言えませんが、的(まと)を外(はず)しています。
回復は目標であって、12ステップに取り組む目的は霊的目覚めを得るためでなければなりません。
ACや依存症からの回復のためには霊的に目覚めることです。
霊的目覚めを得るために12ステップに取り組みます。
12ステップに取り組む目的 | 目標 |
---|---|
霊的目覚めを得るため | 回復すること |
もう一つの解決策は共同体からの助けと支え
ありのパパは12ステップに取り組んだ最初の頃「霊的に目覚めることが本質的な解決策なのになぜ共同体から受ける助けと支えが必要なのだろうか?」と感じていました。
しかしその疑問はすぐに解消しました。
なぜなら「このプログラムはとても一人っきりでは実践できない。仲間の分かち合いを聞いて励ましてもらわなければ決して実行できない」ということが分かったからでした。
ミーティングは泣き言や毒吐きをする場所ではなく、自分がどのように12ステップに取り組んでいるかを分かち合う所です。
その分かち合いを聞くと「私も取り組もう」と思う人が起こされます。
また、既に取り組んでいる人も慰めと励ましを得ます。
「自分一人で取り組んでいるのではない」という感じです。
人は一人だけでは自立することができない存在です。
一人だけで生きていけると思っているのは実は勘違いであり、それは「孤立することを嗜癖として使っている」のに過ぎないのかも知れません(ACの問題の1番目)

2.霊的目覚めとは回復するのに充分な人格の変化
霊的目覚めとは回復するのに充分な人格の変化であるとビッグブック1には書かれてあります(266頁2行目)。
霊的目覚めとは「白い閃光体験」ではありません。
霊的に目覚めるとは人格が変化することです。
それも嗜癖を使う必要がなくなるほどに充分に人格が変化することです。
人格とは何か?
人格とは考え方・感じ方・行動の仕方によって構成されているものです。(ACのための12のステップ244頁下から三行目)
【考え方】と【感じ方】は子供の頃からの【行動の仕方】の積み重ねによって出来上がったものです。
ですから一朝一夕には変わりません。
しかし行動の仕方すなわち行動パターンだけは即座に全面的に変えることができます。
もちろん簡単に「変えよう!」と決心するだけでは徒労に終わります。
ステップ4・5の人生の棚卸しに取り組むことによって、自分の人生を支配している古い行動パターンを知り、新しい行動パターンを考え出すことによって確実に新しい行動の仕方を実践できるようになります。
ステップ5の棚卸し作業を見てくれる「もう一人の人」が身近におられない場合はありのパパでよければ引き受けさせていただきます。

3.アダルトチルドレンは霊的目覚めの後に統合作業を行う
アダルトチルドレンは霊的に目覚めた後に統合作業をやります。
これを言うと「なんだかな。霊的に目覚めてそれで終わりじゃないのかよ」と言う人がいるとか、いないとか。
でもね、物質依存の人だって行為依存の人だって、みんな霊的に目覚めてそれで終わりなんて人は一人もいないのです。
すべての依存症者は生涯を通して性格上の欠点からくる行動パターンの是正に取り組みます。
アダルトチルドレンが統合作業に取り組まねばならない理由は使っている嗜癖が病的な人間関係であるからです。
病的な人間関係と言っても目には見えませんし、何より否認していますから自分が使っていることさえ気づかない場合が多いのです。
しかし嗜癖を使いつつ回復の道を歩むことはできません。
嗜癖を使っている時は確実に【回復の道】から外れているときです。
だからアダルトチルドレンが回復し続けようと願うなら、どうしたって自分が病的な人間関係を嗜癖として使っていないかどうかのチェック作業が必要になります。
このチェック作業を統合作業と呼びます。
統合作業はステップ10の日々の棚卸し・11の祈りと黙想・12のメッセージ活動を通して行われます。
ACの問題行動は少なくとも13個ありますから、やりがいのある作業ということができます。
下記の記事はACの統合作業を一覧的に扱ったものです。

【まとめ】
12ステップは効果のあるプログラムですが、取り扱い方を誤ると期待した効果を発揮することができません。
正しい取り扱い方は霊的目覚めを得ることを目的としてプログラムに取り組むことです。
霊的目覚めとは宗教的な体験ではなく、回復するのに充分な人格の変化を指しています。
人格とは考え方・感じ方・行動の仕方によってなるものですが、このうち行動の仕方だけが即座に全面的に変えることが可能です。
そのために人生の棚卸し作業に取り組みます。
アダルトチルドレンは霊的に目覚めたあとで統合作業を行う必要があります。
なぜなら使っている嗜癖が病的人間関係という目に見えない嗜癖だからです。
統合作業は日々の棚卸し・祈りと黙想・メッセージ活動によって行われるものです。

◎回復と平安と祝福を祈っています。