性依存症から12ステップを使って回復する方法(まとめページ)

この記事は性依存症から12ステップを使って回復するためのまとめページです。
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1.自分が性依存症かどうかを確かめる

【性的領域に問題がある】というのと【性依存症である】というのは違うことです。

これはアルコールの問題にも言えることです。
AA1が言うところのアルコール依存症と、単なる大酒飲みは違います。

アルコール依存症は脳の報酬系に依存症回路が出来てしまう病気であり、いったん依存症回路が出来てしまえば節酒できないばかりか一滴も飲むことができなくなります。

これに対して単なる大酒飲みは節酒することも禁酒することも自力で可能です。
それ故にAAは両者を厳格に区別します。
(医療の世界ではこの区別の方法は採用されていないようです。単なる大酒飲みもアルコール依存症の範疇に入れています)

それと同じように問題行動を自力で止めることやコントロールが可能ならば性依存症ではありません。
SA2でも単に性領域に問題を持っている人と性依存症者を区別しています。
(性依存症は現在のところ医学的には強迫障害としては認められていますが依存症としては認められていません)

下記の【20の質問】はご自分が性依存症かどうかを確かめるのに役立ちます。

20の質問 - SA-JAPAN 無名の性依存症者の集まり

2.無力を認めるとはどういうことか?(ステップ1)

ステップ1で学ばなければならないことは【二つの問題】と【問題の本質】を理解することです。
二つの問題とは強迫観念と渇望現象であり、問題の本質とは強迫観念と渇望現象に対して自分が無力であることです。

性依存症の回復過程には「渇望を徐々に乗り越えていく過程」(ホワイトブック3202頁16行目)が含まれます。

初めは自分が問題だと思うことさえ止めることができればいいと考えているのですが、問題行動は別の問題行動を行った結果であると気づきます。
たとえば長時間のネットポルノ視聴の後に強迫的なマスターベーションをするとかです。

そしてついに性的にシラフでいるためにはパートナー以外とのすべての性的行動を止めなければならないと理解します。

下記の記事は「渇望を徐々に乗り越えていく」とはどういうことかを詳しく解説しています。

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3.たった一つの解決と二つの解決策を知る(ステップ2)

ステップ2で学ぶことは【解決】と【二つの解決策】を理解することです。

強迫観念と渇望現象に対する自分の無力が問題の本質なのですから、解決は無力な自分以外の存在、すなわち自分を超えた大きな力です。

問題が二つあるように解決策も二つあります。
一つは共同体から受ける助けと支えであり、もう一つは本質的な解決策である霊的目覚めです。

ステップ2で【回復のための設計図】を正確に理解できると、その人は回復に対して強い意欲を持つようになります。
それはそうです。今まで何年も(ことによったら何十年も)どうやったら回復できるかを知ることができなかったのですから。

この強い意欲を持てるかどうかが行動のプログラムと言われるステップ4から9を一気呵成(いっきかせい)にやり遂げることに掛かっています。

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4.取り組む決心をする(ステップ3)

ステップ3でなすべきことは三つあります。

  • 神の意志と自己意志が協働して自分自身(本能)をコントロールする決心
  • 行動のプログラムに取り組む決心
  • 親替え

①神の意志と自己意志が協働して自分自身(本能)をコントロールする決心

これまでは自己意志だけで本能をコントロールしようとした人生でした。
しかし本能は超強力な存在であり、暴走しがちでした。
ちょうど暴走する原子力発電所のようです。

それでこれからは神の意志と協働で本能をコントロールする決心をします。
これが「自分の意志と生き方を神の配慮に委ねる」ということです。

②【神の配慮】とは何か?

神の配慮とは「行動のプログラムと言われるステップ4から9に取り組むなら本質的な解決策である霊的目覚めを得ることができる」のを指しています。

宗教的プログラムならば「ハイヤーパワーを信じた後はミーティングに参加し、サービス活動を行っていれば知らぬ間に回復するよ。だからぼちぼち行こう!」と言うかも知れません。

しかし霊的プログラムはそんな甘っちょろいことは言いません(笑)。
「ステップ1で無力を認めたのも、ステップ2で自分を超えた大きな力を信じたのも、すべては行動のプログラムに取り組む決心をするためだったのです。さぁ、即座に取り組もう!」

③親替え

親替えとはアダルトチルドレンからの回復を目指す人々の間で使われる言葉であり、性依存症関連の記事にはふさわしくないかもと思いましたが、このブログに訪れる多くの方がアダルトチルドレン傾向を持つ性依存症者であるように感じられることから載せることにしました。

多くの依存症の方から聞くことは「行動パターンを変えても本能の傷つきが止まらず、その結果として感情の暴走が止まらない」ということです。
この原因は性格上の欠点の【恐れが動機の身勝手行動】の身勝手の対象範囲をどのように捉えているかにあります。

そのように言われる多くの方は身勝手行動をしない対象が他の人々に限定されており、自分自身を含めていません。
それで自分自身への身勝手行動が止まっていないので、本能の傷つきも止まらないのです。

多くの性依存症者が「ミーティングに参加し、12ステップに取り組めば《いつかは》嗜癖が止まるに違いない」と思っているように感じるときがあります。

しかしいつまで経っても嗜癖行動が止まらない原因が自分自身への身勝手行動にあるとしたら、自分自身への身勝手行動を止めない限り、嗜癖も止まらないでしょう。

下記の記事は「本当に委ねるとはどういうことか」について解説しています。

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ステップ1から3までがプログラムの理論の部分を担っており、ステップ4以降は実践編となります。

5.棚卸しによって古い行動パターンを見つける(ステップ4・5)

いよいよ12ステップの中核部分まで進んできました。

棚卸しは洗いざらいぶちまける作業ではなく、これまでの自分の人生を支配してきたカラクリ(古い行動パターン)を見つけ出す作業です。

古い行動パターンを見つけ出し、それを使わないようにすれば本能の傷つきは止まり、結果として感情の暴走も止まるからです。
そうしたらもう嗜癖を使わ必要がなくなります。
だからこれを本質的解決策というのです。

下記の記事は人生の棚卸しがいかに重要かについて解説しています。

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身近にステップ5の棚卸しを聞いてくれるシェアリング・パートナーがおられない場合はありのパパで良ければその任を担わせていただきます。

シェアリングパートナー・スポットチェックをご希望の方へ
シェアリングパートナー(棚卸しを聴く「もう一人の人」)について ステップ5の棚卸しを聞いてくれる「もう一人の人…

6.新しい行動パターンだけを使う決心と助力を神に祈る(ステップ6・7)

棚卸し作業が12ステップの中核だとしたら、ステップ6・7の古い行動パターンを使わず、新しい行動パターンだけを使って生きていく決心と実践は人生を変えるための車軸の役割を果たします。
要するに新しい生き方の実践が12ステッププログラムの最も重要な部分であるということです。

ではその前後のステップはどのような意味があるのでしょうか?
それはステップ1から3に取り組んでいなければ決して棚卸し作業に取り組むことはできませんし、棚卸しに取り組むのでなければ古い行動パターンを発見することは出来ません。
当然、古い行動パターンの対極にある新しい行動パターンを実践することも出来なくなります。

またステップ8から12を実践しないなら、新しい行動パターンもいつかは実践しなくなります。

そのようなわけで新しい行動パターンの実践が最も重要ということになります。
ここで気をつけなければならないことは「いつまで経ってもちゃんと新しい行動パターンを実践できない自分はダメな存在である」と考える罠です。

これは低い自己評価を嗜癖として使っているのです(ACの問題行動の11番目)。
性的嗜癖を使わなくてもよくなるためにプログラムに取り組んでいるにもかかわらず、性的嗜癖の代わりに病的な人間関係を嗜癖として使っていたということがないようにしなければなりません。

下記の記事は行動パターンを変えることがいかに大切なことかを解説しています。

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12ステップに取り組んでいるのだが、自分の人生が変わったような気がしないという方はおられませんか? この記事で…

7.埋め合わせは人間関係の再構築(ステップ8・9)

埋め合わせをする目的は人間関係を再構築するためです。
そのためにお詫びをし、必要ならば金銭的な賠償をするときもあります。

ただ片時も忘れてならないことは「なんのために埋め合わせしているのか」という問題意識です。
これが欠けていると謝られた方もどのように対応していいか分かりません。

埋め合わせする人を見ていて感じることは「この人は自分の気が済むためにやっているのではないか?」ということです。
もちろんそれでもよいのです。そのことによって不快感情の罪悪感と後悔がなくなれば万々歳です。

しかしそれだけだと人間関係を再構築するには不十分です。
埋め合わせしたとは言うものの依然として利己的なままです。

これは笑い話ですが、AさんがBさんに謝罪したところ、Bさんは「謝らなくていいよ。ただ生き方だけ変えてくれればそれでいい」と言ったというのです。
Aさんにしてみれば「それが難しいからとりあえず謝っているのではないか」ということかも知れませんが、それでは謝られた方はいい迷惑ということになりかねません。

下記の記事は埋め合わせとは人間関係をやり直す気持ちになることであるのを解説しています。

「埋め合わせする気持ち」とは人間関係をやり直す気持ちになること!
「ステップ8・9の文言は何を行っているのか分からん!」という方はおられませんか? この記事は「埋め合わせしよう…

8.日々の棚卸しは人生の棚卸しを日常生活に適用したもの(ステップ10)

ステップ5で「もう一人の人」と一緒に古い行動パターンを見つけ出しました。
しかしこれには限界があります。
なぜなら「もう一人の人」は当然のことながら人間であり、洞察力に限界があります。
そして当事者も自分自身のことがあまり良く分かっていなかったりします。

自分自身という実像に焦点がきちんと当たっていないと嗜癖行為が止まっていても生きづらさは残ります。
これを解消するのが日々の棚卸しです。
自分自身が少しずつ見えてくるのです。

なぜ嗜癖を使うのかという問題にしても初めのうちは漠然としか分からなかったことが、次第に特定の状況で特定の行動をする時に本能が傷つき、結果として感情が暴走しているという事実に気づくようになります。

自分自身が見えてくれば来るほど生きるのが楽になります。

依然として脳の報酬系に依存症回路がありますから、強迫観念が襲ってきますし、一回負ければ続いて渇望現象が襲ってきます。
ただ不快感情がない状態で強迫観念が襲ってきても、それは真っ昼間に幽霊に遭遇したようなものであり、容易に強迫観念が教える嘘を見破ることが出来ます。

下記の記事は性依存症者にとって日々の棚卸しがいかに大事かを解説したものです。

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9.祈りと黙想は宗教行為ではなく霊的行為(ステップ11)

ステップ11の文言には「神の意志を知ることと、それを実践する力だけを求めた」とあります。
これが私たちが祈りと黙想を行う目的です。

ステップ6・7で私たちは新しい行動パターンだけを使って生きていく決心と神に助力を求める祈りをしましたが、日常生活の中で「ここはどのように振る舞えば新しい行動パターンを使ったことになるのだろうか?」と途方に暮れることが多くあります。

そのようなときが祈りと黙想の出番です。
「神様、私はこの状況でどのように振る舞うことが新しい行動パターンを使ったことになるのか分かりません。どうぞ知恵を与えてください」と祈ります。

そして神の臨在の中で憩(いこ)います。
これが黙想に当たります。
神の臨在と言っても少しも抹香臭(まっこうくさ)いものではありません。
そうではなく「たしかに今、私は神の内側にいる」という信仰です。

内側にいるかどうか分からないという人がいたら、その方にお聞きしたいのは「あなたにシラフを与えてくださったのはどなたですか?」ということです。
神が自分にシラフを与えてくださったのだとしたら、どうして自分が神の内側にいないなどということがあるでしょうか?
あなたは確かに神の内側におられるのです。

下記の記事は中間施設でのステップ8から12までの講義を解説した記事です。

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10.回復は生きている限り続く(ステップ12)

①ステップに取り組む目的は霊的に目覚めるため

ステップ12の文言には「私たちはこれらのステップに取り組んだ結果、霊的に目覚め」とあります。
そうです。12ステップに取り組むのは霊的に目覚めるためです。

多くの人がこの点を勘違いしておられるように感じます。
ある方々は「12ステップに取り組んだら回復する」と考えています。
これは間違いではありませんが、12ステップの前提とは異なります。

12ステップは「回復するためには霊的に目覚めるほかはない」と言っているのです。
だから私たちも12ステップに取り組む目的は霊的に目覚めるためでなければなりません。
そして霊的に目覚めた結果として私たちは回復を果たすことができるのです。

では霊的に目覚めた後私たちは何をすればいいのでしょうか?
「もう何にもしなくてもいい」という方にはスリップが待ち構えています(笑)。

②このメッセージを今苦しんでいる仲間に届ける

このメッセージとは「霊的に目覚めたら性依存症から回復できる」というメッセージにほかなりません。
もちろんその前に性依存症には強迫観念と渇望現象という二つの問題があり、それらに対して私たちが無力であるという問題の本質を伝える必要がありますが。

③すべてのことに12ステップ原理を適用する

一人の性依存症者が他の依存症を持っていないということはあまり考えられないことです。

またハードアディクションからソフトアディクションへの移行の問題があります。
これはアルコールや薬物の物質依存から一応の回復をした人はいとも簡単にギャンブル・過食・怒りの爆発・買い物・性などの行為依存に陥る可能性があるということです。

ちなみにありのパパは性依存症の他に怒りの爆発・病的な人間関係嗜癖(アダルトチルドレン)を持っています。
2014年11月22日に霊的に目覚めた後、これらの依存症からの回復にコツコツと取り組みました。
目覚めるのは一瞬でしたが、回復は一歩ずつでした。

下記の記事は霊的に目覚めた後にやるべきことを解説しています。

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(2020/08/24記事更新)12ステップに取り組んだ結果、霊的目覚めが与えられた人は次に何をすべきでしょう…

◎回復と平安と祝福を祈っています。

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