聖霊第三の波の教会で起きた不祥事の原因と対策を考える

        

1.ペンテコステ教会とは何か?

聖霊のバプテスマは救いの恵みに次ぐ第二の恵みであること。
また聖霊のバプテスマには異言で祈る賜物が伴うこと。
ペンテコステ教会はこの二つの真理を明確にあかしした初めての教派となりました。

        

2.カリスマ運動の出自と特徴

20世紀の初頭に始まったペンテコステリバイバルは次第に他の教派にも影響を与えるようになりました。
1950年代にプロテスタントの中の聖書を誤りのない神の言葉と信じない教会からカリスマ運動が生まれます。

この運動の特徴は、聖霊のバプテスマに伴う異言を強調しないことです。
また、所属する教派にとどまって信仰生活を続けたことです。
これの利点は聖霊経験を強調するものの、所属する教派のコントロールを受け続けるので、脱線する危険から免れ得るというところにあります。

        

3.聖霊第三の波

1980年代になると福音派と呼ばれる聖書を誤りのない神の言葉と信じる教派から『聖霊第三の波』と呼ばれる運動が起きました。
この運動の特徴は力の伝道・霊的戦い・祈りの強調というところにあります。
またカリスマ運動と同じく、異言が聖霊のバプテスマに必須のものであると認めません。

最近、『聖霊第三の波』に属するとみられる教会の不祥事が頻発しています。
その内容は所属する教会員の人権の侵害・財産権の侵害・深刻な心理的抑圧のため精神障害をこうむった、など多岐に渡ります。
裁判で牧師によるこれらの犯罪的行為が認められたものも多くあります。

        

4.なぜ犯罪行為が起きたのか?

①異言を強調しない聖霊のバプテスマの教理は、人々の関心を目に見える働きに引き付けてしまう

第二の恵みとしての聖霊のバプテスマを信じる教派にホーリネス派があります。
この教派では受けた証拠として、聖霊が与える内心の証明としての「御霊のあかし」を強調しますので、関心が世俗的なものに向くのを防いでいます。

これに対して目に見える証拠が何もない聖霊第三の波では必然的に世の中と同じ原理、即ち結果がすべて、成功さえするならば何をしても良いという考えに陥ってしまいがちした。

②不祥事が起きた教会は単立の教会が多い

これは教会の外から牧師を監督する者がいないことを意味します。
教会の内側から牧師を監督する役員会は(福音派の教会の役員はイエスマンがほとんどのため)機能不全に陥っています。
このような状況では、牧師が専横を極めるのは非常にたやすいことです。
ゆえに悪魔的な手法(たとえばマインドコントロール・教え込み・場の空気を支配するなど)を使って、教会員を支配したわけです。
被害を受けた信者も洗脳状態であったため、被害が甚大になって耐えれなくなるまで我慢しました。

        

5.ではどうしたら良いのか?

①聖霊のバプテスマには異言で祈る賜物が必ず伴うことを認める

異言の祈りを通して、三位一体の神と親密な交わりを保ち続けることが出来ます。
そして関心が世俗的なものに向かわないように警戒しつつ、この世での歩みを進めるのです。

②教会員は教会成長の道具ではなく、教会は牧師個人の自己実現の場ではないことをはっきりさせる

キリスト以外の者に依存することを絶対に拒絶しなければなりません。
(ある日本で最大といわれる教会では、牧師個人に対する崇拝が公然と行われています。)
牧師は指導者であって支配者ではありません。
ですから物事を決定するとき、トップダウンではいけません。
時間がかかったとしても民主的な手続きを経なければなりません。
教会が生き残るために、このやり方を採用することが必要です。

③教会の外側と内側に牧師を監督する機関がなければならない

今回の事件で明らかになったように、単立教会の牧師を監督すべき教界の長老に当たる人々が、牧師をいさめるどころか犯罪を助長する役割さえ果たしてしまいました。
これではいけません。
裁きのとき神の御前に立てるでしょうか。

◎人権・財産権の侵害、肉体的・心理的暴力、洗脳・マインドコントロール・教え込みなどが行われないように監視する目的で、教会の外側と内側に牧師を監督する機関がどうしても必要です。

        

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