自分の中にある見捨てられ不安を何とかしたいと思っている方はおられませんか?
この記事は見捨てられ不安がどこから来ているかを明らかにし、解消方法を解説しています。
1.アダルトチルドレンは愛されてない事実に直面するのを恐れて相手の言いなりになる
アダルトチルドレンにとっての重大問題は見捨てられ不安です。
他者に愛されていないかもしれない事実に直面するのが怖いので相手の言いなりになります。
見捨てられ不安の出どころは養育者との関係から受け取ったものです。
子供が養育放棄したり虐待する親から逃れようとしない理由は、子供であることからくる問題を把握する能力・解決する能力がないからです。
しかしだからと言って子どもを非難する人はどこにもいません。
もしいたらそんな人はどうしようもない馬鹿者です。
中学・高校になっても親の好き放題にさせている子供もいます。
これの原因が見捨てられ不安です。
見捨てられ不安は親に愛されていない事実に直面することが怖いと思うことです。
確かに幼少期なら自分だけでは生きていくすべがありませんから、親に愛されていないことは死活問題であり、その事実に直面するのを恐れるのには合理的な根拠があります。
しかし自活できるようになってからも見捨てられることを恐れるのは非合理的です。
アダルトチルドレンが強力な見捨てられ不安に縛られているのは「もし愛されていなかったらどうしよう」という恐れが固着しているからです。
固着とは生まれつきの性格のごとくに定着していることを指します。
子供時代の十何年間も同じ思いをし続けてきたのですから、固着するのは当然とも言えます。
2.アダルトチルドレンが見捨てられ不安を解消するために
人に依存することは嗜癖ですから治りません。(治りませんが使わないで生きていくことは可能です)
これに対して見捨てられ不安は行動パターンですから取り除くことが可能です。
方法は自分自身に「自分はその人を愛しているか?」と聞いてみます。
そうすると答えは「それほど愛していない」だったりします。
自分だってそんなに愛しているわけじゃないと気づけば(視点の転換)、他者に愛されていないかも知れないという恐れから自由になることができます。
これは本当に不思議なことです。
相手が自分を愛しているかどうかに焦点を当てている時は不安でたまらなかったのに、自分が相手を愛しているかどうかに焦点を当てると不安は消えてなくなります。
自分に焦点を当てている限り、選択肢は二つしかありません。
一つは相手との関係を解消することであり、もう一つはどのように行動すれば自分が相手を愛していることになるかを全力で考えることです。
この二つのうちのどちらを選ぶかは慎重である必要があります。
たとえば夫婦関係は互いに敬意をもって接しあう関係ですが、自分が敬意をもって接したとしても果たして相手もそうしてくれるかどうかは分かりません。
自分がそうしたら相手もそうしてくれると考えるのは共依存です。
もちろん一般的にはそうなります。
しかし特定の相手に対して「私もこうするからお前もそうしろよ!」と考えるのは共依存だということです。
3.見捨てられ不安を解消するための具体的方法
「私たちはとにかくそれを使う。それに慣れているから」(ACの12のステップ135頁4行目)
見捨てられ不安は行動パターンですが、人に依存するのは嗜癖です。
そして使い続けると人生を必ず棒に振ることになります。
死ぬ間際に「こんなはずじゃなかった」と思いたくないなら、古い行動パターンを使わず、嗜癖に陥らずにシラフでいることが必要です。
①日々の棚卸し
見捨てられ不安を持っていると必ず本能が傷つき、感情が暴走します。
たとえば「見捨てられたらどうしよう」と思っていると、相手の何気ない仕草が自分をバカにしているように感じることがあります。
それを「あなたは価値のない存在である」というメッセージとして私たちは受け取ります。
そうすると価値がないものは捨てられるほかはありませんから、「それだったからこっちから見捨ててやる!」みたいな身勝手行動が誘発されやすくなります。
このような身勝手行動をすると当然トラブルが起きます。
そうすると「やっぱりそうなった」みたいな勘違い女・勘違い野郎となってしまい、共存本能の自尊心や対人関係が傷つきます。
この記事を読んでいる間は言わんとしていることを理解するのは簡単です。
しかし自分をそのように理解するのは超絶難しいことです。
その難しいことをできるようにするのが日々の棚卸しです。
必ず不快感情から入り、傷ついた本能を調べます。
充分に感情と本能をケアした後で自分の側の過ちの正確な本質に移ります。
そうしたら「何だ、また私の自作自演だったのか!」と自分を笑うことが出来るようになります。
②祈りと黙想
多くの方が「この教えを実行しようとするのですが、実践できないのです」と仰います。
そう言われてありのパパも途方に暮れました。
なぜなら自分には「出来ない」と感じることがなかったからです。
理由は40年間自力・我力で頑張ってきたので、金輪際自分の力でやろうなどと思いもしないからです。
だから当然他の人もそうだろうと思い込んでいたのですが、これは間違った思い込みでした。
比較的年齢の若い人々が新しい行動パターンを実践しようとすればどうしたって我力でやろうとするのは仕方のないことです。
我力でやろうとすると必ず失敗しますから、その失敗した時をチャンスと捉え、「失敗した原因は何か?そうか自分の力でやろうとしたことだ」と気づきを得て、「神の意志を知ることと、それを実践する力だけを求め」て神に祈り、祈りの雰囲気の中で考えを巡らします。
そうすると「このやり方でやってみよう!」というアイデアが与えられます。
その新しいやり方を祈りつつ神の力により頼みつつ実践します。
このサイクルを延々と繰り返します。
③統合作業
統合作業とはACの問題行動を嗜癖として使っていることに気づき、自分の人生の中から病的な人間関係という嗜癖を追い出していく作業です。
具体的にはステップ10の日々の棚卸しとステップ11の祈りと黙想の中で行います。
ありのパパは一つの項目に一週間を掛けています。
約一時間の祈りと黙想の最後の15分間を統合作業に当てています。
気づいたことをノートに書き、それを読み直すことによってさらに新しい気付きが与えられます。

【まとめ】
アダルトチルドレンが見捨てられ不安をもつのは相手に愛されていない事実に直面することを恐れるからです。
見捨てられ不安の解消方法は相手が自分を愛しているかどうかではなく、自分が相手を愛しているかどうかを自分自身に問うてみることです。
大概の場合において「それほどでもない」という答えが返ってきます。
そうすると不思議に見捨てられ不安がなくなっていきます。
具体的なやり方は日々の棚卸しと祈りと黙想です。
この二つを通してアダルトチルドレンは統合作業を行っているのです。

◎回復と平安と祝福を祈っています。