自分の意見を述べようとすると膝がガクガクブルブルするという方はおられませんか?
この記事はアダルトチルドレンが自分の意見を述べようとすると恐れや罪悪感を感じる理由を明らかにし、回復する方法を解説しています。
1.アダルトチルドレンが自分の意見を言おうとすると恐れや罪悪感を感じる理由
「私たちは他者の意向を考慮せずに自分の意見を述べようとすると恐れや罪悪感を感じ、黙ってしまうことを嗜癖として使う」(アダルトチルドレンの問題行動の7番目)
上記の文章を読んでもピンとこないアダルトチルドレンも多いと思います。
理由はそもそも自分の意見を言ったことがないから、恐れや罪悪感を感じたこともないし、黙ってしまった経験もないということです。
ここで言う「自分の意見」とは客観的な意見ではなく、自分がお腹の中で思っている本音の意見です。
客観的な意見が「仕方ないよね」であっても、本音は「パカヤロー!いい加減にしろ!」だったりします。
この記事を書いているありのパパもご多分にもれず、いつも人の顔色を見て皆が納得するようなことばかりを言っていたので自分の本音の意見を言ったことが余りありませんでした。
だから膝がガクガクブルブルする経験も余りありませんでした。
「人の顔色を伺う」は悪い言い方ですが、良く言うと「全体が益を受けることを言う」となります。
自分の本音を言わないでいつもいつも全体の益になるようなことばかりを言っているとどうなるかと言うと、その人は死にます。
もちろん死ぬと言っても精神的・人格的に死ぬということです。
人間は人格的な存在であり、自分の本音を表明しないでいると精神的に窒息してしまいます。
日本文化は建前と本音を使い分ける文化ですが、これをなにか賢いことのように考えてはなりません。
これは賢いのではなく、愚かなのです。
なぜ愚かなのかと言えば、そんなことをしていると精神的にも枯渇してしまうし、人間関係もいつまで経っても深まりゆくものにならないからです。
そして何より建前を使う人の動機が恐れにもとづいているからです。
恐れから来るもので良いものは一つもありません。
すべての恐れからくるものは私たちを害します。

2.アダルトチルドレンが「黙ってしまう」ことを嗜癖として使うカラクリ
アダルトチルドレンがなぜ黙ってしまうことを嗜癖として使うかと言えば、それは恐れと罪悪感という不快感情から逃れるためです。
これは怒り依存症者(癇癪持ち)が恨みという不快感情から逃れるために怒りの爆発という嗜癖を使うのと同じです。
また性依存症者が恐れ(不安感情)から逃れるために性的領域の嗜癖を使うのと同じです。
これらの人たちは嗜癖を使っている時だけ不快感情を感じなくて済むのです。
ではなぜ恐れや罪悪感という不快感情は暴走したのでしょうか?
それは共存本能の対人関係や安全本能の感情面が傷ついたからです。
他者が私たちの本能を傷つけたのではなく、自分の性格上の欠点からくる行動パターンが自分自身(本能)を傷つけました。
性格上の欠点はおもに四つあります。
利己的・不正直・身勝手&恐れ・配慮の欠如です。
アダルトチルドレンの子供時代は悪夢のようでした。
家庭にはいつも問題があり、心が休まる時がなく、いつも怯えており、家庭内でトラブルが起きれば仲裁役を買って出ました。
子供時代の「仲裁役を買って出る」というサバイバル術(生き残り戦術)を大人になっても使い続けたのがアダルトチルドレンです。
誰も頼んでいないにもかかわらず自ら進んで仲裁役を買って出る。
ほらほら、思い当たるフシはありませんか?
アダルトチルドレンの回復のためには嗜癖を使わない決心だけでなく、自分が使っている嗜癖がどこから来ているのかを知ることが大切です。
もし「機能不全家族で生き延びるために使ったサバイバル術」という面をなおざりにするなら、それはあたかも臭い匂いを発するゴミ箱の中身をそのままにして消臭スプレーをまき続けるようなものです。
アダルトチルドレンが回復するには他者の意向を考慮せずに自分の意見を言おうとすると恐れや罪悪感を感じる理由をしっかりと知っておくことが大切です。
どこから来たかを知る必要などないという意見もあるかも知れません。
しかしそのような方に申し上げたいことは「他の依存症においても自分が依存症になってしまった理由を知ることは回復するために大切なことではないだろうか?」ということです。
風邪のように掛かってしまったらあれこれ詮索せずさっさと暖かくして栄養のあるものを食べて寝るしかない病気もありますが、糖尿病のように回復するためには生活習慣の改善が大変重要になる病気もあります。
アダルトチルドレンを含む依存症は「なぜなってしまったのか?」の原因をある程度知っておくことが大切であると思います。
3.アダルトチルドレンが自分の意見を言えるようになる方法
「黙ってしまう」という嗜癖を使わない秘訣は他者への配慮の充実に全力を尽くすことです。
そうしたら不正直行動に手を出す暇がなくなります。
新しい行動パターンに全力を尽くさないと、いつかは古い行動パターンに逆戻りするはめに陥ります。
大切なことは例外をつくらないことです。
お腹の中で「こいつは生意気だから配慮を充実させてやらない」とか「この人は私のお眼鏡にかなっているから配慮を充実させてあげる」とか考えてはなりません。
こんなものは新しい行動パターンでも何でもありません。
しかし私たちは悲しいかなそんなことを平気でする者だということを認める必要があります。
「それが何か?」という感じです。
「あっ、やってもうた」と気づくたびに、心を立て直し「私にはできない。しかし神には何でもできるからである」と信じて歩み始めます。
【まとめ】
アダルトチルドレンが他者の意向を考慮せずに自分の意見を述べようとすると恐れや罪悪感を感じる理由は子供時代に仲裁役を買って出た経験しかなく、自分の意見を言っても責められない環境で育たなかったからです。
大人になって「黙ってしまう」ことを嗜癖として使う理由は不快感情から逃れるためであり、感情が暴走したのは本能が傷ついたからであり、原因は自分の性格上の欠点です。
「黙ってしまう」嗜癖を使わない方法は他者への配慮を充実させることに全力を尽くすことです。
そうしたら「人が怖い」という人への恐れが顔を出す出番がなくなります。

◎回復と平安と祝福を祈っています。