アダルトチルドレンは被害者意識を嗜癖として使う。その回復方法!

アダルトチルドレンとは子供時代を生き延びるために使った術を大人になっても使い続けている人のことです。
この記事はACは単なる被害者ではなく問題当事者であることを明らかにし、被害者意識を嗜癖として使わなくなる方法について解説しています。

        

1.アダルトチルドレンは被害者意識を嗜癖として使う

被害者意識

「(アダルトチルドレンは)自分以外のすべての人を裁き、責め、詰(なじ)りたいと思っています」(ACの12のステップ115頁3行目)

自分の人生を被害者の視点で生きている人の特徴は外見は弱々しいのですが、お腹の中は他者への裁き・非難・恨みで一杯だということです。

だから被害者の視点で自分の人生を生きることは有害なのです。
被害者意識をもっているとそれが単なる自己憐憫で終わることはなく、必ず他者への非難・恨み・嘆きに繋がります。

なぜそうなるのかは被害者意識をもっていない場合を考えるとよく分かります。
トラブルが起きた時に被害者意識をもっていない人は「自分の側にも問題があったのでは?」と考え、その視点で対策を考えます。

一方、被害者意識でいっぱいの人は「私はかわいそうである。それもすべて相手のせいだ。これもあれも全部相手が悪い」とごく自然に考えます。
このような心理状態からは問題解決に向けたアイデアが浮かぶことはありません。

なぜなら被害者は嘆いていれば誰かが助けに来てくれるものだからです。
丁度交通事故にあった人はじっとしていれば救急車が迎えに来てくれるようにです。

しかし現実の世界で救急車が来てくれるケースはあまりありません。
ほとんどのトラブルは双方が知恵を絞って問題解決に向けて努力する必要があります。

以上の説明で被害者の視点で自分の人生を生きていると人生がどうにもならなくなるのがお分かりいただけたと思います。
ではなぜアダルトチルドレンは被害者意識を嗜癖として使い続けるのでしょうか?

それはそれ以外の方法を知らないということもありますが、それが使い馴れた手であり、そのほうが楽ちんだからです。

次の項目ではACの子供時代が被害者と言わなければならないものだったという事実と、大人になってからも被害者意識を持ち続けるのは全く別の話であることを解説します。

アダルトチルドレンの問題行動
アダルトチルドレンが使う病的な人間関係嗜癖の一覧表 1.私たちは人が怖いので人々から孤立することを嗜癖として使…
        

2.被害者だったという過去の事実と現在も被害者意識を嗜癖として使うのは全く別

被害者意識を嗜癖として使う

人間関係のトラブルが起きる原因は四つしかありません。
だから私たちはこの4つのことだけに気をつけていれば人間関係のトラブルから最大限免れることができます。

その四つとは利己的・不正直・恐れ&身勝手・配慮の欠如です。

嗜癖として被害者意識を使うケースは四つとも全部該当しますが、最も一般的なケースは配慮の欠如です。

アダルトチルドレンが被害者意識を嗜癖として使う構造は以下のようになっています。

配慮が欠如する⇒人間関係のトラブルが起きる⇒共存本能の対人関係が傷つく⇒後悔の感情が暴走する⇒嗜癖として被害者意識を使う

自分の側の配慮の欠如が原因でトラブルが発生すると、共存本能の対人関係が傷つきます。
その結果として後悔の感情が暴走します。

不快感情を感じることは大変つらいことなので、それからなんとか逃れようとして被害者意識を嗜癖として使います。
「私は被害者あり、かわいそうである」と思っていれば、後悔の感情を感じなくても済むからです。

ただしこれは感じないと言うだけで後悔という不快感情がなくなったわけではありません。
だから嗜癖を使い続けなければならない羽目に陥ります。
こうして依存症の悪循環(アディクション・サイクル)が起こり、私たちの人生はますます思い通りに生きていけなくなります。

この構造が腑に落ちた時ありのパパは「自分自身を傷つけていたのはこの自分だったのか!」と驚きました。

「私がアダルトチルドレンなのは親のせいだ」と親の責任にしていると自分の側の行動の修正にまで気がまわりません。

「回復する責任はこの私にある」と考える人だけが「問題の核心が私の配慮の欠如にあるとすれば、そこを変えれば良い」と考えることができます。

唯一の解決策は新しい行動パターンを全力で実践することによって配慮を充実させることです。
次の項目では被害者意識を嗜癖として使わない方法と配慮を充実させる方法について解説します。

        

3.被害者意識を嗜癖として使わない方法

霊的目覚め

アダルトチルドレンが被害者意識を嗜癖として使わない方法は二つあります。
一つは12ステップに取り組んで霊的に目覚めることです。
もう一つは被害者意識を嗜癖として使っていないかどうかを生涯を通して確かめ続けることです。

①唯一の解決策は新しい行動パターンを全力で実践すること

霊的に目覚めるとは自分がなぜアダルトチルドレンになってしまったのかの理由を論理的・全体的・情緒的に理解できることです。
「これだったらACになるわけだ!」と腑に落ち、「この解決策を全力で実行したら必ず回復できる」と力強い確信に満ちることです。

アダルトチルドレンの場合はすべての行動の背後に動機として「人が怖い」という人への恐れがあります。
人が怖いので不正直な対応をしたり、身勝手な行動をします。
またあるときは利己的な振る舞いをしたり、結果として配慮の欠如が生じます。

霊的に目覚めるとは宗教的な経験をすることではなく、新しい行動パターンを全力で実践することです。

「あなたの新しい行動パターンはなんですか?」とお聞きすると「私の行動パターンは人を恐れないようにすることです」と真顔でおっしゃる方が時々います。
そのような方に「あなたは本当にその行動パターンを実践することができますか?」とさらにお聞きすると、ちょっとの間のあとに「できませんね」と答えられ、互いに爆笑することがあります。

もし恐れないで生きることが実行可能なら、アダルトチルドレンは無力ではないということにならないでしょうか。

もし仮に恐れが取り除かれることがあったとしてもそれは相当長期にわたる過程において起きることであると自覚する必要があります。

それまではアダルトチルドレンは恐れが顔を出す出番をなくすことに全力を尽くすべきです。

恐れが顔を出す出番をなくすために大切なことは例外をつくらないということです。
ある場面では新しい行動パターンを使うが、この場面では古い行動パターンを使うというようではいけません。
すべての場面で例外なく新しい行動パターンを使うことが大切です。

ある方は「会社の人間関係では新しい行動パターンを使うことが出来るが、家族には古い行動パターンを使ってしまう」と言われました。
このケースと反対もあります。

厳しいことを書きますが、本当はできないのではなく使うのがイヤなのに過ぎません。

ありのパパもそうでした。
ある特定の人にだけ不快感情が発生するのはなぜかと考えた時に、本心では「あの人は無礼な人だ。あんな人に新しい行動パターンを使ってあげる必要はない」と思っていたのでした。

それでどうしたかというとその人にも新しい行動パターンを使うことにしました。
なぜならそうしないと不快感情が発生し、いつかは不快感情から逃れるために嗜癖を使わざるを得ない日がやってくるのを知っているからです。

たとえ自分が損しているように思えても実は自分のためにやっていることなのでちっとも損していません。

②自分自身(本能)を傷つけていた真犯人は自分の性格上の欠点からくる行動パターンだったことに気づき続ける

「生き方の嗜癖」とでも言うべきアダルトチルドレンが治ることは一生ありません。
ここは他の依存症と全く同じです。
あるのは一生の間、使わないでいる自由です。
これを回復と呼びます。

ただ人間関係嗜癖は目に見えませんから、「私、使ってません!」と思っていてもまわりの人には「あなたはバリバリの人間関係嗜癖の依存症者だね!」と思われていることも往々にしてあります。

気づき続ける方法は祈りと黙想を通して自分が再び被害者意識を嗜癖として使っていないかどうかを確かめ続けることです。

もう一つはミーティングに参加して自分の話をし、仲間の話を聴くことです。
自分の話をすることによって気づきが与えられるものですし、他の人の話を聞くことによって「自分もそうだ!」と感じることが多いのです。

このようにして私たちは被害者意識を嗜癖として使わないシラフの人生を送ることができます。

【まとめ】
悲惨な子供時代を過ごした人をアダルトチルドレンというのではなく、大人になっても被害者の視点で人生を生きている人のことをアダルトチルドレンと言います。

被害者意識を使い続けると人生は思い通りに生きていけなくなります。
理由は被害者意識をもっていると人生で起きるトラブルに能動的に対処できなくなってしまうからです。

被害者意識を嗜癖として使わない方法は霊的に目覚めることをおいて他にありません。
霊的に目覚めるとは自分が被害者意識を嗜癖として使っていることに気づき、使わないためにどうしたらよいかを知り、その解決方法を全力で実践することです。
そして生涯を通してミーティングに参加し、祈りと黙想によって気づきを与えられ続けることです。

AC Skypeミーティングのお誘い
アダルトチルドレンと共依存症者のためのSkypeミーティングが始まりました。 時間は毎週水曜日の20時〜21時…

◎回復と平安と祝福を祈っています。

        

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