アダルトチルドレンは自分に自信がありません。
原因は「ACの問題の11番目」の低い自己評価を嗜癖として使っているからです。
この記事はどうしたらACが自信をもって生きることが出来るようになるかについて育て直しの方法について解説しています。
1.アダルトチルドレン(AC)が自分に自信がない理由
一般的に言ってアダルトチルドレンは自分に自信がありません。
ACでない人とACの違いは明白です。
ACでない人は自信があったりなかったりしますが、ACはいつも自信がありません。
原因はACが低い自己評価を嗜癖として使っているからです。
この嗜癖を謙遜とか慎ましいとかと誤解する危険もあります。
「私たちは自分を厳しく裁き、自己を低く評価することを嗜癖として使う」(ACの問題の11番目)

低い自己評価をもつようになった理由は養育者との関係から受け取ったものです。
「あんたはダメね!」「この子は何をやってもうまくできない」などなど罵声を浴びせられて生きれば誰だって低い自己評価の持ち主になってしまいます。
「親に言い返せばよかったのに言い返せなかったのはその人の責任だ」などとバカなことをいう人がいますが、親に言い返せる子がいたら、もはやその子は子供ではありません。
だから子供時代の振る舞いについてはACには責任がありません。
ただし、大人になってから低い自己評価を嗜癖として使っていることについては責任があります。
ある人は「親から強制的に受け取ったにもかかわらず、使わない自由があるとは何事か!」と言われるかもしれません。
しかし私たちには「使わない」という選択肢があります。
もちろん私たちは嗜癖に対して無力であり、自分の力では嗜癖を使わないでいることはできません。
でも自分に力がないと本当に分かった人は自分以外の自分を超えた大きな力に頼るようになります。
「自分を超えた大きな力などというものに頼る気はさらさらない」と言う人は実は自分の無力が分かっていない人です。
人は誰でも自分の無力が分かれば例外なく自分を超えた大きな力を信じるようになります。
2.どのようにしてアダルトチルドレンは自信を回復できるか?
解決策は二つあります。
それは低い自己評価を嗜癖として使わない決心と、古い行動パターンを使わない決心と実践です。
①低い自己評価を嗜癖として使わない決心
アダルトチルドレンの嗜癖がやっかいなのは目に見えないということです。
アルコールなら「飲む」という目に見える印があり、買い物依存症なら不要不急のものを借金をしてでも買うという目に見える印があります。
これに対してACの嗜癖は生き方の嗜癖であり、肉眼で確認することはできません。
そのためアダルトチルドレンは延々と嗜癖を使い続けてしまう危険があります。
またACと言えば否認がつきものです。
「私は低い自己評価を嗜癖としてなど使っていない」と思い込んでいる場合があります。
この場合に否認を解除するのに良い質問が二つあります。
「あなたは新しいことにチャレンジしていますか?」と「あなたは今やっていることを続けていますか?」という質問です。
「私は慎重な性格なので新しいことに飛びつかないのです」という方もおられるでしょう。
しかし自分自身に問うていただきたいことは「新しいことにチャレンジしないのは慎重だからか、それとも自分に自信がないからか?」ということです。
もう一つの今やっていることを途中で止めてしまう隠れた理由は自分に自信がないので最後までやり抜くことができないのです。
もちろん飽き性ということもあるでしょうから、これも自分自身に問い掛けるなら自分自身という存在が正直な答えをしてくれます。
自信回復のための実践方法
「私にはできない。しかし神には何でもできる」と信じつつチャレンジすることを繰り返します。
「私にはできない」とはステップ1で体得することであり、「しかし神には何でも出来る」とはステップ2で実践することです。
ACが使う13の嗜癖の中には「闇雲に、脊髄反射的に、反応してしまう」(ACの問題の13番目)というのがありますから、「だったらやってやろうじゃねぇか」という態度は禁物です。
充分に考慮したあとに適切に行動することが大切です。
この生き方を続けていると必ず低い自己評価を嗜癖として使わなくなっている自分に気づくときがやってきます。
②古い行動パターンを使わない決心
もう一つの解決策は古い行動パターンを使わない決心です。
古い行動パターンとは性格上の欠点である利己的・不正直・恐れ・配慮の欠如の四つのどれかによって構成される「行動の仕方」を指しています。
古い行動パターンを使うと自分自身という存在に見抜かれます。
たとえば人が怖いので不正直な対応をすると自分はごまかせますが、もう一人の自分、すなわち自分自身という存在をごまかすことはできません。
自分自身という存在は「お前は本当に臆病な奴だな。お前は本当に卑怯なやつだな。お前は生きている価値のない人間のクズだ」と言います。
ある人はこの部分をカウンセリングで治そうとしますが、それは無駄というものです。
なぜなら自分自身のその反応の仕方は正しいものだからです。
だから解決はその古い行動パターンを使わないと決心することしかありません。
これがステップ6の決心です。
実践の方法
人が怖いので不正直な対応をする人なら、すべての人に敬意をもって接することに全力を尽くすことです。
そうしたらそのときだけ「人が怖い」という人への恐れを自分の中から締め出すことができます。
締め出すことができれば不正直な対応は影を潜めます。
気がつくと自分自身という存在が「お前は本当に良くやっているよ。お前は本当に偉いよ!」と言ってくれるようになります。
これで共存本能の自尊心が傷つくことはなくなります。
嗜癖を使わない決心と古い行動パターンを使わない決心はセットになっています。
どちらか一つだけでは効果がありません。
3.そのために(回復するために)アダルトチルドレンは何をすればいいのか?
「私たちの中には自信に満ちた人格が存在している」(ACのための12のステップ96頁14行目)
自信のある自分へと変わる秘訣は信じてチャレンジすることです。
これは本来の自分は自信に満ちた存在であると信じることです。
またこれは自分が自分自身に対して理解していることではなく、神が私自身に対して言われていることを正しいと受けとめることです。
「あなたはわたしの目に高価で尊い」(聖書イザヤ書43章3節)
上記の聖書の言葉を読んで「ふ〜ん。こんなことが書かれているんだ」で終わってはなりません。
そうではなく「そうか。神が私のことを『高価で尊い』と言っておられるだから間違いなく私は高価で尊いのだ。たとえ自分や他者が『お前はダメだ。できない』と言ったとしても私は神が言っておられることが正しいと信じる」とするのです。
このような生き方は地上天国を歩む人生です。
どうぞ死んでから天国に入るのではなく、生きているうちに地上天国の歩みをしたいものです。
アダルトチルドレンが自信を回復するために必要なことは三つです。
一つ目は嗜癖を使わない決心であり、二つ目は古い行動パターンを使わない決心です。
三つ目は自分の中に「自信に満ちた人格が存在している」ことを信じて、毎日の生活の中でチャレンジしていくことです。

◎回復と平安と祝福を祈っています。