性依存症などの依存症者が怒りに対して無力を認めると回復がすすむ!

恨みをもっていてはならない理由

「依存症者やACだって人間なんだから怒りたい時は怒ればいい」と思っている方はおられませんか?
この記事では依存症者にとって怒りの感情は嗜癖であることを明らかにし、怒りの感情を手放す方法を解説しています。

        

1.性依存症などの依存症者が怒りの感情に対しても無力を認めなければならない理由

怒りの感情

性依存症者のための12ステップ本であるホワイトブックには「どんな種類の嗜癖によってどういう行為がやめられないのかに関係なく、……怒りや恨みの感情に完全に耽(ふけ)っている」(49頁2行目)とあります。

耽(ふけ)るとは嗜癖に耽るという意味です。
ここまでを読まれて「私は怒りの感情を嗜癖として使ってなどいない」と思われた方もいるのではないでしょうか?

しかしホワイトブックは至極当然のようにどんな依存症かに関係なく、すべての依存症者は怒りの感情を嗜癖として使っていると言っています。

これはありのパパのように「怒りの爆発」を嗜癖として使っているというのとは違います。
そうではなく「怒りの感情」を嗜癖として使っているというのです。

またこれは依存症レベル(脳の報酬系に依存症回路ができている状態)ではなく、単に嗜癖として使っている状態を指しています。
(もちろんこのまま使い続けると怒り依存症者になる危険があります)

依存症から回復するためには二つのことをする必要があります。
一つは嗜癖を使わない決心です。
もう一つは行動パターンを変える決心と実践です。

もちろん私たちは嗜癖に対して無力なのであり、自分の力では嗜癖を使わないでいることはできません。
しかしだからと言って嗜癖を使わない決心をしなくてもいいということにはなりません。

ありのパパを含めて多くの方は「私は『この依存症・この嗜癖』だけ使わなくなればそれでいいんです」と思っています。
これは確かに合理的な考えであり、実際的な考え方でもあります。

しかし怒りの感情と、あなたがもっている嗜癖との関係においては合理的でも実際的でもありません。

なぜなら怒りの感情とあなたの嗜癖は一体となっているからです。
どういうことかというと、私たちの心のメカニズムは「他者や自分に対して怒りを感じた時は嗜癖を使っていい」となっているからです。
これが依存症から回復するためには怒りの感情を手放さなければならない理由です。

        

2.本丸の嗜癖に無力を認めたように怒りの感情に対しても無力を認める

無力を認める

どんな依存症であっても怒りの感情に対して無力を認めなければ回復の障害になります。
理由は既に述べたように私たちの心の中には「怒りを感じた時には嗜癖を使っていい」という考え方があるからです。

この「考え」のことを文章記述と言います。
では「怒りを感じても嗜癖を使ってはならない」という文章記述に変更したらよいではないかという考えはどうでしょうか?

これは怒りの感情を嗜癖として使っているのでなければ有効です。
カウンセリングなどで効果があるのは、この怒りを嗜癖として使っていないケースです。

しかしもしあなたが怒りの感情を嗜癖として使っているなら、カウンセリング的なアプローチは効果がありません。
理由は嗜癖として使っているなら無力を認めることだけが唯一の解決方法だからです。

そういうわけで私たちは依存症に対して無力を認めたように、怒りの感情に対しても無力を認めます。
そうしたら回復の歯車が回り始めます。
回復の歯車とは新しい行動パターンを使って生きていくことです。

        

3.新しい行動パターンだけを使って生きていくと不快感情がなくなり怒りの感情を嗜癖として使う必要もなくなる

新しい行動パターン
依存症からの回復には二つの解決策があります。
一つは共同体から受ける助けと支えです。
これは言い換えるとミーティングに参加することによって自分の無力を認め続けるということです。

もう一つの解決策は霊的に目覚めることです。
霊的に目覚めるとは「回復するのに充分な人格の変化」(ビッグブック)です。
では人格が変化するとはどういうことかと言えば、それは「考え方・感じ方・行動の仕方」(ACのための12ステップ44頁・下から3行目)が変わることです。

この三つのうちで自覚的に変えられるのは行動の仕方だけです。
また行動の仕方だけが即座に変えられるものです。
そして行動の仕方を変え続けると考え方と感じ方が徐々に変わっていきます。

新しい行動パターンだけを使って生きていくと不快感情がなくなりますから怒りの感情を嗜癖として使う必要もなくなります。

以上のことから霊的に目覚めるとは行動パターンが変わることであるということができます。
大切なことはなにか目に見えない霊的体験を闇雲に求めるのてはなく、行動パターンを変えることにしっかりと焦点を定めることです。

そうしたら心が平安に満たされて「回復するとはこういうことか。これだったら治らなくてもいい」と実感するようになります。

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