アダルトチルドレンの棚卸しも他の依存症の棚卸しと変わらない!

「12ステップに取り組んでいるがステップの4・5で違和感が頂点に達した!」というACの方はおられませんか?
この記事ではACも標準的な12ステップで回復可能な理由を明らかにし、ACが棚卸しをする時に注意すべき点を解説しています。

        

1.アダルトチルドレン(AC)の棚卸しも他の依存症の棚卸しと変わらない

認識のギャップ

「ACのための12ステップ」という書籍にはステップ5は「自分の欠点の正確な本質を認めることだけを要求している」(86頁7行目)とあります。

ACの棚卸しも他の依存症の棚卸しと変わるところはありません。
中間施設ではAC・薬物・共依存・買い物・アルコール・ギャンブル・性の仲間とともに何の問題もなく一つの12ステップを学びます。

もし依存症ごとに12ステップを学ばないといけないとすると中間施設が存続する余地はありません。
しかし現在に至るまで何の問題もなく中間施設が活動を続けているのを見ても明らかなようにすべての依存症に対して一つの12ステップで充分に対応可能です。
(中間施設とは依存症専門外来などの病院と自助グループの中間的位置にあって両者の橋渡しをする施設を指します)

これは各自助グループの存在価値を否定したり弱めようとしているのではありません。
なぜなら依存症ごとに回復する際の留意点が異なるからです。

たとえばアルコールや薬物などの物質依存と、ギャンブルや買い物などの行為依存、そして人間関係依存のACと共依存、怒りの爆発や対人恐怖などの感情と情緒の依存症では、対処の仕方に異なる点があります。

アダルトチルドレンが陥りやすい間違い

ACが中間施設で12ステップを学んだり、ACであってアルコール依存症者である人がAAの12ステップを学ぶ時に違和感を感じることがあります。

それで「自分は標準的な12ステップを学んでもそれで充分とは思わない。これとは別にAC用にもう一つ別の12ステップを学ぶ必要がある」と考えるようになります。

このような考え方には致命的な間違いが含まれています。
それは12ステップは依存症からの回復プログラムであるということです。
12ステップがいくら効果があると言ってもそれは依存症に対してであって、他の病気に対しては効果がありません。

ですからもしACが依存症でないとしたら、ACの人が12ステップに取り組んでも効果はないということになってしまいます。
そしてACが依存症であるなら標準的な12ステップを学ぶことによって充分に回復可能ということになります。

        

2.ACの生育歴は棚卸しの対象外であり、回復に関係ない

生育歴に焦点を当てる

「その欠点がどこから来たのか……議論する必要はない」(同86頁9行目)

同書にはご丁寧にも棚卸しをする際に生育歴は関係ないと書かれています。
これはACの回復にも生育歴は関係ないということでもあります。
なぜならステップ5の棚卸し作業はプログラムの中核的部分であり、その部分で必要ないならACの回復にとって生命的に重要な要素ではないということになるからです。

ありのパパを含めて多くのアダルトチルドレンが見落としている点があります。
それは「ACの問題」に書かれていることを嗜癖として捉えるのに失敗しているということです。

確かに「ACの問題」を使うようになった原因は養育者との関係にあります。
しかしそれは子供時代のことであって、大人になっても「ACの問題」を使っているのは使っている本人の責任です。

そしてアダルトチルドレンは「ACの問題」を嗜癖として使っています。これはギャンブル依存症者がギャンブルを嗜癖として使うように、共依存症者が病的な人間関係を嗜癖として使っているのと同じです。

そして「ACの問題」に対して私たちが無力なのは脳の報酬系に依存症回路ができているからです。
これがアダルトチルドレンを依存症として捉える理解の仕方です。

もしACが棚卸しのときに生育歴にフォーカスを当ててしまうと、棚卸しはうまく行きません。
なぜなら棚卸しの目的は古い行動パターンを特定することだからです。

古い行動パターンを特定するというのは自分の人生が思い通りに生きていけなくなった原因はほかならぬ自分にあるのを認めることです。

これに対して生育歴にフォーカスを当てるのは「こんな自分にしたのは親のせい」と言っているようなものです。
これは「自分は被害者だ」と言っているのと同じです。

しかし12ステップの理解は「私は被害者ではなく、問題の当事者である」ということです。

そういうわけで生育歴に目を向けている限り回復はありません。
https://wp.me/PEPCG-45n

        

3.古い行動パターンが明らかになれば自ずと新しい行動パターンをも明らかになる

問題から目をそらす

「どう変えていったらいいのかを議論する必要もない」(9行目)

上記の文章の真意は、新しい行動パターンを考える必要がないというのではなく、古い行動パターンを特定せずにどう変えていくかを議論しても無駄と言っているのです。

これは病的な人間関係を嗜癖として使っている人が陥りやすい罠です。
ACはこのようなことを延々と繰り返して「自分の問題を見ないように」してきました。(ACの問題の6番目と9番目)

自助グループに来てまでも下手(へた)をすると「自分の問題を見ないために」延々と「どう変えていったらいいかを議論する」危険があります。
危険があるというよりは、こんなことはACの自助グループではありふれた光景でさえあります。

ACは古い行動パターンを特定することにフォーカスする必要があります。
古い行動パターンが明白に理解できれば自ずと新しい行動パターンも明らかになります。

AC Skypeミーティングのお誘い
アダルトチルドレンと共依存症者のためのSkypeミーティングが始まりました。 時間は毎週水曜日の20時〜21時…

◎回復と平安と祝福を祈っています。

        

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