「自分はACの回復に取り組んでいるが、回復に必要なものは何か?」と思っている方はおられませんか?
この記事はACの回復には自己開示する勇気と新しい行動パターンが必要であることを解説しています。
1.アダルトチルドレンの回復には自己開示する勇気が必要
アダルトチルドレンが棚卸しをやろうとするときに遭遇する困難は「自分自身にさえ隠している本当の自分をどうして他の人に見せることができるだろうか」というところにあります。(ACのための12のステップ83頁7行目)
しかしアダルトチルドレンが棚卸し作業に取り組まずに、漫然とミーティングに参加しているだけの状態を続けるなら、かならず人生を棒に振ることになります。
その典型例がありのパパです。
40歳の時に12ステップを知りましたが、取り組んだのは58歳のときでした。
原因は自己開示することを恐れたからですが、当時は気づいていませんでした。
アダルトチルドレンが回復することを願うなら、どうしても自己開示する勇気が必要です。
はたしてACは自己開示する勇気をもつことができるでしょうか?
ありのパパはできないと思います。
ではどうすればいいでしょうか?
私たちはステップ1で無力を認め、ステップ2で神にならどんなことでもできると信じました。
だからステップ1と2をここに適用するのです。
「私には自己開示することができない。しかし神にはどんなことでもできる。よし、信じて取り組むぞ!」
どうぞ「今というこの時」に棚卸し作業に取り組まれますように。
2.目に見えない行動パターンが自分自身を傷つけている
「アダルトチルドレンの問題」の11番目には「私たちは自分を厳しく裁き、自己を低く評価することを嗜癖として使う」というのがあります。
人間関係に問題を感じる人は多くの場合において自己一致していません。
この場合の自己一致とは「自分の本心を相手に言えない」ということです。
そもそも自分でも自分の本心が何か分からないというのもあります。
建前ばかりの人間関係を続けるというのは12ステップの視点から言うと性格上の欠点である恐れと不正直を使っていることです。
その結果、将来野心の感情面での安全本能が傷つきます。
なぜなら「こんな建前ばかりの人間関係を続けていたらいつかは人生が行き詰まってしまう」のを知っているのは、ほかならぬ自分自身だからです。
ここで見落としてはならないのは現在人間関係にトラブルが生じていないにもかかわらずというところです。
表面上はうまく行っているにもかかわらず、自分自身という存在が本質を見抜いて「将来人間関係が必ず破綻する」と宣告するのです。
その結果、恐れの感情が暴走し、不快感情から逃れるために嗜癖行為に走るようになります。
不快感情とは例えるなら心の暗闇であり、暗闇でオバケが出ると「ぎゃ〜!」となりますが、不快感情がなく、心が真っ昼間のようであればオバケが出てきても「何をしよっとか?」と却って笑えてきます。
ACの嗜癖行為とは「自己を低く評価することを嗜癖として使う」ことです。
「自分なんかダメだ!」と自分をいじめていれば、そのときだけ不快感情を感じなくてすみます。
しかしACは「私の自己評価が低いのは謙遜でも何でもない。私は自己を卑下することを嗜癖として使っていた」と気づく必要があります。
3.新しい行動パターンを使い続ける時に起きること
あやまちの正確な本質を知るだけでは不十分です。
なぜなら「認めることはそれが繰り返されないという保証にはならない」(同84頁11行目)からです。
どうしても新しい行動パターンを考え出すことが必要です。
新しい行動パターンで古い行動パターンを上書きするのです。
これは要するに一日24時間どんな場面でも新しい行動パターンを使うことによって古い行動パターンの出番をなくすということです。
古い行動パターンを使っていたときは「お前は本当に臆病な奴だな。卑怯な奴だな。お前は生きていたらいけない人間のクズだ」と自分の中にいるもう一人の自分、すなわち自分自身という存在に裁かれていました。
それが新しい行動パターンを使い続けていると今度は「お前はよくやっているよ。お前は偉いよ!」と言ってくれるようになります。
こうして傷つきっぱなしだった自尊心は修復され、低かったセルフイメージが爆上がりします。
12ステップはACや依存症からの回復プログラムであるのはもちろんのことですが、人格や生き方のための改善プログラムでもあるのです。
◎回復と平安と祝福を祈っています