養育者との関係からくる「権威のある人を恐れる」ことからの解放!

養育者との関係

「私は人が怖い」とか「私は目上の人とか上司が怖い」という方はおられませんか?
この記事では権威のある人を恐れる原因を明らかにし、そこから解放されるための方法を解説しています。

1.権威のある人を恐れるのは養育者との関係から受け取ったもの

①批判的な親に責められて育った場合

養育者が自分の子供に対して批判的で責めるような育て方をすると、その子供は大人になると権威のある人を恐れるようになります。(ACのための12のステップ67頁3行目)

理由は養育者への恐れを権威のある人に投影するからです。
これらは無意識の領域で行われるため、本人はなぜ権威のある人を恐れるのか分からない場合がほとんどです。

②養育放棄の家庭で育った場合

養育放棄の家庭で育ったアダルトチルドレンはどうでしょうか?
やはり同じように権威のある人に対して絶対従順とでも言わなければならないような態度を取るようになります。

これの原因は見捨てられ不安です。
「言うことを聞かないと見捨てられるかもしれない」と無意識の領域で考え、脊髄反射的に反応してしまうのです。(ACの問題の12番目)

2.権威のある人を恐れると強迫的態度と行動が現れる

強迫的神信仰

心が健康な人も権威のある人を恐れます。
しかしこの場合には恐れると言っても限度があり、健全な現れ方をします。
ACのように闇雲で脊髄反射的に反応してしまうのではなく、充分に考慮して適切に行動します。
そして恐れは恐怖感を伴ったおそれではなく、自分を超えた大きな力への畏敬(いけい)という形で現れます。

ありのパパのことで言えば他の信仰者が神に対して畏敬の念を持っていたのに対して、自分は神に対して強迫的な態度と行動をとっていました。
自分では神に対する強迫的な態度がどこから来ているのか分かりませんでした。

12ステップの仲間の中にも強迫的に神を信じようとする人がいます。
要するにご自分が回復するためにキリスト教の神を信じようとするのです。
「『信じるから、回復させてよね』というような神と取引する態度である限り、いくら信じても無意味ですよ」と申し上げると、多くの場合に分かっていただけます。

これの原因は親との関係から受け取った「権威を恐れる心」を神に対して投影しているのです。
問題の核心は権威のある人を恐れる心から様々な病的な行動が出ているのに気づくことです。
それなしにはいろんなことをやってみても効果は期待できません。

3.権威を恐れると嗜癖を使うようになる

「権威を恐れる」というのは四つある性格上の欠点のうちの「恐れ」の一種です。
性格上の欠点からくる行動パターンを使い続けると本能を傷つけ、感情が暴走します。
感情が暴走した結果、不快感情が溜まりに溜まり、それから逃れるためにどうしても嗜癖を使わざるを得ないところに追い込まれます。

ですから「権威のある人を恐れても仕方ないよね〜」とうそぶいているわけにはいきません。
どうしても権威のある人を恐れない方法を見つける必要があります。

解決策は二つあります。

①共同体から受ける助けと支え

行動パターンを変える

これはミーティングに参加して仲間の話を聴かせてもらい、自分の話を聴いてもらうことです。

なぜこれが必要かと言うと、アダルトチルドレンは心の中で「私は恐れてませんけど。それが何か?」みたいな感じで鉄壁の否認で自分を覆っている場合が多いからです。
認めているように見えるACでも「私はそれほどひどくない」とか普通に思っているものです。

ですからどうしても仲間の話を聴き、自分の話をすることによって「たしかに私は権威のある人を恐れている」という気づきをもつことが大切です。

②本質的な解決策は行動パターンを変えること

もう一つの解決策は霊的に目覚めることです。
霊的に目覚めるとは宗教的体験をすることではなく、今までの自分がしてきた行動のカラクリを見破り、そのカラクリを再び繰り返さないために新しい行動パターンを実践することです。

新しい行動パターンを全力で実践しているときだけ「権威のある人が怖い」という思いを自分の中から締め出すことができます。
自己意志にはある特徴があり、一つのことに集中していると他の考えを締め出してしまうのです。
この特徴を自覚的に活用するのが新しい行動パターンです。

「権威のある人が怖い」というのは間違った思い込みですが、これに正面対決してはなりません。
なぜなら人格は考え方・感じ方・行動の仕方の三つによってなるものですが、私たちが変えられるのは行動の仕方だけだからです。

考え方と感じ方は直接的には変えられません。
しかし行動の仕方を変え続けていくと、「権威のある人を恐れるべきである」という考え方が変わり、「権威のある人が怖い」という感じ方が変わってきます。
ですから行動の仕方を変えることに全力を尽くすべきなのです。

◎回復と平安と祝福を祈っています。

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