多くの人が感情が暴走しても対処法を知らないので否認します。
その結果として人生が思い通りにならなくなります。
この記事ではどのようにしたら否認を解除できるかを明らかにし、心と人生が五月晴れのようになる方法を解説しています。
1.否認の問題を解決するにはステップ5の棚卸し作業がベスト!
カウンセラーがクライアントをカウンセリングする時に難儀するのはクライアントさんの否認を解除することです。
否認を解除しない限り、問題の核心を扱うことができませんから当然のことです。
否認するようになった原因は自分を守るためでした。
否認でもしなければ不快感情が暴走した状態から逃れることができませんから。
もっとも否認したからと言って不快感情から逃れられるわけではありません。
もし逃れられるのなら、みんな否認するのではないでしょうか?
ありのパパなどは否認することに効果はないと分かっていても否認を止めることができませんでした。
なぜなら自分が否認していると知りませんでしたから。
このようなわけでカウンセラーがクライアントの否認を解除するのは大変困難です。
しかしここに、いとも簡単に否認を解除できる「霊的道具一式」があります。
それが12ステッププログラムです。
依存症やアダルトチルドレン&共依存症からの回復には12ステップ一択であると言われ、多くの人々がこのプログラムに取り組みます。
そしてステップの1・2・3と進み、ステップ4・5で棚卸し作業に取り組みます。
棚卸しは恨み・恐れ・性的領域で迷惑を掛けたこと・その他で迷惑を掛けたことの四つの領域をやります。
否認している人の最初の反応は「私、恨んでませんけど!」というものです。
しかしスポンサーはニコッと微笑み、「恨みのリストから見ていくことにしましょう」とのたまいます。
そして「恨んでないんですけどね、私がこの人を恨むに至った理由は………」などと、しれっとした顔で棚卸し作業に取り組みます。
このような矛盾した行動に気づくのはずっとあとになってからの場合が多いようです。
ここに書いているのはありのパパ自身のことを書いています。
12ステッププログラムが「どうぞ、いくらでも否認でも抑圧でも好きなだけしてください。そんなものは軽々と乗り越えてみせますから」とでも言っているかのようです。
2.自分にとっての大きな秘密は他の人にとっては何でもないこと
EA(感情と情緒に問題を感じる人々の自助グループ)が使っている「How It Works」という12ステップ本には「自分の秘密をあかしたら決してだれにも受け入れられることはないだろうと確信していた」(35頁7〜9行目)とあります。
しかし実際にはそうはなりませんでした。
自分の棚卸しを聴いてくれる「もう一人の人」は「それが何?」みたいな顔をするのが一般的です。
そして「次に行ってもいいですか?」と聞いてくるのです。
そのことによって自分が秘密にしておかなければならないと思っていることなどは他の人にとっては大したことではないのだということに気づきます。
多くの人々がミーティングに参加しても、12ステップに取り組まない理由が「自分の秘密を他者に教えるわけには行かない。この秘密は墓場までもっていく」と考えていることにあります。
このプログラムの中心は棚卸し作業にあります。
そういう意味ではステップの1から3は棚卸し作業を行うための準備であり、ステップの6から9は棚卸し作業をしなければ決して実行できないステップであり、そしてステップの10から12は棚卸し作業の結果として得た霊的目覚めを維持・深化させていくための手段であると言えます。
3.「過ちの正確な本質」とは性格上の欠点からくる行動パターン
ステップ5の文言には「自分の過ちを認めた」とは書かれておらず、「自分の過ちの正確な本質を認めた」とあります。
果たして両者には違いがあるのでしょうか?
過ちを認めるとは正直になることであり、それ以上ではありません。
しかし過ちの正確な本質を認めるとは、それ以上のことを指しています。
それは相手を恨んだり、恐れたりした本質的な原因が自分の性格上の欠点からくる行動パターンにあったと気づくことです。
リカバリー・ダイナミクスで使われる棚卸し表の第四列は性格上の欠点であり、利己的・不正直・恐れ・配慮の欠如があります。
その棚卸し表の第四列の一番上には「私たちの側の過ちの正確な本質」と書かれてあります。
(リカバリー・ダイナミクスとは中間施設向けに改変された12ステッププログラムのこと)
過ちの正確な本質を認めたとは自分のどの短所が問題の原因になっていたのかを知ることです。
「全部私が悪いのよ!」では過ちの正確な本質を認めたことにはなりません。
「利己的もある。不正直もそう。恐れもあったかな?あと配慮の欠如も!」これも一見誠実なように見えますが、的(まと)の真ん中を射抜(いぬ)いているとは言えません。
的の真ん中を射抜くとは四つの欠点の中で原因・動機になっているものを明らかにし、その現れはなんであったのかを認めることです。
そして忘れてはならないことは必ず「ではどのように振る舞っていたら相手を恨んだり恐れたりしなくてもすんだのか?」を考えることです。
これが新しい行動パターンになります。
この新しい行動パターンを考え出す時に大切なことはご自分のマインドにピッタリとくるものを選ぶことです。
借り物ではいけません。そんなものは何の役にも立ちません。
ご自分が無意識に使いこなせるものであることが必要です。
◎回復と平安を祈っています。