癇癪持ちは恨みの出処を知ることが自分自身を大切にすることに通じる

癇癪持ちの原因

多くの癇癪持ちは何か知らないけどむしゃくしゃするので怒りを爆発させており、なぜ自分が怒っているのか知っている人はまれです。
この記事では恨みの出処を正確に知るのが重要であることを明らかにし、その具体的方法を解説しています。

        

1.癇癪という現象だけを解決しようとしてはならない

癇癪持ち・怒り依存症者が願うことは唯一つ、怒りを爆発させないで生きていくことです。
「そのためには何でもやる!」という決心と覚悟で12ステッププログラムに取り組みます。

「手っ取り早く教えてくれよ」と内心では思っているのですが、なかなか教えてくれません。
それでしびれを切らします。

しかし現象だけを問題にしても怒りの爆発は解決しません。
なぜなら怒りが爆発するのはそれなりの理由があるからです。
その理由を追求しないで現れだけを何とかしようとする試みは必ず失敗に終わります。

どの不快感情から逃れるために怒りの爆発という嗜癖を使ったのかを明らかにすることが大切です。

怒りが爆発する時の心の動きにはいくつかのパターンがあります。

恨みの感情が暴走することによって怒りの爆発が引き起こされるのが一般的です。
「自分はまたバカにされそうだ。こうなったらバカにされる前に怒りを爆発させてやる!」という感じです。

罪悪感や後悔の感情を感じたくないために怒りを爆発させることもありえます。

恐れの感情を感じないために怒りを爆発させるということも日常生活ではよくあることです。

ご自分が怒りを爆発させたり、させそうになったりするたびに、静まって「自分のどの感情が暴走したのか?」と省(かえり)みます。
これを日々の棚卸しと呼びます。

        

2.感情が暴走した理由を知る

どの感情が暴走したのか明らかになったら、次はどの本能が傷ついたのかを明らかにします。

自分自身とは本能を指しています。
本能には、周りとうまくやっていきたいと願う共存本能、自分の生きる環境を安全・安心な状態に保ちたいと願う安全本能、性本能、将来野心があります。

本能が傷つくと感情が暴走することによって私たちに本能が傷ついたことを教えてくれるように人間は造られています。

しかし多くの場合において私たちはどのように対処すればよいかを知らなかったので、感情が暴走しても本能が傷ついても否認したり抑圧したりして気が付かないふりをしました。

それで不快感情は溜まりに溜まり、それから逃れるために嗜癖を使わざるを得ない状況に自分を追い込んだというのが問題の真相でした。

共存本能が傷つくと「私はダメな人間だ」ということで自尊心が傷つきます。
当然のことながら対人関係も傷つきます。

家庭や友人との間に人間関係のトラブルがあると感情面での安全が傷つきます。
職場でトラブルがあると失職の可能性がありますから、物質面の安全が傷つきます。

性本能には秘密の性関係と公認の性関係があります。

そしてそれぞれの本能に将来野心があります。
将来野心とは将来にわたって本能を充足させたいと願う本能です。

たとえば「本心を偽った人間関係を続けていくといつかは人間関係が破綻するときがやってくるのではないか?」と恐れると、将来野心の感情面での安全が傷つきます。

一つ一つ自分自身の本能を見ていくと意外な発見があるものです。
そして少しずつ正気(しょうき)に戻っていきます。

        

3.自分自身を大切にするとは本能が傷つかないようにすること

自分自身を大切にするとは自分自身のことが見えているということです。
これは言葉を変えていうと以前の自分の心はブラックボックスであったのが今では自分の心はガラス張りであり、心の中でどのような動きが起きているかを十分に理解しているということです。

そして回復の道を歩み続けると新たな視点が与えられます。
それは今の今まで他人が自分を大切にしてくれないと思っていたのが、実は自分が自分自身を大切にしていなかったということです。

自分自身を傷つけていた真犯人はまわりの人々ではなく、自分の性格上の欠点からくる行動パターンであったのです。
性格上の欠点は四つあります。
利己的・不正直・恐れ・配慮の欠如です。
この四つが様々に組み合わさって、その人なりの行動パターンが形成されます。

例えばありのパパの場合ですと、「人が怖いという人への恐れの故に不正直な行動をする」というものでした。

「もしその時に正直に自分の本心を言えていたら、今でもあなたはその人を恨んでいたと思いますか?」という質問にあなたは何とお答えになられるでしょうか?
多くの方は「いいえ、もしその時に自分の本心を言えていたら少なくともその人を恨むということはありませんでした」とありのパパにお答えになりました。

この気づきがステップ6の古い行動パターンを使わない決心と、ステップ7の新しい行動パターンを使って生きていく決心と実践につながっていきます。

ですからこの事実に気づくことさえできれば人生は全く変わったものになることが可能です。

◎回復と平安を祈っています。

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