感情の否認を嗜癖として使うことから解放されるための具体的方法!

ACの問題の中に感情の否認があります。
やっかいなのは感情の否認をACは嗜癖として使っていることです。
この記事では否認を嗜癖として使っているのがACであることを明らかにし、どのようにして感情の否認から回復していけばよいかを解説しています。

1.アダルトチルドレンは感情の否認を嗜癖として使う

ACにとっての回復の困難さは自分を悩ましている嗜癖の原因が自分ではなく親にあるところにあります。
他のACの問題と同じく感情の否認の問題も親から受け継いだものです。

ACの家庭は虐待ないし機能不全家族であり、父には殴られ放題、母は自分を守るのに精一杯。
悪くすると父は依存症、母は発達障害系の困難を抱えていたりします。

この状態では何を言っても無駄であり、ましてや非力な子供であるならなおさら抵抗することは出来ませんでした。
それで子どもたちは最後の手を使うことになります。
それが感情の否認です。

子供がよくやる夢物語に逃げ込むのは現実への不安や不満が原因であると言われますが、ACの感情の否認はそんな生易しいものではありません。
まさに「生き延びるすべ(サバイバル術)として」感情の否認を「最後の手」として使ったのです。

しかし大人になってその手を使う必要がなくなったにもかかわらず無自覚のうちに延々と同じ手を使いました。
そのためサバイバル術は気がつくと嗜癖へと変質していました。
これはアルコール・薬物などと同じです。
適量であれば依存症になることはありませんが、使いすぎると依存症回路が脳の報酬系に出来てしまいます。

ACも全く同じであり、脳にできた依存症回路から「感情なんて否認しちゃえばいいんだよ!生きるのが辛いだろ〜。使ったら楽になるぞ!ほ〜ら、使え!」と強迫観念が嘘を教えにやってきます。

問題は依存症であるにもかかわらず、親との関係に焦点を当て続けたままでは回復は望むべくもないのは当然のことです。

2.感情表出訓練と12ステッププログラム

ある人々は感情を表すことができないことが問題なのだから、感情を表すための訓練をすれば良い考えます。(これを感情表出訓練と言います)
しかしこの理解は問題の表面しか見ていません。
もちろん否認が依存症レベルになっていないなら効果があるでしょう。
ちょっと考えていただきたいのですが、いったん飲めなくなったアルコール依存症者が再び飲めるようになるでしょうか?
いいえ、いったん飲めなくなった元アルコール依存症者は残る人生ではシラフを通す必要があります。
感情の否認も同じです。

それでも感情表出訓練をやるという方は注意すべきことがあります。
初めて出てくる感情は悲しみであり、次に出てくる感情は怒りです。
ありのパパはこの段階で怒りの感情が怒りの爆発へと変質してしまいました。
皆さんには同じ過ちを犯していただきたくありません。
この危険を回避するために、最初から12ステッププログラムに取り組むほうが良いというのがありのパパの理解です。

嗜癖を使わなくなるための本質的な解決策は不快感情を溜め込まないことです。
不快感情を溜めないためには感情が暴走しないようにすることであり、そのためには本能が傷つかないようにすることです。
本能を傷つけない唯一つの方法は自分の側の行動パターンを変えることです。

不快感情がなければ感情を否認しなくてすむことを私たちは人生で初めて体験することになるでしょう。

3.ACは感情の暴走に気づけない

否認の解除は通常は徐々に起きるものです。
そのために一度限り不快感情をなくすのではなく、継続的に自分の人生から不快感情を追い出し続けることが必要です。

それで大切になってくるのがステップ10の日々の棚卸しということになります。
日々の棚卸しをやっている限り、私たちの中に不快感情の恨みと恐れが再び入ってくることはありません。

ここで残念なお知らせがございます。
それは感情が暴走したことを気づけないACが多いということです。
なぜなら感情が暴走しそうになると自動感情否認システムが起動して感情を否認するからです。
でもご安心ください。
対応策があります。
それは「感情を感じなくなる」「感情がなくなる」などはみな感情の否認システムが働いた印です。
ですから感情を感じなくなるたびに「あっ、これは感情が暴走したのに違いない!」と受け止めて、それを日々の棚卸しの合図とするのです。

ありのパパは2014年の12月から感情を感じなくなるたびに日々の棚卸しをやるようにしました。
その結果、何が起きたかというと感情の否認がなくなりました。
他の人と同じように悲しいときは悲しいと感じ、不安のときは不安に感じ、怒りを感じるときは(突然怒りを爆発させるのではなく)「あぁ今、自分は怒りを感じているんだな」と怒りの感情を感じるようになりました。

◎回復と平安を祈っています。

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