依存症にならなければ誰も棚卸しをしようとは思わないでしょう。
それぐらい棚卸しには抵抗感があります。
この記事では実際にやってみると棚卸しは全然怖くないことを明らかにし、さらに棚卸し作業がスムーズにできる秘訣を書いています。
1.棚卸し作業が怖いからと言って取り組まないと人生を棒に振ります
12ステップの4・5の棚卸し作業に恐怖感を感じない人はいないと思います。
みんな怖いのです。
でも、その怖さを乗り越えないまま、そのままずっと行ってしまうと確実に人生を棒に振ることになります。
ありのパパは40歳の時に自分がアダルトチルドレンであることと、そこからの回復の道具である12ステップを知りました。
しかし棚卸し作業を18年間先延ばしにしました。
理由は色々あります。
たとえば周りに12ステップをやっている人がおらず、棚卸しに至っては「それ美味しいの?」状態であったこととかです。
しかしそれらは皆言い訳でしかありませんでした。
結果として働き盛りの期間の人生を棒に振ることになりました。
(もっともこのことは益もありました。なぜなら確実に底付き経験をしたことと、決して治らないという無力を認めることが出来たからです)
18年間ありのパパがやってきたことと言えばステップ1から3をやり、行動のプログラムはすっ飛ばしてステップ10から12をやるというものでした。
全く「『飛んでイスタンブール』じゃないんだから!」と過去の自分に言ってやりたい気持ちです。
なぜステップの1から3をしただけでは回復しないかというと、12ステッププログラムの本体はステップ4から9までだからです。
ステップ1から3は本体に取り組むための準備であり、ステップ10から12は本体に取り組んだ結果として得た霊的目覚めを維持するためのものです。
だから「認めて、信じて、お委ね」しただけでは何の変化も起こりようがないのです。
2.自分の内面をさらけ出すのは怖く感じるが、実際にやってみるとどうってことはない!
実棚の卸し作業は恨み・恐れ・性の領域で迷惑を掛けたこと・その他の迷惑を掛けたことの順に淡々とやっていきます。
少しも現実を「暴露」するようなところはありません。
棚卸しの真の目的は自分の行動を洗いざらい話すことではありません。
そうではなく「自分の過ちの本質を認める」ことです。
過ちの本質とは自分の性格上の欠点からくる行動パターンはどんなものかを明らかにすることです。
そして続いて古い行動パターンの対極にある新しい行動パターンは何になるかを考えます。
「初めからこのことが分かっていたら恐れなかったのに!」という気持ちもしますが、まぁこれは後出しジャンケンですね(笑)。
それで今から棚卸し作業に取り組もうとする方々に心から申し上げたいことは「棚卸し作業は怖くありません。実際の棚卸し作業は笑いの絶えないものです」ということです。
3.怖さと正面対決しないための方法
今まで散々「怖くない」と書き続けてきましたが、自分の過ちの本質を認めることはやはり多少の怖さも伴うものではあります。
そのために自分の本質に向き合う時の怖さをやり過ごす方法をご紹介します。
①項目を縦に書いていく
棚卸し表は恨んだ人の名前⇒傷ついた本能⇒自分の側の過ちの本質の順番に並んでいます。
これを一人ひとり完成させていこうとすると行き詰まりを覚えます。
なぜなら苦しくてたまらなくなるからです。
そうならないためにまず名前だけを書いていきます。
次に傷ついた本能だけを特定していきます。
そして最後に自分の側の過ちの本質だけを書き込んでいきます。
こうすると行き詰まりにくいです。
②一度に全部完成しようとしない
一般的なやり方は棚卸し表を全部完成させてから、ステップ5に取り組みます。
しかしこのやり方は困難が伴います。
実際にありのパパに「棚卸し表を書き終えたら連絡します」と言ったまま音信不通になった方は数え切れないぐらい多いです。
それでありのパパがステップ5の棚卸しのシェアリング・パートナーをやらせていただく時には「棚卸し表を全部完成させなくていいです。一行でも書けたら、すぐに始めましょう」という事にしています。
このやり方が最も現実的ではないかと考えています。
なぜならやっている最中に「自分が恨んでいたのは根拠のないことだった」と気づき、自分の中の恨みや恐れが消えてなくなってしまう場合も多いからです。
そうなると恨みや恐れの残りの表が無駄になってしまいます。
そうならないためにもステップの5と4は同時並行でやっていくのが実際的だと思います。
③懺悔のためでなく、古い行動パターンを見つけるためにやる
自分を被告席にでも座らせたような気持ちで棚卸し作業をやってはなりません。
そうではなく、自分を問題解決の専門家チームの一人として認識することです。
「もう一人の人」であるシェアリング・パートナーと一緒になって「問題は何か?」「解決策は何か?」を探っていくのです。
自分を被告席に座らせると頭がまともに回らなくなります。
しかし実際には頭をフル回転させないと問題の原因を見つけようがありません。
ましてや解決策である新しい行動パターンを考え出すことなど到底できません。

◎回復と平安を祈っています。