アダルトチルドレンの回復は否認の構造を理解できればうまくいく!

ACの回復にとって最も障害となるのが否認の問題です。
本人は「私は傷ついていない」と言うのですが、人生が思い通りにならなくなっています。
この記事では否認に気づき、否認を解除する方法について解説しています。

1.アダルトチルドレンの回復は否認の構造を理解できればうまくいく

ACの問題の10番目には「私たちの子供時代は悪夢のようであり、生き延びるすべとして自分の感情を心の奥底に閉じ込めた。そのため大人になった今でも自分が何を感じているのかがわからない(否認)」とあります。

ありのパパがこの箇所を初めて読んだ時の感想は「別に否認してないし!」というものでした。
そうです。否認していることを否認していたのでした。
でも自分の中で「ではなぜ私の人生は思い通りに生きていけなくなったのか?」という問が生まれ、その問いに答えようがない自分を見た時に、「否認しているとは思えないが、否認していることを否定せずにひとまず12ステップに取り組んでみよう!」と考えたのでした。

2.不快感情を否認し、傷ついた本能を抑圧し、自分の行動パターンに気づかないふりをする

ACは三つの領域で否認しています。
不快感情を否認し、本能の傷つきを抑圧し、自分の性格上の欠点からくる行動パターンに気づかないふりをします。

ACが回復しようとする時にはこの三つの否認・抑圧・気づかないふりを解除していく必要があります。
そうしないとどのように熱心に12ステップに取り組み、ミーティングに参加したとしても一向に回復しないということにもなりかねません。

①不快感情を否認する

ACが普段は感情がないくせに突然怒り出したり、突然笑いだしたりするのは感情を否認していることが大きいです。
ACにとってはそれが生きる術(すべ)でした。
これは子供時代にはそうせざるを得ないサバイバル術であり、よくやったと誉められてしかるべきでした。
しかし大人になってそうする必要がないにもかかわらず無自覚のうちに子供時代のサバイバル術を繰り返した結果、嗜癖になってしまいました。
こうなると使う・使わないの自由が本人にはなくなります。
強迫観念と渇望現象が襲ってきて、使わざるを得なくなります。

否認を解除する方法はミーティングに参加して仲間の話を解釈せずに虚心坦懐に聴くことです。
そうすると否が応でも徐々に解除されていきます。

②本能の傷つきを抑圧する

他人に「傷ついた?」と聴かれて、ACは「傷ついてない」と応えます。
これはある面では本心なのですが、表面的なものであり、内面では抑圧が働いています。
そもそもACは本能の存在すら否定して生きている人も多いです。
ありのパパがそうでした。
あとから振り返って思うのは本能がないかのように生きていれば「そりゃあ本能が傷ついても気づかないし、感情が暴走しても否認するだろうな」ということでした。

本能の傷つきの抑圧を解除するためには統合作業を行います。
統合作業とはACの13の問題の症状の軽減に取り組む作業です。
一番良いのは祈りと黙想の時間に統合作業を行うことでしょう。
その時に教えられたことをノートに書き記します。
これを継続的に行います。
そうすると13の問題を一通り終わって、また1番目の問題に帰ってきた時に前回のノートを読み直すと、そこから気づきを得る作業を再スタートすることが出来ますので、時間を無駄にすることがありません。

また前回のノートを読み直すと自分の否認・抑圧が少しずつ取れてきているのが分かるでしょう。

③自分の行動パターンに気づかないふりをする

心の一番深いところで気づかないふりをしているのが、自分の性格上の欠点からくる行動パターンです。
ありのパパはステップ5でシェアリング・パートナーに性格上の欠点を指摘された時、不思議なことに二つの感触を同時に味わいました。
一つはなにか他人事のような感じであり、自分のことだと感じることが出来ませんでした。
もう一つは焼きごてを顔に押し付けられたような火照(ほて)った感じです。
前者は建前で感じたことであり、後者は本音の領域で感じたことでした。

自分の行動パターンに気づかないふりを修正する作業は日々の棚卸しをおいて他にありません。
感情が暴走するということは古い行動パターンを使ったという何よりの証拠です。
古い行動パターンを使わない限り、感情は暴走するはずがないのですから。
それで感情が暴走するたびに日々の棚卸しを行います。
そうすると感情が暴走した時には必ず古い行動パターンを使っているのを理論ではなく身体で理解することができるようになります。

3.人格の変化とは考え方・感じ方・行動の仕方が変わること

アルコホーリクス・アノニマスのビッグブックには「霊的目覚めとは回復するの十分な人格の変化である」と書かれてあり、ACのための12ステップには「人格の変化とは考え方・感じ方・行動の仕方が変わることです」とあります。

なぜ行動の仕方すなわち行動パターンが変わることがアダルトチルドレンの回復につながるかと言うと、ACは不快感情から逃れるためにACの問題と呼ばれる13の問題行動を嗜癖として使っているからです。
ですからACが回復しようとするなら、不快感情が暴走したままでは回復のしようがありません。

不快感情をなくすためには本能が傷つかないようにするしかありません。
なぜなら本能が傷つくと感情が暴走することによって「ただいま、本能(私自身)が傷つきましたことをお知らせいたします」みたいな感じで教えてくれるように人間は造られているからです。

私たちはかつては自分自身を傷つけたのは他者であり、自分は被害者であると思いこんでいました。(ACの問題の5番目)
しかしステップ4・5の棚卸し作業に取り組んだ結果、自分自身を傷つけた真犯人は別にいることが明らかになりました。
それが自分の性格上の欠点からくる行動パターンでした。

性格上の欠点は四つしかありません。
利己的・不正直・恐れ・配慮の欠如です。
この四つが様々に組み合わされてその人なりの行動パターンが出来上がります。

ちなみにありのパパの行動パターンは「人が怖いという人への恐れが動機となって人々に対して不正直な対応をする」というものです。
これが分かった時、同時に「今の今まで他人に傷つけられたとばかり思い込んでいたが、実は他人は私は傷つけることが出来ないのだ」という事実を知ることが出来ました。

これは文字通り、人生に革命をもたらしました。
「あの時に不正直な言動をせず、自分の本心を行っていたとしたら、別のトラブルが起きていたかもしれないが、決してあの人を恨みはしなかっただろう」からです。

◎回復と平安を祈っています。

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