この記事では癇癪持ちの夫を持たれる奥様からのご相談に答えています。
程度の差はあっても同じように夫の怒りの爆発に問題を感じていたり、悩んでおられる方の参考になればと願っています。
1.(質問内容)癇癪持ちの旦那が良くなる可能性はあるか?
はじめまして。 旦那の癇癪持ちについてアドバイスをいただきたいです。
結婚22年になる共働き、子供二人をもつ夫婦です。
旦那の癇癪は結婚してすぐに始まりました。
癇癪を起こした後は「改心する!!もう絶対にしない!」と謝ってくるので、「今回まで今回まで」と思いながら、こんなに時が経ってしまいました。
もちろん改善はなしです。
それどころか最近は酷くなる一方です。
癇癪を起こしている最中の顔はとても人間と思えない形相です。
小さい頃はただただ怯えていた子供たちも大きくなり、「お母さん、自分たちはもう大丈夫だから自分のしたいようにしていいよ。もう我慢しないでいいんだよ」と言ってくれます。
旦那は子供時代に親からの過度な干渉と押し付け・押さえつけられていた事によってこんな歪んだ性格になってしまったといいます。
普段の穏やかな時は理性的で常識的な事を話すのですが、普通に会話をしていても気に触る事を言おうものなら大声で叫び声をあげ、罵倒し、物を投げたりひっくり返して暴れます。
しばらくするとケロッとして謝ってきますが、こちらの受けた心の傷は簡単に癒えるはずもなく本当に憎悪のかたまりになっていますので謝罪を受け入れきれないと言うとまた癇癪を起こします。
そんな旦那をパートナーとして信頼出来ないのはもちろん、いつキレるかわからないので警戒して生活しています。
物を投げ、暴言を吐き、暴れる姿を見続けて来ましたので、少し触れられのにも嫌悪感がありもちろん夫婦生活はありません。
旦那はそれも不満としますが、こちらも人間です。
旦那は過度にアルコールを摂取します。
「アルコール依存症なんじゃない?」と聞いてみても「それはない」と言います。
でも一旦飲み出すと止まらず、仕事がある日でも平気で朝帰りをして明らかに酔っぱらった顔で車で出勤しようとするので必死で止めて会社まで送ります。
その際にも「うるせー!だまれ!」などと暴言を吐かれます。
酔っ払っているのでかなり酷いです。
普段、理性的で常識的な話をする人の行動とは思えません。
まだまだ10分の1も伝えられていませんが、こんな旦那でも改善は見込めますか?
2.(相談者ご自身のこと)共依存とはどういうことか?
こんにちは、あっこさん。
ご相談をくださり、ありがとうございます。
気になった点からお話していきますね。
まず違和感を感じたのは、20年間も夫婦生活を送っていながら、まだ「夫の回復は可能か?」とお尋ねになる心の有り様です。
そんなことは誰に言われなくても答えは明らかであると考えるのが普通ではないでしょうか?
自問自答していただくなら、あっこさんご自身が明確にお答えになることができると思います。
その当然の認識ができない状態を共依存症といいます。
この視点から申し上げると、あっこさんは共依存症者ということになります。
でもご安心ください。ありのパパもそうですから(笑)。仲間ということになりますね。
20年間も耐えていたということ、そしてお子さんに「もう我慢しなくてもいいんだよ」と言われてもなお決断を躊躇しておられることなどは典型的な問題行動に当てはまると思います。
「アダルトチルドレンの問題」のリストの12番目には「私たちはとても依存的である。なぜなら人に依存している間は自分の問題を見ないですむからだ。私たちは子供時代に経験した見捨てられる恐れ(見捨てられ不安)に再び直面しないためにならどんなことでもやってのけるほどだ」とあります。
3.癇癪持ちの回復の道
「癇癪持ちが回復可能か?」という一般的な質問への答えと、「私の夫は回復可能だろうか?」という質問への答えは全く異なります。
一般的な質問への答えは回復は可能であるということになります。
しかしその前提には本人が回復したいと思っていなければなりません。
自分が「怒りのコントロールがどうにもならなくなった」と無力を認めていないのではどうしようもありません。
しかし本人が(あっこさんではありません)無力を認め、どうにか回復したいと願うなら、回復は可能です。
怒り依存症者であるありのパパも回復できましたし、多くの仲間が回復の道を歩んでおられます。
◎回復と平安を祈っています。