行動のプログラムに取り組まないなら、12ステップは宗教と同じ

行動のプログラム

12ステップは霊的プログラムであり、宗教的プログラムではありません。
この記事では霊的ということと宗教的ということの違いを理解し、では霊的プログラムではどのようにすれば効果が最大化するのかを解説します。

        

1.行動のプログラムに取り組まないなら、12ステップは宗教と同じ

霊的プログラムと宗教的プログラムの違いは何でしょうか?

宗教的プログラムは「特定の神に帰依(きえ)するならば、あなたの問題は解決する」と約束します。

これに対して霊的プログラムは私たちの問題を解決する力が自分の中にないということを認めるのは宗教的プログラムと同じなのですが「霊的力を自分の心と生活と人生に呼び込むためには私たちの側でなすべきことがある」と教えます。

この「なすべきこと」が行動のプログラムと呼ばれるものです。
これは12ステッププログラムの4から12の部分に当たります。
具体的には棚卸し作業・新しい行動パターン・埋め合わせ作業の3つです。

12ステップに取り組む多くの方々が神の概念について抵抗を感じておられることを知っています。
しかしそのような方々であっても、ご自身は何もやらずに(ミーティングに参加する以外は)自分でも信じきれない「自分を超えた大きな力」が自分の問題をなんとかしてくれると思っているかのようです。
このような心の有り様は全く宗教的プログラムを信じているかのようです。
ご自分では宗教に嫌悪感を感じつつ、自分がやっていることはまさしく宗教的プログラムを信じているかのような振る舞いをします。
この矛盾に満ちた行動をなんとかしなければなりません。

行動のプログラムに徹底して取り組まない限り、私たちの問題はなんともなりません。
ビッグブックのどこを読んでも「神頼み」でなんとかなるなどと書いてある部分はありません。

        

2.棚卸し作業をやらないと人生は行き詰まってしまう

12ステッププログラムが他のどの宗教やカウセリングとも異なる点は自分で棚卸し表を書き、それを自分以外の人に見せるというところにあります。

そして「もう一人の人」との共同作業によって今までの自分の人生を支配していた行動パターンを見つけ出し、そして古い行動パターンと対極にある新しい行動パターンを考えます。

続けてステップ6で古い行動パターンを使わない決心、ステップ7で新しい行動パターンを使っていく決心と実践を行います。

また棚卸し作業をやると、今の今まで自分は被害者だと思っていたのが、実は人々に迷惑を掛けていたということに気づきます。
それで残りの人生を埋め合わせの人生として生きていく決心と実践を行います。

このように棚卸し作業から、新しい行動パターンを使って生きていくことや、残りの人生を埋め合わせの人生として生きていくことが出てきます。

私たちの人生が実際に変わるのは私たちが行動を始めたときです。
それまでは人生が変わることは決してありません。

        

3.棚卸し表の具体的な書き方

棚卸し表の書き方には様々なやり方があります。
どれがいいとか、このやり方でなければならないというものはありません。
しかし標準的なやり方というものは存在します。
それとは別に依存症別に特化されたやり方があります。

依存症の構造は皆同じと言っても、やはり一つ一つ違いがあります。
物質依存と行為依存と思考習慣の依存とは克服の仕方に少しずつ異なる点があります。

だから依存症別の棚卸しをやるのがいいかと言えば一概にそうとも言えない点もあります。
なぜならお一人の方が一つの依存症しかもっていないことはあまり考えにくいことだからです。
そのような場合に問題になるのは一つの依存症からの回復の過程で身につけた知識が他の依存症からの回復にはあまり役に立たないということです。

この問題を回避するのに最適な方法は標準的なやり方で棚卸し作業をやることです。
そうしたら標準的なやり方を身につけることができれば、他の依存症から回復しようとするときに大きな力になることができます。

現在では以前ほど棚卸し作業のやり方は異なっておらず共通化していると、ありのパパは感じています。
ですからこの問題をあまり大きく考える必要はないかもしれません。

ちなみにありのパパはジョー・マキューのリカバリー・ダイナミクスのやり方で棚卸し作業を行いました。

◎回復と平安を祈っています。

        

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