アダルトチルドレンの依存的生き方は見捨てられ不安が原因!

アダルトチルドレンの多くは見捨てられ不安を持っています。
その結果として依存的生き方を強いられています。
この記事では見捨てられ不安の出所と、そこから解放されるための道を解説します。

「私たちはとても依存的である。なぜなら依存している間は自分の問題を見ないで済むからだ。私たちは子ども時代に経験した見捨てられる恐れ(見捨てられ不安)に直面しないためにならどんなことでもやってのける」(ACの問題の12番目)

1.見捨てられる恐れ(見捨てられ不安)とは何か?

見捨てられる恐れは性格上の欠点のうちの一つである「恐れ」に当たります。
非ACは自分の人生の中で性格上の欠点である恐れを培いますが、ACは養育者から見捨てられたらどうしようという不安から恐れを培いました。
それで一般的な恐れとは区別して「見捨てられ不安」という呼び方をします。

区別するメリットは自分の恐れがどこから来ているかを知っていることです。
デメリットもあります。
それは他の人にも恐れはあるのに自分の恐れだけが特別だと思い込み、そして自分の中に恐れがあるのは養育者が悪いと養育者を責めるばかりで、自分自身の回復の責任を放棄する危険があることです。

2.見捨てられ不安はカウンセリングで解消できるか?

病的な見捨てられ不安に気づいたアダルトチルドレンはカウンセリングを受けます。
そこで自分の問題行動がどこから来ているのかを知ります。
ただ、カウンセリングに効果があるのはそこまでです。
というのは恐れは誰でも持っているものであり、無くそうとして無くせるものではないからです。
見捨てられ不安をなくそうとする営み自体が徒労に終わります。

これはキリスト教カウンセリングにおいても同様です。
「神様が私の父となってくださった。そしてこの父は決して私を見捨てることがない」といくら自分自身に言い聞かせても効果は限定的です。
なぜなら人間に恐れがあるのは当たり前のことであり、無いほうがおかしいからです。

3.アダルトチルドレンは依存的生き方を嗜癖として使っている

依存的生き方とは自分の不利益になるにもかかわらず盲目的に相手の言いなりになることです。
依存的生き方の一つとして共依存症があります。

共依存症者は「私にも悪いところがあった」「私の努力が足りなかった」「相手が良くなるのは私に掛かっている」と思い込んでいます。
しかし真実は「あなたはちっとも悪くない」のであり、「あなたの努力が足りていようがいまいが、それはあなたの問題であって相手の問題ではない」のであり、「あなたの頑張りと、相手が良くなるかどうかは別問題」なのです。

ではなぜ他人から見ると明明白白な間違った生き方をするかと言えば、それはそのほうが楽ちんだからです。
何も考えなくて良いし、延々と同じことを繰り返すだけですから頭を使わなくてもすみます。

これを嗜癖と言います。
依存症者は現実を総体的に見ることに失敗します。
自分が我慢していればよいのだからと現実を変える努力を放棄します。
その結果として自分の心の中には不快感情が溜まります。
この不快感情から逃れるために色々なものを嗜癖として使います。

皆さんも既にお分かりのように、この「色々なもの」のところに入るのは何でも良いのです。
人によってアルコールだったり、薬物だったり、怒りの爆発だったり、共依存(依存的生き方)だったり、ギャンブルだったり、買い物だったり、食物だったりします。

4.見捨てられ不安からの解放

見捨てられ不安(見捨てられる恐れ)をなくすことは出来ませんが、あっても困らない程度には人生を回復させることが出来ます。
その秘訣は自分自身の性格上の欠点からくる行動パターンを特定し、その古い行動パターンと対極にある新しい行動パターンを使って生きていくことです。

そうしたら新しい行動パターンを使っているときだけは恐れを自分の中から締め出すことが出来ます。
なぜなら意志にはある特徴があり、それは一つのことに集中すると他の考えを締め出してしまうというものです。
皆さんの中にも「気が付いたら日が暮れていた!」とか「集中しすぎて食事するのを忘れていた!」というような経験が一度や二度はあるのではないでしょうか?
その特徴を自覚的に活用します。

「愛には恐れがありません。全き愛は恐れを締め出します。なぜなら恐れには刑罰が伴っているからです。恐れる者の愛は全きものとなっていません。」(聖書)

恐れはなくなりません。しかし恐れがあるからこそ相手に敬意をもって接することに全力を尽くそうとすることが出来るのです。
そして新しい生き方に全力を尽くしている時だけ、恐れを締め出すことが出来ます。

もし恐れがなかったら昼行灯(ひるあんどん)のようにボウっとして生きるのではないでしょうか?
その意味では恐れに対して「ず〜っと私の中にいてもいいよ」と言ってあげることが出来ます。

5.依存的生き方からの回復

依存的生き方を嗜癖として使っているのがアダルトチルドレンであり、共依存症者であることは既にお分かりだと思います。
ではどうしたら依存的生き方から解放されることが出来るのでしょうか?

それは嗜癖として使っているのですから、他の依存症と同様に12ステップによって回復をはかることです。
ステップ1で依存的生き方に対して無力であることを認め、ステップ2で自分を超えた大きな力が私を健康な心に戻してくれると信じます。
そしてステップ3で行動のブログラムと呼ばれるステップ4から12に徹底して取り組む決心をします。

行動のプログラムに取り組んだ結果、本能が傷つかないようになり、不快感情が生まれなくなれば依存的生き方を嗜癖として使う必要もなくなります。
これが12ステッププログラムが私たちに提供してくれる本質的な解決策です。

◎回復と平安を祈っています。

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