(2021/03/11記事更新)ACの方で「自分は人間関係に気を使っているのに人間関係がトラブル理由は何だろうか?」と訝(いぶか)しんでおられる人はいないでしょうか?
この記事ではその理由を明らかにし、解決のための方策を解説します。
目次
1.アダルトチルドレンの人間関係が悪くなる真の原因
「私たちは人を哀れむことを愛と取り違え、自分が救ってあげれそうな人を故意に選ぶことを嗜癖として使う」(アダルトチルドレンの問題の9番目)
人間関係に気を遣っているにもかかわらず、人間関係のトラブルに継続的に見舞われる人がいます。
それがアダルトチルドレンです。
もちろんアダルトチルドレンでない人も人間関係のトラブルに見舞われることはあります。
しかしそれはたまたまであり、自分ではどうすることも出来ない場合が多いのです。
しかしアダルトチルドレンの人間関係が悪くなるのは、こちらの側に原因がある場合が多いようです。
その最大のものが『人々を故意に選ぶ』ということです。
なぜ故意に選ぶかというと「この人は私が救ってあげれそうな人かどうか?」という思いがあるからです。
アダルトチルドレンに選ばれた方はとんだ迷惑です。
なぜなら、すべての人は選ばれたいと願っているのですが、しかしアダルトチルドレンが選ぶのは『自分が救ってあげれそうな人』に限られるからです。
選ばれなかった人は怒りますし、選ばれた人だって自分が選ばれた理由を知れば怒り出すでしょう。
そして更に悪いことは、たとえ選んだとしても「この人は救うことができない」と分かれば、選んだその人に対する関心は消え失せてしまい、途中で見捨てます。
当然のことながら見捨てられたほうは怒り狂います。
2.アダルトチルドレンが人を故意に選ぶ理由
アダルトチルドレンはなぜ人を選ぶのでしょうか?
それは人を救ってあげるためです。
なぜ頼まれもしないのに人を救おうとするのでしょうか?
それは子供時代に機能不全家庭で育ったことにさかのぼります。
子供ながらにも自分がある役割を果たすことによって機能が復活することを、すなわち人並みの家庭にしようとします。
(子ども時代のアダルトチルドレンが果たそうとする役割にはいくつかあります。この記事で紹介している救護者のほかにピエロ・ヒーロー・反抗者・逃避者などがあります)
子ども時代に無意識のうちにやっていたことを大人になってからは自分のうちにある不快感情から逃れるために人を救うことを嗜癖として使います。
3.目標達成依存症とは?
目標達成依存症とは目標を立て、それを達成する喜びに依存することです。
あたかもアルコールに依存するかのように目標達成に依存します。
ある人たちは「目標を達成するなんて結構なことじゃないか?」と思われるかもしれません。
しかしそうではありません。
なぜならいつかは目標を達成できない日が来るからです。
たとえば仕事上の目標を達成する喜びに依存している人にも定年退職は訪れます。
その後、その人はどのようにして人生を過ごすのでしょうか?
その人は途方に暮れるほかはありません。
このようなわけで途方に暮れている定年退職者が星の数ほどおられます。
仕事以外の人生目標を達成する喜びに依存している人々も、いつかは虚無感に襲われる日がやってきます。
「自分は何をやってきたのだろう?」という感じです。
これの解決策は唯一つです。
それは目標達成の喜びに依存するのではなく、人生の内なる旅をコツコツと生きることによって日々の生活を送るのです。
人から見たら何でもないようなことを大切にし、淡々と日々の生活を生きます。
4.解決策は新しい行動パターン
アダルトチルドレンは人生のどこかで「私は人を救うことを嗜癖として使ってきた」と気づく必要があります。
そしてその出所が自分の子供時代にあることも知る必要があります。
嗜癖を使うのは不快感情から逃れるためですから、嗜癖を使わないためには不快感情を溜め込まないために本能の傷つきを防ぐことが大切です。
そのためには自分自身の性格上の欠点からくる行動パターンを変えることです。
なぜなら自分の本能が傷ついたのは他人のせいではなく、自分の性格上の欠点が真の原因だからです。
例として「不正直」を考えます。
誰かが自分に「こうしてくれる?」と聞きます。
本当はしたくないのですが、人が怖いので心ならずも「はい、分かりました」と答えます。
その結果、何が起きるかというと、自分の本意に背いた行動を取らせた相手を恨むようになります。
恨みは立派な不快感情の一つですから、その恨みの感情から逃れるために嗜癖を用いたくてたまらなくなります。
解決策は自分の行動を支配するパターンを知り、それと対極にある新しい行動パターンを使うことです。
これは棚卸し作業によって明らかにされることです。
自分の行動パターンが分かると以下のような感想を持つようになります。
「相手が私に理不尽な要求をしたので私は傷つき相手を恨んだとばかり思っていたが、実は違った。
本当は私がその時に『これこれしかじかの理由で出来ません』と言っていれば、相手を恨まなかったはずだ。
ということは相手を恨んだ真の原因は自分の不正直な行動にある。
そうであれば『これからは新しい行動パターンを使って生きていくようにしよう!』」
5.救ってあげれそうな人を選ばなくなる時に起きること
アダルトチルドレンは人を救うことを嗜癖として使っている人々です。
そして虎視眈々と自分が救ってあげれそうな人を値踏みしています。
これで人間関係にトラブルが起きなければ不思議なほどです。
しかし人を救いたいという衝動が自分の子ども時代の体験から来ていることに気づき、そして大人になった今は人を救うことを嗜癖として使っていることに気づきます。
ここまでくれば半分は解決したようなものです。
あとは新しい行動パターンを全力で実践します。
今までの人を選り好みしていた生き方を放棄し、これからは文字通りすべての人に敬意をもって接することに全力を尽くします。
結果として救われるかどうかは神におまかせします。
自分の手を離すのです。
そうしたら人間関係が劇的に良くなります。
かつては自分の人生に人間関係のトラブルは付きものであり、ホトホト手を焼いていたのが、新しい行動パターンを実践するようになってからしばらくすると自分のまわりの人間関係が平和の絆(きずな)でしっかりと結ばれているのを感じるようになります。
そして自分の人生もこれはこれで捨てたものではないと思えるようになります。
◎回復と平安と祝福を祈っています。