この記事はアダルトチルドレンに特徴的な『感情の否認』という問題を取り扱っています。
まずはじめに感情を否認しているとどのような症状が現れるかを明らかにし、次に原因を突き止めます。
そして否認の解除方法を解説します。
「私たちの子ども時代は悪夢のようであり、生き延びる術(すべ)として自分の感情を心の底に閉じ込めた。そのため大人になった今でも自分が何を感じているのかが分からない。(否認)」(ACの問題の10番目)
目次
1.感情を否認していると現れる様々な症状
皆さんの中に次のような症状に気づかれている方はおられませんか?
・感情に蓋(ふた)をしている感じ
・感情がない
・感情が乏しい
・感情が薄い
・感情を感じない
・自分の感情がわからない
・怒りのコントロールが出来ない
・いつもイライラしている
これらはみな感情を否認しているときに起きる症状です。(感情の否認以外の理由でこれらの症状が現れる場合もあります)
2.否認するようになった原因
アダルトチルドレンが感情の否認をするのは、そうする必要があったからです。
子ども時代に虐待されたり、機能不全家族で育つと、その子供は自分が置かれている環境や状況に対してどのように反応したらよいか途方に暮れます。
子供に出来ることと言えば、自分の置かれた環境を間違って解釈すること、たとえば「こんなことはどの家でもあることさ」とか「こんな目に合うのは私に問題があるからだ」など間違った解釈をして自分を納得させます。
同時に自分の中で感じている憤懣やる方ない感情を無意識のうちに押し込めてしまいます。
なぜなら感情の処理の仕方がわからないということもありますし、なにより自分に問題があったり、どの家でもあることなのに、憤懣やる方ない感情を感じるのは論理的には矛盾した現れだからです。
それで当然のごとく自分の感情を心の底に押し込めるわけです。
このようにしてアダルトチルドレンは子ども時代を生き延びます(サバイバル)。
3.否認を嗜癖として使っている
①感情の否認を嗜癖として使うのがアダルトチルドレン
どうして私たちは感情を否認するのでしょうか?
それは人が怖いからにほかなりません。
そのため「自分は何も感じていない」という不正直な対応をしてしまうことになります。
感情の否認とは不正直ということでもあります。
そして不正直行動こそが人間関係のトラブルの真の原因です。
人は相手に言ってもらわないと相手が何を考え感じているのかが分かりません。
それを「理解しろ」というのは利己的極まりない振る舞いです。
②大人になった今も同じ手を使っているアダルトチルドレン
性格上の欠点からくる行動パターンが自分の本能を傷つけ、その結果として感情が暴走します。
アダルトチルドレンの子ども時代はどうして感情が暴走するのか原因が分かりませんでした。そして自分に出来ることと言えば自分の感情を否認することしかありませんでした。
ですからこれは言ってみれば緊急避難としてやったことです。
では大人になった今はどうでしょうか?
AC関係の本には「大人になって感情を否認する必要がなくなったにもかかわらず相変わらずそうしていることがアダルトチルドレンの問題」などと書かれてあります。
しかしこれは間違っています。
なぜなら大人になってもそうする必要があったから感情を否認したのです。
感情を否認する必要はないと言いますが、ではどうしたら感情を否認しないで済むのでしょうか?
この質問に答えられるアダルトチルドレンはそう多くないと思います。
大人になっても依然として感情を否認するという方法以外を知らないので手っ取り早く効果のある方法である感情の否認という手を使っているというのが多くのアダルトチルドレンの実情ではないでしょうか?
子ども時代に緊急避難として選択した感情の否認が、大人になってからは自分自身の古い行動パターンからくる本能の傷つき、その結果としての感情の暴走を表面的にくい止めるための手段になっているのです。
しかしこれは同時に怒りの爆発などの原因にもなりえます。
なぜなら溜まりに溜まったマグマはいつかは爆発せざるを得ないからです。
だから唯一の解決方法は行動パターンを変えることです。
4.否認を解除する方法
感情の否認を解除する方法は二つあります。
①共同体から受ける助けと支え
一つは自助グループのミーティングで自分の話をすることです。
いやと言うほど自分の話をします。
ただし、あまりに長く話すと他の人の迷惑になりますので、短く話すということを長期間にわたって続けます。
そうしたら感情の否認は自然に解けます。
この方法は効果は限定的ですが、即効性があります。
②霊的に目覚める
もう一つの方法は霊的に目覚めることです。
不快感情から逃れるために嗜癖として感情の否認を使うというのが依存症の一種であるアダルトチルドレンの仕組みです。
ですから不快感情がなくなれば嗜癖として感情の否認を使う必要はなくなります。
大切なことは感情が暴走しなくなることです。
感情の暴走を止めるには本能が傷つかないようにすることであり、本能が傷つかないようにするためには自分自身の性格上の欠点からくる行動パターンを変える必要があります。
これが本質的な解決策です。
この本質的な解決策を得るために必要なことは唯一つです。
行動のプログラムと呼ばれる12ステップに徹底して取り組むことです。
そうしたら必ず霊的に目覚めることが出来ると、すべての人に約束されています。
5.アダルトチルドレンの統合作業
統合作業とは「アダルトチルドレンの13の問題」と呼ばれているものを祈りと黙想を通して気づきを得、症状の軽減をはかる作業です。
これはステップの12の最後の文言に「私たちはすべてのことにこの原理を実行しようと努力した」とあるのに対応しています。
感情の否認もそうですが、アダルトチルドレンの問題は一回こっきりで何とかなるものではありません。
生涯を通して統合作業に取り組む必要があります。
6.アダルトチルドレンに感情表出訓練は効果がない
感情を否認することを嗜癖として使っているのだとしたら、それの解決法は感情表出訓練ではありません。
真の解決法は行動パターンを変えることによって本能が傷つかなくなり、その結果として感情が暴走しなくなることです。
なぜなら不快感情がなければ感情の否認も起きないからです。
一般的なカウンセリングにも効果はあります。
それは自分の話が出来るようになることです。
そして感情を伴って自分の話が出来るようになることです。
これが出来るようにならないと12ステッププログラムに取り組むことは出来ませんから、まず入り口を整えることはとても大切なことです。
自分の話をすることがある程度出来るようになったら、今度は12ステッププログラムに徹底して取り組み、霊的に目覚めることを目指します。
霊的に目覚めるとは行動パターンが変わることを指しています。
不快感情がなければ、自然と感情は出てくるようになります。
それを待たないで人為的な感情表出訓練を行うことはかえって害があります。
◎回復と平安を祈っています。
共依存でACのカーテンといいます。
ありのパパさんのブログを参考にしています。
私は現在、否認のメカニズムを考えてます。
否認が感情と思考の間にあると思っています。
数週間前のミーティングで実親に対しての分ち合いをしました。
その後、実親に対しての不快な気持ちは分ち会う前に比べて小さくなり始めています。
他の仲間も同じような発言をされ、自分一人だけではなかったんだと思いました。
私は幼い頃から感じたものを抑えつけていたんだと、今は思ってます。
「両親に承認されない事は自分でも感じてはならない」みたいな感じで!!
否認が私の中ではもっとも大きな問題だと思います。
今は、自分自身に向けて、”君は間違っていない”といったアプローチをしています。録音テープなどを使用して。
神様が自分自身の親になってくれる事を信じて。
こんにちは、カーテンさん。
初めてのコメントをありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。