「親のことなんか放っておいて自分の回復に専心すべきだが、親のことを考えるとムカムカする」という方が多くおられます。
どうしたら親への恨みを脇にどけて、ご自分の回復と成長に専心できるようになるのか、その方法を書きました。
1.あなたが親をどれほど恨んでも、当人は鼻くそをほじってる
アダルトチルドレンの一番の願いは、親が「私が悪かった。私も良い親になる!」と言ってくれることです。
しかしその夢は残念ながら決して適えられることはありません。(一億円の宝くじに当たる確率で親が改心する場合もあります)
アダルトチルドレンにとって厳しいことを書きますが、これを疾病利得(しっぺいりとく)と言います。
なぜなら親が改心しない限り、自分もまた回復しなくても良いからです。
そこにずっととどまっていれば、すべては親のせいだということができます。
その結果としてご自分の人生を棒に振ることになります。
ほとんどの毒親は自分が子供にどんなにひどいことをしたか気づかないまま死んでいきます。
唐変木(とうへんぼく)というか脳天気というべきか、そもそも初めから共感能力に欠陥があるのですから気づかないのがある面では当然なのです。
2.親は勝ち逃げしてない。親は生地獄を生きている
ある人はそのように気づかないまま死んでいく親に対して「勝ち逃げしようとしている」と言いました。
これを聴いたときありのパパは思わず「うまい!なるほど」と感心しました。
しかし真実はそうではありません。
親は地獄を生きているのです。
親に共感能力が欠如していたのは、祖父・祖母に共感をもって愛をもって育てられなかったからです。
それをそのまま自分の子供にやり返しているのです。
これを生地獄を生きていると言わないでなんと言えばいいのでしょう。
3.生物学上の親と、あなたがあなた自身の親であった年月を比べる
親の責任を追求したい心を静めるのに最も良い方法があります。
それは生物学上の親があなたの親であった年月と、あなたがあなた自身の愛ある親の役割を果たすべきであった年月を比較してみることです。
たとえば60歳の方なら、生物学上の親があなたの愛ある親の役割を果たすべき期間は約20年です。
それに対してあなたがあなた自身の愛ある親の役割を果たすべきであった期間は40年間です。
さて「私たちが思い通りに生きていけなくなった」責任は親にあるのでしょうか?
それともあなたにあるのでしょうか?
正確に言えば20年対40年ですから、負うべき責任の比率は1:2ということになり、責任の大半は自分にあるということに気づかれるのではないでしょうか?
この事実に目が開かれると「親のことを言っている場合じゃない。親のことなんかどうでもいい。まず問題は自分の自分自身への対応の仕方を変えることだ」と自然に考えることができるようになります。
4.ステップ3の決心とは何か?それは親替えする決心
ステップの3は「自分の意志と生き方を自分なりに理解した神に委ねる決心」をするステップです。
これはアダルトチルドレンにとっては「親替え」をする決心でもあります。
自己意志だけでは自分の本能を上手にコントロールすることができませんでした。
その結果、私たちは自分の人生が思い通りに生きていけなくなりました。
それでこれからは神の意志と協働で自分の本能をコントロールする生き方を選び取る決心をしました。
これをアダルトチルドレンに適用すると以下のようになります。
生物学上の親は自分の愛ある親になれなかった。
しかし自分もまた自分自身の愛ある親になることができなかった。
それでこれからは神の意志と協働して自分自身の愛ある親になる決心をした。
これがアダルトチルドレンがステップ3でなすべき決心であり、親替えということです。
5.大学に入る決心をしても大学に入れないように、神に委ねる決心をしただけでは神に委ねた人生は実現しない
多くの方が「委ねます」「お任せします」と言って、そこで終わりにします。
しかし「委ねます」と言っただけで、委ねた人生が実現するのなら12ステッププログラムはいりませんし、人生はそんなに甘いものではありません。
ステップ3で行った決心は[人生を神に委ねるための方策に取り組む]決心です。
その方策とは行動のプログラムと言われるステップ4から12までに徹底して取り組むことです。
もし徹底して取り組むなら必ず霊的に目覚めることができると、すべての人に約束されています。
これを読んで「なかなか大変そうだな」と思われたかもしれません。
しかし行動のプログラムに取り組むのに必要な期間は1ヶ月から3ヶ月間です。
何年も掛かるわけではありません。
わずか数ヶ月で「委ねた人生」が実現されるなら、12ステッププログラムに取り組むことなど「お安い御用!」と言えるのではないでしょうか?

◎回復と平安を祈っています。