埋め合わせによって罪悪感と後悔を取り除き、感情面でのシラフを保つ

「埋め合わせ」というキーワードで検索すると「デート・ドタキャン」などの複合キーワードが表示されます。
これは「埋め合わせ」で検索する人々の多くが「俺、デートをドタキャンしちゃったけど、どうしたら許してもらえるかな?」という気持ちで検索していることを表しています。
では12ステッププログラムが教える埋め合わせとはどんなものでしょうか?

        

1.なぜ埋め合わせをする必要があるのか?

埋め合わせ

答えは罪悪感・後悔の感情をなくすためです。
それ以外の何ものでもありません。
だからその目的が実現できるなら方法は何でも良いのです。

ただし、ひとつだけ禁じ手があります。
それは私たちが埋め合わせすることによって、相手の方やまわりの方が傷ついてしまう可能性がある場合は埋め合わせをしてはなりません。

理由はあなたが埋め合わせすることによって傷付いた人を見て、あなたは新たに罪悪感を持ってしまいます。
罪悪感をなくすために埋め合わせをしているのに、新しく罪悪感を生み出すような愚かな真似をしてはならないからです。

        

2.なぜ罪悪感・後悔を始末する必要があるのか?

ある人々は「罪悪感や後悔にも意味がある。それは私たちを謙遜に生きさせる」と言います。
これぐらい人を欺(あざむ)く言葉はありません。

真実は罪悪感や後悔は不快感情であり、これから逃れたくて私たちは嗜癖に走るのです。

だから私たちはスリップしたくないと願うなら、どうしても不快感情である罪悪感や後悔を心の中からなくす必要があります。

恨みと恐れは棚卸しによって解決することができます。
そして罪悪感と後悔は埋め合わせによって始末するのです。

罪悪感・後悔を持ったまま感情面でのシラフ・情緒面でのシラフを保つというのは非常に困難です。
それ以前に論理矛盾でもあります。
なぜなら罪悪感・後悔のない状態を情緒面でのシラフ・感情面でのシラフというからです。

        

3.ありのパパの埋め合わせ

ステップ5でシェアリングパートナーが言った一言がありのパパの埋め合わせを決定しました。

それは「ありのパパさんにとっての埋め合わせは(精神病院に入院している)お姉さんと(介護施設に入所している)お母さんのところに一ヶ月に一度お見舞いに行くことですね」

それまでは一ヶ月に一度の面会が重荷となっていました。
統合失調症の姉は既に会話する能力は失われており、母は相変わらずの毒吐き女でした。
二時間程度の面会時間には毒を垂れ流します。
それをずっと受け止めた私は帰りの電車や新幹線の中で怒りを爆発せることが何回かありました。

それが「面会は埋め合わせである」と考えるようになってからは一変してしましいました。
面会をしてもストレスはたまらなくなり、母の毒吐きを聞いても聞き流せるようになりました。

それとともに帰りに怒りが爆発することもなくなりました。
(ありのパパにとって怒りの爆発は依存症ですので、いつでもスリップする危険があります。脇が甘くなった時がスリップするときです)

家族との面会を埋め合わせであると考えて実行するようになってから分かったことがあります。

それは「埋め合わせは埋め合わせ以上のものではないし、埋め合わせ以外のものではない」ということです。

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4.埋め合わせは謝罪ではない

埋め合わせは謝罪ではありません。
ここを間違えると殊にアダルトチルドレンにとってはまずいことになります。
それはアダルトチルドレンは「謝罪してもらいたいのはこっちのほうだ」と思っているからです。
それをスポンサーから「いや、そうではない。あなたも埋め合わせすべきである」と言われていやいや埋め合わせします。

本人が埋め合わせを謝罪と認識している場合、深刻な葛藤が本人を襲います。

このような間違いを犯すべきではありません。
埋め合わせは遺憾の意を表し続けることです。

姉たちが精神病院に入院してしばらく経ったとき医師に言われました。

「入院した時の姉たちの状況は社会復帰を目指せるような状態ではなく、これ以上悪くならないようにするという意味での消極的・受け身的な治療をほどこす他はない状態だった。
もっと早く入院させてくれれば、社会復帰を目指すことも可能だった」

これは世間体を憚(はばか)った両親が姉たちに積極的治療を受けさせなかったのが原因です。
しかし兄弟であるありのパパにも責任があります。

それはなすべきことをなさなかったという不作為の責任です。

母に対しても確かにありのパパの子ども時代には多大な迷惑を母から被(こうむ)りました。

しかしありのパパが大人になってからは40歳の時に12ステッププログラムを知ったにもかかわらず58歳の時まで先延ばししました。
もし40歳の時に12ステッププログラムに徹底して取り組んでいれば、その情報を母にも提供できていたでしょう。

ここにもなすべきことをなさなかったという不作為の責任がありのパパにはあります。

間違ったことをして相手に迷惑を掛けたときにするのは謝罪です。
やったほうが良いと分かっていてやらなかったときにするのは埋め合わせです。

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5.自分の心の中から罪悪感と後悔の感情がなくなるとどうなるか?

「ステップ9の約束」と言われているものがことごとく自分の中に実現するのを体験します。

かつては自分ではできなかったことを神が代わりにしてくださっているのを感じます。

セレニティー(心の平安)を誰に説明してもらわなくても直感的に理解できるようになります。
なぜなら自分の中に心の平安があるからです。

金銭的・経済的心配も過ぎ去ります。

自分をかわいそうに思う心(自己憐憫)が次第に小さくなっていきます。

自分の過去の悲惨な経験が他の人々の回復の役に立つという事実に気づくようになります。

自分自身の中に安心感を覚えるようになります。

これはEA(感情と情緒に問題を感じる人々の自助グループ)のイエローパンフレットに「約束されたこと」として書かれてある内容でもあります。

12ステッププログラムは取り組む人々の人生を決して逆戻りさせない力があります。
どうぞ皆さんも徹底して取り組んでみてください。
そうしたら12ステップが約束しているものをご自分のものにされるでしょう。

◎回復と平安を祈っています

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