アダルトチルドレンが権威のある人を恐れる理由と回復する方法

権威のある人を恐れる

アダルトチルドレンの問題リストの1番目には「私たちは孤立し、人や権威を恐れるようになった」とあります。
なぜアダルトチルドレンは権威のある人を恐れるのでしょうか?

        

1.権威を恐れているのではなく、権威のある人を恐れている

ありのパパはすべての人が怖いです。
なぜなら全ての人に権威を感じるにもかかわらず、自分のうちには権威を持っていると感じないからです。

もし権威がある人が怖いということだと、権威のない人は怖くないということになりますが、そうではありません。
すべての人のなかに権威を感じるので結果としてすべての人が怖いのです。

ここを間違わないようにしたいものです。

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2.人への恐れから回復するために新しい行動パターンを使う

①まず古い行動パターンを特定する

ありのパパの棚卸しを聞いてくれた施設職員の方は「ありのパパさんの棚卸しを聞いていると全部ワンパターンですね。人が怖くて不正直な対応をし、その結果人々との間にトラブルが起きる。そして自分の側に落ち度があるにもかかわらずトラブルが起きた人々を一方的に恨んでいる」と言われました。

その言葉はありのパパのお腹にストンと落ちました。
その時に思ったことは「自分の人生を支配していたカラクリがこれだけ明々白々に分かったら、私のこれからの人生は変わらざるを得ない。いや変わらないと考えるほうが難しい」ということでした。

その通り、ありのパパの人生は霊的に目覚めたことを起点にして全く変わったものになってしまいました。
(自分の人生を支配していたカラクリである性格上の欠点からくる行動パターンを明確に把握することを霊的に目覚めると言います)

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シェアリングパートナー(棚卸しを聴く「もう一人の人」)について ステップ5の棚卸しを聞いてくれる「もう一人の人…

②新しい行動パターンを使って生きていく決心と助力を神に求める

12ステッププログラムでは「問題の原因が明らかになったら、解決策も自ずと明らかになる」と言われています。

ありのパパの問題の原因は古い行動パターンにありました。
ですから解決策は古い行動パターンの対極にある新しい行動パターンを実践することです。

「意志」にはある特徴があり、一つのことに集中すると他のことを忘れてしまうのです。

皆さんにもあることに集中していて食事をするのを忘れていたということが一度や二度はあるのではないでしょうか?
この特性を自覚的に活用します。

すべての人に敬意をもって接することに全力を尽くしているとき、意志は人への恐れを締め出してしまうのです。

人への恐れを締め出すことができれば不正直な対応をすることはなくなります。
不正直な対応をすることがなければ本能は傷つかず、結果として感情は暴走しません。

感情が暴走しなければ嗜癖行為に陥る必要もなくなります。
もちろん依存症回路がいったん脳の報酬系にできれば死ぬまでなくなることはありませんから、生きている間は強迫観念と渇望現象は襲ってきます。
しかし感情の暴走が伴わない強迫観念は全然怖くありません。
この状態では強迫観念が教えるウソを容易に見破ることができます。

        

3.ありのパパ、殺人事件の容疑者リストに入る

東京の中間施設で霊的に目覚めて意気揚々と地元に帰ってきたありのパパにある事件が待ち受けていました。

それはありのパパの住む近くで殺人事件が起こり、30人〜40人の警察官が動員されて証拠物件を探しているところに出くわしたのです。

よせばいいのに警察官に声を掛けてしまいました。
「何をしているんですか?殺人事件でも起きたんですか?」

とっさに警察官の顔色が変わり、「何で知ってるんですか?!」と聞いてきます。
ありのパパは脳内で一瞬「逃げようかな?」と思ったのですが、すぐに大勢の警察官に追われている自分の姿を想像して思いとどまりました。

これがきっかけとなり、ありのパパは殺人事件の容疑者リストに載ったようでした。
それから三年半くらいに渡って警察官や刑事さんの来訪を受けることになりました。

その時不思議なことがありのパパの中に起きました。

それは来訪する警察官や刑事さんに新しい行動パターンを適用したのです。
文字通り敬意をもって接することに全力を尽くしました。

その中でも楽しいことがありました。

(警官)「お忙しいところ申し訳ありません」

(ありのパパ)「いえブログを書いていただけですから大丈夫です」

(警官)「ブログって、何を書いているんですか?」

(ありのパパ)「アダルトチルドレンやそこから回復するためのブログラムである12ステップについてです」(さすが警察官、聞き逃さないな!)

(警官)「よかったら見せてもらえませんか?」(遠慮しないな!そうだ敬意をもって接することに全力を尽くすんだった)

またあるときは

(ありのパパ)「依存症になりやすい職業が三つあります。それは銀行員と教員と、あとの一つはなんだと思います?」

(警官)「警察官です(渋い顔)」

などの楽しいやり取りもありました。

今から振り返ってみると、ありのパパはこのやり取りを通して新しい行動パターンを身に付けていったのでした。

        

4.人への恐れは強迫的なコントロール欲求に結びつく

一見不思議に思えることですが、人が怖いと感じるアダルトチルドレンの多くが他者に対して病的ななコントロール欲求を持つ共依存症者でもあります。

これはよく考えてみると不思議でも何でもないことがわかります。
それは人が怖いと「こうしてほしい。ああしてほしい」と口に出して言えません。
そうするとどうなるかというと次第に心の中で「私が何も言わなくてもあなたはこうするべきである」というとんでもない思い込みを持つようになります。

その証拠に普段から自分の要求を口に出す人は、たとえ自分の思い通りにいかなくても諦めが早いというか切り替えが早いのです。
これはコントロール欲求が病的でない印です。

一方、アダルトチルドレンや共依存症者は「私はそんなこと願っていません」みたいな顔をしているのですが、いつまでも執念深く「あのとき、あなたはこうするべきだった」と恨んでいるのです。
これはコントロール欲求が病的であることの証拠です。

すべての人に敬意をもって接することに全力を尽くすという新しい行動パターンを使って生きていこうとするときに、この強迫的なコントロール欲求は邪魔になります。

「私の思ったとおりに動くべきである」と考えている人が、どうして自分の期待したとおりに動かない人に対して敬意をもって接することができるでしょうか?

ですから新しい行動パターンを使って生きていきたいなら、どうしても利己的振る舞いを捨てる必要があります。

利己的振る舞いという古い行動パターンの対極にある新しい行動パターンは「すべての人に配慮をもって接することに全力を尽くす」生き方です。

配慮することに全力を尽くしている時だけ、利己的振る舞いを自分の中から締め出すことができます。

        

5.強迫的なコントロール欲求は決してなくならない

「人々は私の期待したとおりに動くのが当然である」という思い込みを強迫的に持っている人のことを共依存症者と言います。

強迫観念と渇望現象は死ぬまでなくなることはありません。

この事実を肝に銘じていないと持つ必要のない失望感を持つようになります。

ある人々は「いつまで経っても回復せず申し訳ない」などと言います。
これは全く見当はずれも甚だしいと言わなければなりません。

強迫観念と渇望現象が襲ってこなくなるのを心のどこかで期待していると必ず失望を味わいます。

アダルトチルドレンや共依存症者にとって失望は大敵です。

なぜなら失望している間は回復に対して強い意欲を持つことができないからです。

アダルトチルドレンや共依存症者にとっての回復は強迫観念が教えるウソを見破るところまでです。
決して強迫観念が襲ってこなくなることはありません。

どうぞ、このことを肝に銘じていただきたいと思います。
そうしないと回復が停滞したり、思わぬ回り道をしたりする危険があります。

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アダルトチルドレンと共依存症者のためのSkypeミーティングが始まりました。 時間は毎週水曜日の20時〜21時…

◎回復と平安を祈っています。

        

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