無力を認めるのが肝心要(かんじんかなめ)

無力を認めることは12ステッププログラムの中では礎石(そせき)にあたります。
この部分がなおざりにされていると、いいところまで来ると崩れてしまうということになります。
そうならないための方法を考えます。

        

1.無力を認める

無力

ありのパパが人生で初めて認めた無力は怒りの爆発に対してでした。
親に殴られて育ったありのパパですが、自分は決してそのような人にならないと堅く決心していました。
しかし気がついてみれば子供たちに対して怒りを爆発させ、傷つけていました。

その怒りをカウンセリングで抑え込んだと思ったその日にこともあろうに子供たちに対して怒りを爆発させてしまいました。
この事件が怒りの爆発に対してありのパパが白旗を揚げるきっかけになりました。
それで東京のある中間施設で12ステッププログラムを徹底して学ぶ機会を得ることができました。
ここで学んだことは今まで知らないことばかりでした。
こんな大切なことを知らなければ回復するはずはないと思ったものでした。

さて、この記事を読んでおられるあなたは何に対して無力を認めておられるでしょうか?
どうぞ明確にお答えください。

明確に答えることができないら12ステップを進めることはできません。
なぜなら12ステッププログラムは無力を認めたところにしか効果があらわれないからです。
多くの方が「12ステップをやっているのだが効いているのかどうか分からない」と言われます。
ひょっとしたらその理由は明確に無力を認めていないということにあるのかもしれません。

        

2.感情を否認してはならない

怒りなどの感情はコントロールできません。
出てきてしまった感情を何とかしようとしても無駄です。
無駄であるばかりか精神的・肉体的疾患にかかる危険さえあります。

それにもかかわらずありのパパがやったことは怒りを抑え込むことでした。
しかし感情はコントロールできないし、コントロールしようとしたら病気になります。
これは本当に心から皆さんに申し上げたいことです。

        

3.本能を抑圧してはならない

本能は抑圧できません。
抑圧した振りはできるかもしれませんが、それはあくまでも「そのつもり」に過ぎません。
しかしなんと多くの方が本能を抑圧しようとしていることでしょうか。

この記事を書いているありのパパ自身も本能を抑圧してきました。
キリスト教徒として40年間生きてきたありのパパはいつの頃からか「私には本能なんかございません」みたいな顔をして生きるようになっていました。
自分でも自分の中に本能があるのかどうかよく分からなくなっていました。

それで中間施設で感情が暴走するのは本能が傷ついたからであると学んだとき、思わず怒って席を立とうかと思ったほどです。
しかしここで席を立ってしまうと後がないので我慢しました。

        

4.行動パターンを変えることだけが可能

ありのパパは感情を否認し、本能を抑圧してきました。
ただひとつやったことがないものがありました。
それは行動パターンを変える努力です。

なぜならありのパパは自分のことを(お恥ずかしい限りです)「こんないい人はいない。真面目に誠実に一生懸命に生きている」と思っていたからです。

だから行動パターンを変えることなど考えもしませんでした。
なぜなら悪いのはみんな他人ですから。

しかし12ステッププログラムを学んでそうではないことを知りました。
私自身の性格上の欠点から来る行動パターンが私自身(本能)を傷つけ、感情が暴走したのです。
その不快感情から逃れるために怒りの爆発という嗜癖行動に陥ったのです。

分かってみればすべては自作自演でした。
確かに「他人は私を傷つけることはできない」というのは真実でした。

        

5.問題の原因を取り除く方法

12ステッププログラムの世界では「問題の原因が分かったら解決策も自ずと明らかになる」と言われています。

問題の原因は古い行動パターンですから、解決策は新しい行動パターンを使うことによって古い行動パターンを取り除くことです。

新しい行動パターンは古い行動パターンの対極にあるものでなければなりません。
そうでないと古い行動パターンを無力化することができません。

対極にある新しい行動パターンは「すべての人に敬意をもって接することに全力を尽くす」ことです。

意志には一つの性質があります。
それは一つのことに集中すると、あとのものを忘れてしまうという性質です。
皆さんにも何かのことに集中していて、他のことを忘れてしまっていたという経験がお有りでしょう。

この意志が持っている性質を活用します。
すべての人に対して敬意をもって接することに全力を尽くしているとき、意志は自分の中からそれ以外のこと、すなわち「人が怖いという人への恐れ」を締め出してしまいます。

そうすると恐れが締め出されているときは不正直な対応に陥ることがありません。
不正直な対応に陥ることがなければ自尊心などの本能が傷つくこともありません。
本能が傷つかなければ感情が暴走することもありません。
感情が暴走しなければ嗜癖行動に走る必要もなくなります。

こうやって私たちは生涯にわたってシラフを維持することが可能になります。

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◎回復と平安を祈っています。

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