依存症やAC・共依存の自助グループは複数あっても12ステップは一つ

人生を変える営み

「こっちの12ステッププログラムはあっちの12ステップとはちがうのよ〜」などとしたり顔でのたまう方が時々おられます。
果たしてそのとおりでしょうか?
今日はみなさんとご一緒に、この問題を考えます。

        

1.共同体別に様々な12ステップがある現状

現状では「ACのための12ステップ」とか「EAの12ステップ」と呼ばれるように各共同体で自前の12ステッププログラムを持っています。

もちろん本質的な部分は同一であり、それはすべての共同体が認めていることです。

中には「なんとかの12ステップはこちらの12ステッププログラムとは異なる」などということを述べる人もいますが、それはその方の理解不足に過ぎません。
徹底して12ステッププログラムに取り組めば、そんなことは思い込みでしかなかったことに気づくでしょう。

        

2.依存症・AC&共依存から回復するための解決策は2つ

それは共同体から受ける助けと支えであり、もう一つは霊的に目覚めることです。

この霊的目覚めは標準的な12ステップによって得ることが可能であると、ありのパパは考えています。

もう一つの[共同体から受ける助けと支え]は各共同体から受け取る必要があります。

これはAA(アルコール依存症者の自助グループ)からは薬物依存から回復するための助けと支えを受け取ることはできず、逆にSA(性依存症者の自助グループ)からはアルコール依存から回復するための助けと支えを得ることはできないということです。

なんだか当たり前のことを書いていますね(笑)。

        

3.ありのパパの経験

ありのパパは12ステッププログラムを中間施設で学びました。
(自助グループと依存症外来や依存症専門病院との橋渡し的存在であるので中間施設と呼ばれるようになりました)

私の席の隣は薬物依存症者が座り、後ろの席には買い物依存症者が座っていました。
そして教えてくれた先生は元アルコール依存症者やギャンブル依存症者の方でした。

文字通り、ごちゃまぜというか何でもありの世界でした。
私は心の中で「こんなんで大丈夫かな?」と少し不安もありました。
(その時点では自分がACであることを認めていましたが、他の依存症を患っていることを気づいていませんでした)

その不安を察したのか、講師の先生は「あの〜、大丈夫ですから。(ステップの学びが進むに連れて)途中から分かってきますから」と言われました。

心の中で「何が大丈夫か?答えてみよ!」とツッコミを入れていたのですが、それはおくびにも出しませんでした。
しかし講師が言われたように本当に途中からよく分かってきました。
わかっただけではなく霊的目覚めまで得ることができました。

もし、ある人々が言うように依存症別に12ステップが必要ならば、ありのパパが体験したようなことはありえないわけです。
しかしそのありえないことが大々的に行われており、それが日本の依存症の世界を徐々にではありますが変えていっているのです。

        

4.標準的な12ステッププログラムですべての依存症者・AC&共依存症者は回復可能

多くの依存症者は重複障害者です。
これは複数の依存症を抱えた人という意味です。
アメリカではAAにやってくるほとんどのアルコール依存症者は同時に薬物依存症者でもあります。

また日本の依存症に携わる病院関係者が口をそろえていうことは「アルコールや薬物などのハードな依存症から回復した人たちは、すみやかにギャンブル・セックス・過食・買い物などのソフトな依存症へと移行していく」ということです。

そして本質的な問題として、多くの依存症者はアダルトチルドレンであるという事実があります。

もしこれらの人々が依存症ごとに異なる12ステップを踏まなければならないとしたら、最も大きな影響を与えているもの以外の依存症からは回復を諦めてしまうでしょう。

一つの依存症から回復するだけでも大変なのに、それを依存症ごとに12ステップを踏まなければ回復しないとしたら、その人々が抱えているすべての依存症から回復することは絶望的です。

しかし事実はそうではありません。
標準的な12ステッププログラムによってすべての依存症・アダルトチルドレン・共依存症から回復することが可能です。

皆さんは心の中で「ありのパパがいうところの『標準的な12ステップ』ってリカバリー・ダイナミクスのことでしょう」と思っておられるかもしれません。

ズボシです。その通りです。(少しは否定しろよ!)

        

5.回復のために各々の共同体に属する必要がある

①依存症によって攻略の仕方が異なる

では12ステップによって霊的に目覚めたら、依存症別に構成された自助グループに属する必要はないのでしょうか?

いいえ、全くそんなことはありません。
依存症は物質依存・行為依存・思考習慣の依存と三つに別れます。

それぞれで依存症への攻略の仕方が異なります。
また同じ物質依存であってもアルコールと薬物では克服の仕方が異なるようです。

また同じ思考習慣の依存であるACと共依存であっても焦点を当てなければならない場所は違います。

そしてこの攻略の仕方を知るのは先ゆく仲間の話を聴くのが一番手っ取り早いのです。

②シラフを維持するためには共同体から受ける助けと支えが必要

何より共同体から受ける助けと支えがなければ、依存症者は生涯にわたってシラフを維持することはできません。

ことに物質や行為の依存からはシラフでいられても、感情面でのシラフ・情緒面でのシラフを維持することは絶対に不可能です。

③人格的に成長するためには人間的交わりが必要

表面的な人間関係であれば、怒りを顕(あらわ)にするような場面はそんなにありません。

しかし仲間であると認めている人が約束をすっぽかしたり、陰口を言っているのを知ったりすると「コノヤロ〜」となりがちです。
ここで自分自身の本音が顕になります。

本音が顕になったところでステップ10の日々の棚卸しをやることになります。

なぜ怒りの感情が暴走したのか?
それは共存本能の自尊心や対人関係が傷ついたから。
なぜ本能が傷ついたのか?
それは「人は自分の期待したとおりに動いて当然である」という極めて利己的な考えが動機となって、配慮が不足したのが真の原因であったと気づきます。

このような理解は本音の感情交流が行われるところでなければ到底持ちえないものです。

このような人格的な成長がなければ、周りの人から「あの人は依存症から回復したというけれど、依然として怒りっぽいし、利己的でわがまま、少しも人格が変わっていない」と言われるかもしれません。

そして自分が真の原因であるにもかかわらず平気な顔をして「周囲が理解してくれない」などと宣(のたま)うのです。

さて人格的成長があるところにはどんなことが起きるのか実例をご紹介しましょう。

病院関係者から直接聞いたのですが、彼らが言うのに「AAの人たちはアルコール依存症から回復したというだけでなく人格が素晴らしい。約束したことはきちんと守るし、守れなかったときの対処の仕方にも感銘を受ける。この人たちは他の人たちと違うものを持っていると感じる」と仰るのです。

回復の道を歩み続けるなら、どなたであっても人々からこのような評価をしていただける日がやってくるのです。

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◎回復と平安を祈っています。

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