ある仲間がミーティングの最後に「私は参加メンバー全員が12ステップの分かち合いをするようなミーティングの実現を目指して2年間やってきたが、今日のミーティングでそれが実現したことを嬉しく思う」と言われました。
実はそのミーティングに3年ぐらい前にありのパパは参加したことがありました。
その時は一人として12ステップの分かち合いをする人はおらず、泣き言と毒吐きオンパレードのミーティングでした。
ありのパパは心の中で「ここに来ても回復はないな」と思い、さっさと行くのをやめてしまいました。
しかしその方は前任者からグループを引き継ぎ、2年の間営々とステップミーティングの実現に向けて努力しておられたのでした。
私はそのお姿を見て「この方は本当に『先ゆく仲間』だな」と感じたことです。
ありのパパ自身は自分の回復だけを最優先にして、ミーティング会場を選別しました。
その一方で、あるべきミーティングの姿を追い求めて黙々とその実現のために労する仲間がおられたのです。
もちろん自分が回復していないのに、自分が持っていないものを人に渡すことはできません。
ですから自分自身の回復が何よりも先決です。
自分に合った、回復に有利なミーティング会場を選ぶのは認められた権利です。
このことはAAの初期の文献にも明記されています。
しかし一定の回復を果たしたあとはメッセージ活動に勤しむべきなのです。
それが自分自身のより一層の回復に繋がるからです。
ジョー・マキューという人は「ステップの11までは与えられるだけであったが、ステップの12は『与えるステップ』だ。私は1から11までのステップを通して与えられたよりもはるかに多くのものをステップの12を通して与えられた」と言っています。
すべての自助グループのミーティングが単なる集団療法(グループセラピー)の域を脱して、名実ともに12ステップミーティングとなりますように。


◎回復と平安を祈っています。