「依存症・回復・方法」というキーワードで検索すると12ステップを使っての回復を提示するサイトが多く出てきます。
この12ステップは何が問題で、解決策は何であると教えているのでしょうか?
12ステッププログラムの骨格に当たる部分を解説します。
1.無力を真に認めたら回復への強い意欲を持つようになる
依存症の問題は二つあります。
それは強迫観念と渇望現象です。
渇望現象とはいったん始めるとブラックアウトするまで止めることができない現象を指します。
この渇望現象のことを教えられた時、ありのパは内心「自分には渇望現象はないかも?」と見当はずれなことを考えました。
しかし後になって自分にも渇望現象があるのを発見しました。
それはネットドラマ見放題サービスを仮契約していたことがあるのですが、いったん見始めると朝の6時まで見続けてしまいました。
背中に冷や汗をかきながら「もう寝なければならない」と思いつつ寝ることができずにネットドラマを見続けるのでした。
この経験から自分の中にも渇望現象があるのを知ることができました。
もう一つの問題である強迫観念とは一般的な言葉で言えば誘惑ということです。
誘惑を受けるまでは「自分は決して○○をしない」と堅く決心していたにもかかわらず、いざ誘惑を受けると(強迫観念が襲ってくると)いとも簡単に負けてしまいます。
この誘惑を指して強迫観念と呼びます。
2.なぜ無力なのか?
その理由は強迫観念と渇望現象が脳の報酬系と呼ばれる部位にある依存症回路から発しているものだからです。
脳の報酬系とは人類の理性が発達する前からあった原始的な器官です。
それでここから命令が発せられると、後から発達した理性では太刀打(たちう)ちできないのです。
これが強迫観念と渇望現象に対して無力であることの理由です。
そして始末が悪いことに脳の報酬系に一旦依存症回路ができると、その回路は死ぬまでなくなることがないと言われています。
これが依存症が治らない病気であるとされている根拠です。
3.強迫観念と渇望現象に対して無力を認めていないなら、真に無力を認めているとは言えない
敵が何かを知らないでただやみくもに「私は無力です」と言ってはなりません。
そんなことをしても徒労に終わるだけです。
渇望現象に効く薬は今のところ発明されていません。
しかし強迫観念のスイッチを入れさえしなければ、渇望現象は起きないわけですから、依存症からの回復のカギは『いかにして強迫観念のスイッチを入れないでいるか』ということになります。
4.霊的に目覚めることだけが強迫観念のスイッチを入れないための条件
霊的に目覚めると強迫観念が教えるウソを容易に見破ることが出来るようになります。
それで私たちは霊的に目覚めるために12ステッププログラムに徹底して取り組むようになりました。
よくある間違いは「熱心に12ステップに取り組んでいれば回復するだろう」というものです。
いくら熱心に取り組んだとしても、霊的に目覚めないなら回復はありえません。
手段と目的を取り違えてはなりません。
霊的に目覚めるために12ステップに取り組むのです。
5.霊的に目覚めるとはどういうことか?
霊的に目覚めるとは「回復するのに十分な人格の変化」と言われます。
回復するのに十分な人格の変化とは、要するに物の見方や考え方が一変してしまうということです。
これを演じるのでもなく、我慢して行うのでもなく、素の自分の物の見方や考え方が変わってしまうのです。
この変化はどうやって起こすことができるのでしょうか?
それは12ステッププログラムに取組むことによって、ことにステップの4以降の行動のプログラムと言われる部分に取組むことによって実現します。
ステップの4以降に取り組んだ人々がよく口にするのは「生きるのが楽になった」「人間関係のトラブルが少なくなった」ということです。
これは人格が変化したことの現れであり、霊的に目覚めていることの明確な特徴ということができます。
どうぞ、あなたも霊的に目覚めてください。
そうしたら、それが依存症に関わる問題である限り、どんな問題であっても解決することが可能です。


◎回復と平安を祈っています。