スカイプを使った棚卸し作業を、ありのパパはやらせていただいていますが、それについてご質問をいただきました。
内容は棚卸し作業を電話でやることの是非、また男性が女性の棚卸しを聴くことの問題についてです。
一つ一つお答えしていきます。
1.スポンサーとシェアリング・パートナーは違う
①ありのパパがやっているのはシェアリング・パートナー
シェリング・パートナーとはステップ5の「もう一人の人」を指しています。
シェリング・パートナーは棚卸しを聞くだけであり、それ以外のスポンサー的な役割を果たしません。
シェアリング・パートナーになってもらえる人としてカウンセラーや聖職者(当時の状況では牧師や神父を指していた)や先行く仲間がそれにふさわしいと、ビッグブックには書かれてあります。
②スカイプでのステップ5の実施について
「棚卸し作業は面談でやるものではないか?」との指摘はある意味ではあたっています。
なぜなら電話での棚卸し作業には不十分さがつきまとうからです。
この欠点を補うためにリカバリー・ダイナミクスの方法に厳密に従って棚卸し作業をやるようにしています。
棚卸表もリカバリー・ダイナミクスのものを使います。
時間も一週間に一度、一回一時間と厳格に決めています。
これによって自己洞察が進み、視点の転換が容易になるようにしています。
③どんな場合でも性的な領域の棚卸しは同性同士
それでもなお性的領域の棚卸しは同性同士が原則となります。
理由は至極簡単なことです。
異性に自分の性の問題の棚卸しを聴いてほしいと思う人は極少数であろうからです。
2.性被害ないし虐待は棚卸しの対象外
①二次被害(セカンド・レイプ)を避けるため
傷口を塩を塗り込むような真似をしないためです。
②そもそも棚卸しは自分が悪かったことについてするもの
依存症者は本心では「他人が全部悪い」と思っています。
それを棚卸し作業をすることによって、視点の転換が起きます。
「今まで相手に非があると思い込んでいたが、なんだ、自分に問題があったんじゃないか!」
その点から言っても性被害や子ども時代の虐待経験を棚卸し作業の対象にすることは間違いです。
なぜなら被害者に悪い点は一点もないからです。
自分が悪くないことについて棚卸しをすることは殊に共依存症者にとっては有害です。
共依存症者の認知は歪んでおり、自分が悪くないことまで責任を引き受けてしまいます。
共依存症から回復するために棚卸しをするのに、これではより一層共依存症を悪化させてしまうことになります。
3.棚卸しがうまく行くと人生は必ず変わる
棚卸しをする目的は「自分の誤りの『本質』を認める」ためです。
「誤りを認める」ためではありません。
誤りの本質を認めるとは「自分の性格上の欠点は何か?それは利己的・不正直・恐れ&身勝手・配慮の不足の四つのどれか?」を知り、さらに「性格上の欠点から生まれた行動パターンは何か?」を明らかにすることです。
はじめからこの目的のためだけに棚卸し作業を行います。
12ステップに取組む人の中には「ステップの4,5まではやったんだけどね」と言う方がおられます。
この「やったんだけどね」という言葉には、「こんなはずじゃない」というお気持ちが含まれているようです。
もしステップ5を通して、ご自分の古い行動パターンが明確に分かったら、その方はは必ずステップ6,7へと突進していくものです。
そもそも12ステッププログラムはそのように設計されているものなのです。
もしそうなっていないとしたら、取り組みのどこかに瑕疵があると考えたほうが良いでしょう。
ありのパパのシェアリング・パートナーについて詳しくお知りになりたい方はシェアリング・パートナーをお探しの方へをお読みください。
◎回復と平安と祝福を祈っています。