登校拒否は現れに過ぎない。解決のために問題の核心を知ることが大切

登校拒否がマスコミを賑わし、カウンセリングの中心問題だった時代がありました。
それ以後は別の重大な問題が続出したため、以前のような注目を浴びてはいません。
しかし登校拒否は依然として深刻な問題であることに変わりありません。
今日は登校拒否の息子さんをもつ親御さんからの相談に答えます。

1.ご相談内容

登校拒否

お世話になります。
中1の息子をもつ母親です。

息子が6年生の頃、学校の部活での挫折もあって、ゲームにのめりこむようになり、現在は朝から夜まで学校にも行かずゲーム依存の日々で、昼夜逆転の生活です。

最近、親の財布からお金を取り、ゲームセンターに通っていた事もわかりました。

ゲームを取り上げると逆上するので、父親も手が付けられません。

それでもゲーム機を取り上げるべきか、どうしたら学校に行くようになるのか、対応に悩んでいます。

いじめはなく、明るい性格で友達も多いのですが、不登校が一ヶ月続き、行きづらくなったと本人は言っています。

ありのパパさんの知恵をお借りし、何とか立ち直るきっかけを得ることができれば幸いです。

こんにちは、ちょこりんさん。
ご相談を下さり、ありがとうございます。

2.問題の核心は何か?

問題を解決しようとするときに最も大切なことは「問題の核心は何か?」を明らかにすることです。

体の調子が悪く、咳ができるとき、その原因を突き止めることがもっとも大切です。
風邪なのか、ガンなのか、またはその他の病気なのかを明らかにせず、咳止め薬を飲むなどの対症療法にとどまるなら取り返しのつかない結果になることもあります。

それと同じように心の問題も「なぜそうなったのか?」の原因を突き止めることが大切です。

ちょこりんさんのお便りを読んでも、そこから息子さんが学校に行かなくなり、ゲームに依存するようになった原因を明らかすることはできません。

ということは、親御さんが認識している以外のことが原因でお子さんが登校拒否とゲーム依存になっている可能性があります。

ちょこりんさんは「不登校が一ヶ月続き、行きづらくなったと本人は言っています」と書かれています。
しかし「明るい性格で友達も多い」のなら、たとえ一ヶ月休んだあとでも比較的スムーズに学校に行くようになるものです。

そうならなかったということは親御さんが考えている以外のところに原因があるのかもしれません。

3.どうしたら問題の核心を知ることができるか?

問題を生み出している原因を知ろうとせずに、ゲーム機を取り上げたり、いたずらに学校に行くように強制することは逆効果にしかなりません。

ではどうしたら良いのでしょうか?
そうです。本人に聞いてみるのが一番です。
もちろん「なぜ学校に行かないの?」と聞いて、「それはね、斯く斯く然々(かくかくしかじか)だよ」と答えられる子どもはいません。
自分で答えることができるなら、登校拒否になっていません。
答えることが出来ず、自分で問題を解決できないから、次善の解決策として「学校に行かない」ということをやむを得ず選んでいるのです。

①咎め立てせず、何でも話せる雰囲気をつくる

お母さんによっては「『何でも話しなさい』と言っているのに、この子は話さないんです。キー!」という方もおられます(笑)。

ちょこりんさんの文面からはお優しい雰囲気が伝わってきますから、そのようなことはないとは思いますが。

②コントロールしようとしない

どういうことかと言うと、学校に行かないと困るのはお子さんであって、親御さんでないということです。

それを申しますと親御さんは必ず「でも子供を想うのは親として当然ではありませんか!」と言われます。
しかしよく考えてみると(厳しい言い方になりますが)学校に行かない子どもを持っている自分を思って、心配したり怒ったりしているということはないでしょうか?

このことを恥ずかしいと思うことはありません。
なぜなら人間はみんな同じだからです。

登校拒否専門のカウンセラーの子供が「今日、学校に生きたくない」と言ったとき、登校拒否専門のカウンセラーとしての評判が危うくなると感じ、子供に対して殺意を感じたという話があるぐらいです。(ありのパパが本人から直接聞きました)

自分が可愛くない親は、この地上に一人もいないと言っていいぐらいです。

大切なことはそのような自分を受容しつつ、それでもなお「この問題は私の問題ではない。息子の問題である」という立場にしっかりとお立ちになることです。

③生きいてくれるだけでいい

お子さんに問題が起きると、親御さんは知らず知らずのうちに「この問題が解決できない親は失格。この問題をクリアーできない子どもはダメな存在」と無意識のうちに思いがちです。

大変なときこそ「生きていても良い」合格ラインを「問題が解決できたら合格」ではなく、「生きていてくれれば、それで御の字(おんのじ)」というところに置き直しましょう。

4.一般的な対処方法はあるか?

どんな問題にもスタンダードな解決法というものが存在します。
依存症治療には12ステッププログラムが有効であると認められているようにです。

では登校拒否には「これで一発解決」というものはあるでしょうか?
かつてはありました。
それはお子さんをありのままに受容する方法です。
カウンセラーもやみくもに「とにかくお子さんを受容してください」みたいな対応をしていた時代もありました。

しかし現在では、そのような方法が効果的な場合もあるが、そうでない場合も多いということが明らかになっています。
引き篭もったまま30・40代になった人々が何十万人もおられます。

そういうわけですから現在では「これで一発解決」というものは存在しません。
結論としては、効果があると思われるものを積み上げて行くほかはないということになります。

5.外部機関に頼る

各都道府県には教育相談センターというものがあります。
これは教育に関する問題をカウンセリング手法で解決を図ることを目的にして設立された機関です。

大抵の場合は電話相談がありますから、まずそこに電話をします。
そして面談が有効であると職員が判断すれば、職員によるカウンセリングが行われます。

これは膠着状態に陥っているような場合に大変有効です。
家族同士ですと、遠慮がないという良い面もありますが、距離感が近すぎることによるマイナス面もあります。
そこに訓練された第三者が介入することによって、新たな展開が生まれる可能性が出てきます。

登校拒否には三種類ある。そして解決方法も三つある」もお読みください。

◎回復と平安と祝福を祈っています。

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