依存症は糖尿病と同じで、治療し続けることが必要な病気

今回はいよいよ依存症からの回復施設で学ぶ「RD5日間トライアルセミナー」の最終回です。
最終日の講義の後半は施設長の登場です。
ありのパパはこの方から12ステッププログラムのほとんど全部を学びました。

        

1.ステップ8,9

①埋め合わせとは何か?

埋め合わせは謝罪(土下座)ではない。
謝罪は指示的であり、他人をなだめるために何かをしがちになる。

埋め合わせは、過去の自分の側の過ちを取り除き、あるいは修復して元通りにすること。
要するに、遺憾の意をあらわすこと。

②埋め合わせの実行方法

「すぐに」「あとで」「たぶん」「できない」の四つに分けて埋め合わせ表を作る。

③埋め合わせがもたらすもの

相手の利益のために行うのではなく、実行するこちら側の利益のために行う(要するに自分のために行うということ)。

埋め合わせをすると、必ず自分自身の人格が変化する。
罪悪感・後悔・自己憐憫から解放されます。

④機会あるたびに実行する

機会あるたびにwhenever(いつになっても):wherever(どんな場所でも)実行する。

ビッグブックには埋め合わせの方法について詳しく書かれている。
これは埋め合わせが依存症からの回復にいかに重要かを示している。

⑤12の約束

12の約束として知られているものは、実はステップの9までを実行した人に与えられると約束されているのであり、ミーティングに参加し続けたから与えられるものではない。

⑥埋め合わせは生涯の仕事

埋め合わせの実行には時間も労力も必要です。
そして注意深く正確にやらなければなりません。
スポンサーは冷静に見ることができるので相談する。

        

2.ステップ1〜3の復習

問題がはっきりすれば、解決がわかる。
解決を手に入れるためには行動が必要とされる。

シルクワーク博士は、依存症は病気であり、依存症の核心的問題はは強迫観念であるとしました。

ユング博士は回復のためには激烈な霊的体験が必要であると教えました。

そして「行動のプログラム」はオックスフォード運動のものを拡張しました。

12ステッププログラムは、この三つが融合したものです。

        

3.ステップ10

自分自身の棚卸しを続け、間違ったときは直ちにそれを認めた。

ステップ10は、4から9を毎日繰り返すことである。

依存症者は(とりあえず)外側を何とかしたいと思うが、12ステップは(じっくりと)内側からよくするプログラムである。

①アディクションは常に治療が必要な病気

糖尿病と同様である。常に治療を続けるべき病気です。
ステップ4から9は最初の取り組みにすぎません。

②実際の回復はステップ10で実現するとはどういう意味か?

a.回復を維持する

よくなった状態を続けることではなく、回復を続けること。

12ステップは回復というよりは成長のプログラムです。
生命は成長していくか、枯れていくかのどちらかです。
現状維持は基本的にはないことです。

b.一日を通してステップ10を使う

夜まで待ってはならない。
一日に何度でもステップ10を使おう。(スポットチェック)

c.問題を特定する

心の警告灯は、恨み・恐れ・罪悪感・後悔・自己憐憫です。
これらの印が現れたら、即座に対応する必要があります。

もし無視して走り続けたらどうなるでしょうか?
スリップしちゃう(笑)。

これは要するに「掃除の仕方を覚えたのだから、あとは実践してくださいよ」という話。

○ステップ10をやるために今までのステップを踏んできたとも言える。

[ステップ10の約束]

私たちは何ものとも戦うのをやめた。なぜなら健康な判断力が戻っているからである。

どうすれば酒をやめられるのか?

ステップ9までをやり、ステップ10をやり続けていれば酒をやめることができる。

        

4.ステップ11

以前は「第六感」と訳されていた箇所は、誤解されることを避けるために「大切な感覚」と訳し直された。(ビックブックp123)

vital sixth sense

1.視覚
2.聴覚
3.触覚
4.味覚
5.臭覚
6.祈りと黙想

①決定的で貴重な提案

a.夜の黙想

夜、眠りにつく前にその日のことを建設的に振り返ってみる。

b.朝の黙想

朝、目が覚めたら自分の目の前にある24時間のことを考え、その日の計画を立てる。

物質のこと、社会生活のこと、外側の世界のことを段取りするようにスピリチュアルなことの準備を整える。

私たちの考えを導いてもらう。
そうしたら私たちの考える力はずっと高い水準に達する。

c.決められないことにぶつかったとき

これまでのやり方は心配するだけだった。
自分の中に答えがないのに、それでも探す。

これからは黙想の中で、神が、霊感・直感的な考え(インスピレーション)・決断という形で答えを与えてくれる。

d.祈り

平安の祈りは「自分にないものをください」という祈りです。
「神様、私にお与えください。賢さをあたえてください」

        

5.ステップ12

①メッセージを運べるのは、どんな人か?

12ステップで霊的に目覚めた人々は、「このメッセージ」を伝える。
霊的体験・霊的目覚めを経た人がそれを伝えることができる。

②スピリチュアルな目覚めとは?

これは個人的な経験であり、「自分より偉大な力」にどう取り組み、どう理解していったかは様々です。

しかし全員に共通しているものがあります。

それは自分だけの「力」と「やり方」では成し得なかったことが、今は出来、感じ、信じられるようになったということである。

その人に、新しい意識と存在ともいうべき贈り物が与えられた。

それまでは自分以外の何ものをも認めることができなかったのに、神を意識(consciousness)するようになる。

③メッセージを運ぶ方法

「強迫観念と身体的アレルギーについてしゃべりまくれ!」とシルクワース博士はビル・ウィルソンに助言した。

問題の分かち合い

最初の一杯の前に頭の中がねじくれる
病気の絶望的な面(無力とは絶望すること)
最初の一杯にまつわる奇妙な心の動き
死に至る病気
肉体と精神の病気

④私たちのすべてのことにこの原理を実践

この原理とは12ステップのこと

⑤プログラムを実践するところ

AAグループで
家庭・職場・地域で

⑥共依存についての注意

「私があの人の問題を解決してあげたい」が根本的な間違い

⑦私たちはなぜ生きているのか?

人生には目的がある。その目的通りに生きるべきである。
それ以外に生きようとすると支障がでる。

神は私たち一人一人に何を望むだろうか?
それは私たちをここに置いた神だけが知っている。

⑧人生の目的とは何か?

私たちが生まれてきた目的はただ一つ、それは「お互いに助け合うため」。

        

6.アルコール依存とアダルトチルドレンの回復の共通点とは?

今までのやり方が通用しないときが、どちらにもやってくる。
通用しないときに苦しみが出てくる。
自分を変えないで相手を変えようとするとき性格上の欠点が出てくる。

アダルトチルドレンは健康な家庭では育たなかったが、生き延びるノウハウを身につけた。
しかし、そのノウハウは大人になってからは通用しない。
これは特別なことではない。
すべての人は、今までのやり方を変更しなければならないときがやってくる。
その部分に共通点がある。

◎回復と平安を祈っています。

(一回目)12ステップを依存症からの回復を目指す中間施設で学んでみた!

(二回目)共同体の助けと霊的目覚めが依存症の解決策。信じることは難しくない

(三回目)自分が信じられる神からスタートして、人生を変える営みを始める

(四回目)恨みを追い出すと愛が増大し、恐れを追い出すと勇気が増大する!

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