12ステップを使って真に新しい人生を生きようとするときのポイントは、自分自身の短所を知ることを目的にして棚卸し作業をやること、性格上の欠点を行動パターンとして把握すること、短所と正反対の行動パターンを自覚的に実践することの三つです。
1.薪(まき)事件
ありのパパの子供時代は風呂を薪で焚(た)いていました(五右衛門風呂でした)。
その薪を父がうずたかく重ねていました。
子どもであった私がふざけて途中の部分から薪を抜き出して、積み上げた薪がくずれないか遊んでいました。
そうしたところ何本目かに薪を抜こうとしたところで、薪がガクッと崩れそうになりました。
それでとっさに手で抑えたのですが、それを見ていた父は一言「せっかく積み上げたのに」と言って家の中に入ってしまいました。
私は心の中で「おいおい、こういう時は崩れそうになった薪を後ろから支えるのが親じゃないのかい?」と感じながら、ただじっと崩れそうになる薪を抑えていました。
手で抑えつつ色々なところを少しずつ動かし、薪が崩れないようにし、事なきを得たのでした。
2.この体験から得た間違った思い込みとは?
この経験から「人は誰も助けてくれない。だから人に助けを求めてはならない」という間違った理解をもつに至りました。
もちろん、この経験だけではなく、他にも似たような出来事が嫌というほどありました。
のちにこれが性格上の欠点となって、自分を苦しめることになりました。
それは恐れが動機となって不正直な対応をなし、不正直な対応が原因となって人々との間にトラブルが起き、そのトラブルが起きた人々を自分の側に原因があるにもかかわらず一方的に恨むという利己的きわまりない生き方という行動パターンを形成したのでした。
3.性格上の欠点を神に取り除いてもらう
このような行動パターンに自分の人生全体が支配されていることに気づけたのは12ステップのステップの4と5に取り組み、「もう一人の人」に指摘されたからでした。
そうでなければ多分死ぬまで気づくことはなかったと思うと、心から12ステップに取り組んで良かったと思います。
この行動パターンから解放される唯一の道は、ステップの6と7を生涯掛けて実践することです。
ステップの6で「性格上の欠点を取り除く準備がすべて整った」とあるのは、自分の行動パターンを正確に把握したということを意味しています。
単に性格上の欠点が何であるか分かっただけでは全く不十分です。
これでは人生は変わりようがありません。
真に人生を変えようと願うなら、どうしても行動パターンとして認識する必要があります。
そしてステップの7で「自分の短所を取り除いてくださいと謙虚に神に求めた」とあるのは、短所と正反対の行動パターンを実践するために神に力を求めて生きることを表しています。
ありのパパの新しい生き方の行動パターンは「出会うすべての人に敬意をもって接する」です。
これに専心しているときは恐れを感じている暇がありません。
恐れを感じていないと不正直に足を取られることもありません。
自分自身に「私は今、相手が良い人か悪い人か心配して恐れている。しかし相手のほうも私が良い人か悪い人か心配しているのではないか?そうだとしたら相手の人が悪い人だったらイヤだなと心配している暇があったら、相手の方にとってまず自分が良い人になるように努力することが先決ではないか」と語りかけます。
そうすると心の中から恐れが一掃されるのを感じるのです。
心は神の愛と勇気に満たされます。
これを「今日一日だけ」実行します。
◎これが12ステッププログラムを使って新しい人生を生きるためのやり方です。
平安と祝福を祈っています。