今日は「子どもを生きればおとなになれる」(クラウディア・ブラック著)をご紹介します。
1.アダルトチルドレン(AC)は何を失ったのか?
①率直さと正直さの喪失(否認)
a.子供は一般的には率直すぎる傾向があるものです。
しかし、病んだ大人が家庭の構成員であった場合には子供は素直さを発揮することができません。
なぜなら大人が(精神的に未熟という意味で)子供なので、代わりに自分が大人の役をしなければならないからです。
b.家庭に秘密がある場合、本能的に外部に知られてはならないと子供は考えるために否認せざるを得ませんでした。
②情緒的なつながりの喪失・信頼感の喪失(孤立)
養育者から素頓狂(すっとんきょう)な反応をされたり、なぜ怒られているのかが分からないまま怒りをぶつけられたりする経験が重なると子供は誰とも情緒的な繋がりが持てなくなってしまいます。
③柔軟で自発的な選択肢の喪失(硬直性)
いつも決まりごとに従わなければならない家庭で育つと自発的な選択肢を喪失します。
これが問題なのは大人になってからも自分自身や家族に同じようにしてしまうことです。
④自己価値の喪失(シェイム)
「あなたには価値がある」「あなたを愛している」と言われて育つことが子供には必要です。
これは理想論を言っているのでも夢物語を話しているのでもありません。
力強く「あなたは高価で尊い」と言われて育たなかった子供は自己価値を喪失します。
これは具体的には低い自己評価となって現れます。
2.どうやって回復すれば良いのか?
まず自分自身の過去の喪失を探ります。
そして過去と現在をつなげます。
次に取り込んだ信念に挑みます。
回復を果たしたあとは、新しいスキルを学び続けるという過程に挑みます。
3.おとなとしての土台
インナーアダルトを育てると以下の力が付いてきます。
a.自分を認める力
b.コントロールをある程度手放す力
c.感情を感じる力
d.ニーズを見分ける力
e.限界と境界を設定する力
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◎この本にはACの回復過程の全貌が描かれています。
この本もまた「毒になる親」同様にアダルトチルドレンが楽に読める本ではありません。
ありのパパも何回も本を閉じて祈りました。
しかしこの本なしにはACが回復するのは難しいのではないかと思うほどに重要な本です。
どうぞ、お読みください。
平安と祝福を祈っています。