(2020/10/19記事更新)「自分の抱える問題は依存症だろうか?」と考えたことのある方はおられませんか?
この記事はご自分の抱える問題が依存症かどうかを判断する基準を解説し、生活の全領域を改善していく方法についても言及しています。
1.様々な依存症
①切れやすいというのと怒り依存症の違い
現代は「切れやすい人々」が問題になっています。
これらの人々は怒り依存症なのでしょうか?
ありのパパはそうではないと考えています。
その理由の第一は「切れやすい人々」は怒りを暴力に変換することを自覚的に行っているように見えることです。
それに対して怒り依存症の人々は怒ろうと思った瞬間に怒りが爆発します。
第二に、「切れやすい人々」が切れる際に感情の爆発が伴っていない場合が多いということが、彼らが怒り依存症でないと考える理由です。
怒り依存症の場合は自由意志ではなく狂気がそうさせており、それに対して私たちは無力を認めます。
依存症でない場合は意志の力で「切れる」ことを防止することが可能です。
②アダルトチルドレンとAC的傾向があるということの違い
ACについての書物を読んで「これ自分にも当てはまるんですけど。私はアダルトチルドレンでしょうか?」とお問いになる方が時々おられます。
しかし、これは愚問です。
なぜならアダルトチルドレンの問題は、そのことで本人が苦しんでいることが前提にあるからです。
単に機能不全家族で育ったというだけではアダルトチルドレンということにはなりません。
問題になるのは病的な人間関係を嗜癖として使っている場合です。

③性的領域に問題があるというのと性依存症の違い
単に性的領域に問題があるのか、それとも性依存症なのか、見分けるのは簡単ではありません。
性依存症の特徴は長期にわたって反社会的行為(痴漢、のぞき、盗撮など)もしくは非倫理的行為(買売春やパートナー以外とのセックス)を行っており、自分の力で幾度も止めようとしたが止めることが出来ないということです。
もう一つは強迫的なマスターベーションなどで「この悪習慣がなければどれほど楽か」という苦しみを体験していたり、もしくはネットポルノなどを何時間も見てしまい、その時間をほかの創造的な活動に当てるなら、人生がどれほど豊かになるだろうという場合です。
この場合でも、その事についてご自分が苦しんでいるというのが前提です。
マスターベーションの問題にしても「若いんだから、何が悪いのか」と考えておられるなら、他人がどうこう言う問題ではありません。
④なぜ区別する必要があるのか?
依存症のレベルならば、無力を認め、自分を超えた大きな力が自分を健康な心に戻してくれると信じる12ステップのやり方にしたがって回復していくことが可能です。
しかし依存症のレベルに達していない場合は意志の力で何とかする必要がありますし、それが可能です。
無力でないのに無力を認めることは茶番ですし、偽善でもあります。
2.嗜癖以外の問題の実際的解決
大切なことは嗜癖(しへき)が止まればよいという所にとどまらず、自分のすべてのことに12ステップの原理を応用することです。
①様々な実際的問題
たとえば早起き・夜更かし・片づけ・引き延ばし・運動・十分な睡眠時間の確保などです。
ある専門家は「人生を本当に変えたいと願うなら、夜更かしを止める・片付けを毎日する・運動の三つを習慣にすることだ」と言われました。
依存症から回復した後も相変わらず不規則な生活を止めない人々もおります。
これでは「すべてのことにこの原理を実行しようと努力した」とは言えません。
②12ステップの原理を応用・適用する
ひとつの嗜癖から回復した経験を持つ人々は宝物を持っているということができます。
12ステップの無力を認めるリストの中にあなたが克服したい悪習慣を入れればよいのです。
そうしたら問題が何であっても解決することができます。
私たちお互いは回復を手にした後も、神の恵みによって無限に成長していきたいものです。
◎回復と平安と祝福を祈っています。