(2020/07/25記事更新)糖質を制限した食事法が大人気のようです。
しかし糖質制限の食事法には多くの問題があります。
この記事は四群点数法の食事法と糖質制限の食事法を比較しながら、糖質制限の問題点を解説しています。
1.糖質制限の食事法の特徴
①糖質制限の食事法の出自(しゅつじ)
かつて糖尿病治療で有名な医師が新聞に「糖尿病患者の三分の一は食事療法がうまく行き、三分の一は食事療法に失敗して病気が悪化し死に至る。残りの三分の一はうまくいったり失敗したりを繰り返す」と書かれたことがありました。
それを読んだありのパパは「食事療法を実践するのは難しいのかな?」と思ったものでした。
この糖質制限ダイエットは自らも糖尿病になった医師(前出の医師とは別の医師)が考え出したものです。
このお医者さんも食事療法がうまくいかず、どうにかもっと簡単にできる方法はないかと考えました。
その結果、糖質を含む食品を摂らなければ、糖尿病(の数値)が劇的に良くなることを発見したのでした。
(糖質を含む食品は米や小麦などの穀類、醸造酒などです)
②過去に流行ったダイエット法と糖質制限のちがい
過去にバナナダイエットとか卵ダイエットなどが流行りました。
これらの特徴はひとつの食品だけを食べ続けることにあります。
ひとつの食品を食べ続けていれば飽きますから、結果として総摂取カロリーは減少します。
しかし、これらのダイエット法では体重も減るが、同時に健康も損なわれるというありがたくない副産物が付いてきます。
これに対して糖質制限法は糖質が含まれる食品だけを食べない食事法です。
ですから健康が損なわれる危険性は一品だけを食べ続けるダイエットに比べると遥(はる)かに少なくなります。
2.四群点数法の特徴
四群点数法とは女子栄養大学を創設した香川綾先生が創出したものです。
煩雑な栄養計算を誰もが簡単にできるようにという願いのもとに作り出されました。
①完全栄養を達成することが大前提
卵一個が80kcalであることに着目し、80kcalを1点とします。
すべての食品群を四つに分け、一群から三群まで3点ずつ摂取します。
こうすると何も考えなくても各栄養素を満たすことが可能になります。
②カロリーコントロールは第四群の増減で行う
カロリーの増減は四群の穀類・油・調味料などの摂取をコントロールすることによります。
この四群点数法の食事法であれば、完全栄養を達成しつつ体重を自由自在にコントロールすることが可能となります。
③単なるカロリー制限法と四群点数法のちがい
カロリー制限法は完全栄養を考慮に入れていません。
ただ総体としてのカロリーだけに気を使います。
これは一見簡単なように見えますが、そうではありません。
カロリーを計算するのは案外面倒くさいものです。
これに比べると四群点数法ですと、卵一個が1点、牛乳140gが1点、チーズ20gが1点です。
一日のうちにこれらの食品を摂れば一群の食品を皆摂ったことになります。
第二群は牛肉なら60gが1点、とりのささみ80gが1点、充填豆腐一個が1点、合計3点
第三群は緑黄色野菜100g淡色野菜200gの計300gが1点、いも類100gが1点、果物100gが1点、合計3点
第四群は六枚切りの食パン1枚が2点、ご飯100gが2点、うどん一玉が3点、油9gが1点
四群点数法ならカロリー計算なしでカロリーを計算することができます。
その上、毎日の食事で完全栄養まで達成できます。
確かに最初に1点当たりの食品重量を覚えるのは少し面倒です。
しかし九九を覚えることができた人なら誰でも覚えることができます。
3.糖質制限の食事法の問題点
①糖質制限の食事法は本来は糖尿病患者向け
本当は糖尿病患者であっても四群点数法を実践なさるのが良いのです。
しかし覚えている間に死んでしまっては何にもなりません。
そのゆえに糖質を含む食品を食べないだけという単純明快な食事法は確かに有用(ゆうよう)です。
②長期間にわたってタンパク質・脂肪過多の食事法を実践した場合の不具合
糖質は四群点数法で言えば第四群に当たります。
第四群は「身体に熱や活動力を与える食品群」と定義されています。
通常ならば身体は第四群の食品が不足している場合は体内の脂肪や筋肉などを分解して充当します。
これを糖質制限法は一日に必要とされている以上のタンパク質や脂質を摂取することによって不足分を充当させようとします。
このようなタンパク質や脂質を過剰に長期間にわたって摂取することの弊害は明らかです。
腎臓・肝臓などの消化器官に大きな負担を与えます。
これが糖質制限を実践する人たちに多く見られる突然死の原因ではないかと言われています。
③節制を身に付けないで健康を自分のものに出来るか?
糖質制限法の売り文句は「ご飯と酒以外は腹一杯食べることができる」というものです。
しかし節制を身に付けることなしに食べたいだけ食べて健康になれるという主張は果たして合理的でしょうか?
ありのパパにはとても説得力があるとは思えません。
どうやら糖質制限の食事法は急を要する糖尿病患者さんのみに適用できる食事法であると考えたほうが良いようです。
◎回復と平安と祝福を祈っています。