(2020/06/03記事更新)飲酒と自慰(マスターベーション)について聖書が教えていること、教会が教えていること、依存症からの回復プログラムである12ステップが教えているところを比較しました。
1.聖書の教え
①飲酒についての聖書の教え
もっとも明確に飲酒について聖書が語っている箇所は新約聖書のエペソ教会への手紙5章18節でしょう。
「酒に酔ってはなりません。むしろ御霊に満たされなさい」
ここには明確に「飲むな」ではなく「酔うな」と書かれてあります。
この箇所から絶対禁酒の教えを引き出すのは超ウルトラびっくりの三回転ジャンプでもしない限り無理です(笑)。
②マスターベーションについての聖書の教え
聖書には直接的な記述はありません。
ただ旧約聖書にオナンという人が精液を地に漏らしたという記述があるのみです。
(このオナンという人の名前がオナニーという言葉のもとになったと言われます。)
しかしこの聖書箇所はオナンがマスターベーションをしたこと自体を非難しているわけではありません。
ですから、この箇所から「聖書はマスターベーションを禁止している」という教えを導き出すことは聖書に忠実な信仰とは言えません。
2.12ステップが教えていること
①飲酒について12ステップが教えていること
アルコール依存症になった人には再び酒を飲む自由はありません。
一滴でも再飲酒するなら、地獄が口を開けて待っており、そこに真っ逆(まっさか)さまです。
②マスターベーションについて12ステップが教えていること
性依存症の回復を目指すグループにはおもなものが二つ(SA・SCA)あります。
SAは一旦性依存症になったら、パートナー以外とのあらゆるセックスは命取りになると教えます。
SCAはケースバイケースであり、マスターベーションがアルコール依存症における再飲酒に当たる場合もあるし、人によってはそうではない場合もあると教えています。
(ここからは、ありのパパの個人的理解です。)
一旦性依存症になったら、マスターベーションがアルコール依存症者における再飲酒の役割を果たしてしまう危険が非常に大きいと考えています。
3.依存症でない人はどうしたら良いか?
①飲酒について
ある依存症からの回復を目指す施設の方がこう仰っていました。
「アメリカ福音派教会の運動によって禁酒法が成立しました。その結果としてマフィアが暗躍するなどのマイナス面もありましたが、この期間にはアルコール依存症になる人が少なかったのです。これは確かに禁酒運動の成果であると言えます」
そういうわけで福音派教会が教える絶対禁酒の教えにはある程度の合理性があったということができます。
しかしそれにしても聖書を誤りのない神の言葉と信じる福音派教会が聖書に書いていないことを教えているということに関しては疑問に思わざるを得ません。
②マスターベーションについて
十代・二十代の若者たちが教会の教えによってマスターベーションを罪悪視し、その結果としてマスターベーションを止めることができない自分を裁くということがあります。
この問題をどう考えるかですが、ありのパパは何も問題はないと考えています。
ただ結婚しているにもかかわらずマスターベーションを止めることができない場合は性依存症を疑ってみることが必要でしょう。
また(個人差がありますが)中年・老年の域に達しているにもかかわらずマスターベーションを続けているというような場合も同様です。
今日は微妙な問題を取り扱いました。
しかし大切な事柄ではあります。
この問題について正しい理解をもって歩みたいものです。

◎回復と平安と祝福を祈っています。