(2020/06/01記事更新)アダルトチルドレンはパラアルコホーリク(疑似アルコール依存症)と言われます。
この記事はなぜアダルトチルドレンが擬似依存症なのかを明らかにし、回復する方法を具体的に解説しています。
１．アダルトチルドレンは疑似依存症
アダルトチルドレン(AC)が疑似(ぎじ)アルコール依存症と呼ばれるのは病的な人間関係を嗜癖として使っているからです。
『ACの問題行動』と呼ばれるものにアダルトチルドレンが使う病的な人間関係嗜癖の種類が書かれています。
問題リストには13個の嗜癖行動が記されており、最後の一個はアダルトチルドレンが擬似依存症であると書かれています。
私たちACは、この13個の人間関係嗜癖に対して無力なのです。
これがACの問題の本質です。
性格上の欠点・短所は神に取り除いていただくべきものですが、13の問題は統合すべきものです。
もし取り除くことができるならACは無力ではないということになってしまいます。
またこれらの問題に取り組んだ後でも、これらから自由になれるわけではありません。
アルコール依存症者がいくら回復したからといって自由に酒が飲めるようになるわけではないのと同じです。
ここでも『治る』ことと『回復する』ことの違いを心に留めておくことが肝要です。
２．依存症には二つの問題がある
二つの問題とは強迫観念と渇望現象です。
強迫観念とは『最初の一杯の狂気』とも呼ばれます。
飲んだらいけないと分かっているにもかかわらず、見え透いた言い訳をして飲んでしまう狂気です。
渇望現象とは一杯目を飲んでしまうと、ブラックアウトするまで延々と飲み続けてしまうことを意味します。
これは物質依存であるアルコール依存症について言っていますが、買物依存などの行為依存についても当てはまることです。
この場合の強迫観念は「買ってはいけないと分かっているにもかかわらず、見え透いた言い訳をして買ってしまう」ことです。
渇望現象は「クレジットカードによるキャッシングやサラ金に借金をしてまでも買い物を続けること」です。
ありのパパは怒り依存症ですが「怒りを爆発させてはいけないと分かっているにもかかわらず、見え透いた言い訳をして怒りを爆発させてしまう」のが強迫観念です。
そしていったん怒りを爆発させてしまうとエネルギーが切れてしまうまで怒りを爆発させ続けてしまうのが渇望現象です。
ACにとってはたとえば職場などで「孤立したらいけない」と思っているにもかかわらず、気が付いたたら孤立しているのが強迫観念であり、職場を変わるまでずっと孤立したままでいるのが渇望現象です。
３．アダルトチルドレンの統合作業は自分自身の育て直し
アダルトチルドレンにとっての回復は人間関係嗜癖のスイッチが入らないようにすることです。
たとえば『問題』の1番目の「孤立することを嗜癖として使う」はどのように統合すればよいでしょうか？
それは孤立しようとするスイッチが入りそうになったら、即座にそこから飛び退(の)くことです。
具体的には「敬意をもって接することに全力を尽く」していれば、孤立する暇はありません。
こうして決してスイッチが入らないようにします。
12番目の「人に依存することを嗜癖として使う」はどうでしょうか？
これも同じく「人に依存する」スイッチが入りそうになったら、即座にそこから離れることです。
具体的なやり方は置かれた環境や生育歴によって異なりますので、自分なりの方法を編み出すことが大切です。
ありのパパのやり方
ありのパパが病的な見捨てられ不安のスイッチが入る場面は主に二つあります。
ひとつは人と会ったときです。
どの時点でお別れしてよいか分からなくなります。
それでお会いする前にあらかじめ決めた時間がきたらお別れすると決めています。
そのためにスマホのタイマーをセットしてアラームを鳴らすようにしています。
もうひとつは夜、一日の営みを終えて寝ようとするときです。
一日が終わろうとしているにもかかわらず一日の幕を下ろすことができません。
心の中で「このままでは終われない」という思いに支配されるのです。
これの対処方法はあらかじめ床につく時間を決めておきます。
ありのパパは日付が変わる前に跳ねるようにしています。
そのためにタイマーを45分前になるようにセットしています。
今までは自分ながら「なんでこんなに一日を終えるのが名残惜(なごりお)しいのだろうか？」と訝(いぶか)しんでいました。
しかし敵の正体が分かりましたので、そうなればこっちのもんです。
以前よりも楽に一日を終わることができるようになりました。
アダルトチルドレンの問題リストは全部で13個もありますので、これはやりがいのある作業です。
◎回復と平安と祝福を祈っています。
