(2020/05/18記事更新)アダルトチルドレンの特徴を示したものに「ACの問題」があります。
これはアダルトチルドレンの強迫観念の内容とも言えるものです。
この記事は問題リストをどのように取り扱えばよいかを解説しています。
1.強迫観念と渇望現象
強迫観念は渇望現象とセットになっています。
アルコール依存症ならば「最初の一杯の狂気」と呼ばれるものが精神面での強迫観念となります。
「最初の一杯の狂気」とは飲んではいけないと分かっているにもかかわらず見え透いた言い訳を自分にしてしまうことです。
ビックビック(12ステップの教科書に当たるもの)にはミルクにウィスキーを一滴垂らすだけなら問題ないだろうと考えた人の話が載っています。
肉体面での渇望現象とは一杯目を飲んでしまったら二杯目・三杯目を飲まないではいられないことです。
12ステッププログラムは肉体面での渇望現象には効果がありません。
ただ精神面での強迫観念に対してのみ効果があります。
しかし最初の一杯さえ飲まなければ問題はないわけですから、当然のこととしてフォーカスを精神面での強迫観念に合わせることになります。
2.アダルトチルドレンの強迫観念は13種類
ありのパパはテレビを見始めると何時間でも見てしまいます(ACの問題の8番目)。
それでテレビを捨ててしまいました。
自由意志でテレビを見ているのならば本人の自由であり問題はありません。
しかし見たくないにもかかわらず何時間でも見てしまい、仕事や日常生活に支障がでているなら、それは依存症を疑わなければなりません。

3.ACの問題を統合作業によって回復する
①短所と問題リストの取り扱い方の違い
短所は取り除くべきものですが、問題リストは嗜癖として使っている内容であり、強迫観念です。
私たちは強迫観念と渇望現象に対して無力を認めました。
治るとは強迫観念そのものが取り除かれてしまうことです。
それに対して回復するとは強迫観念はなくならないが、強迫観念にスイッチが入らないようになることです。
それでACの強迫観念のリストである「ACの問題」への対処法は強迫観念のスイッチが入らないようにすることになります。
②どの特徴から取り組むのがよいか?
やり方は13種類の中からご自分が腑(ふ)に落ちたものから取り組むようにします。
当たり前ですが「自分にはこの特徴は当てはまらないな」と感じるようなものを選んではなりません。
「確かにこの特徴は自分のことを言っている」と感じられるものを選ぶことです。
一例をあげるとありのパパは6番目の過剰な責任感と12番目の病的な見捨てられ不安に現在取り組んでいます。
なぜこのふたつのものを一緒にやるかといえば、それは「過剰な責任感の裏には病的な見捨てられ不安がある」からです。
③強迫観念のスイッチが入らないための日常生活の心得
見捨てられ不安の奥にあるのは「恐れ」です。
それでいったん何かを初めてしまうと止めることができません。
この強迫観念のスイッチが入らないためには幾つかの方法が有効です。
普通の人なら、おしゃべりしていて適当な時間になったら自然に「ここでおしまい」になります。
しかし、ありのパパには病的な見捨てられ不安があるため「どこでおしまいにすればよいのか?」と迷ってしまい、結局最後まで居残ってしまうことになります。
そうならないためには、あらかじめ時間を決めておきます。
できたらスマホのアラームをセットしておきます。
時間が来るとズボンの中でスマホが振動して、時間が来たことを教えてくれます。
そうしたら「さようなら」と言ってお別れします。
もう一つの方法は一日のスケジュールを決めておくことです。
「今日もひまだな~」と思っていたら、見捨てられ不安に簡単にやられてしまいます。
「今日はこれをやって、あれをやる。だからこれに掛けることのできる時間は○○分だ」ということが分かっていれば、見捨てられ不安のスイッチが入りにくくなります。
④一つの強迫観念にどのくらいの時間をかけるべきか?
思考習慣は定着させるのに六ヶ月かかると言われています。
それで統合作業に取り組み始めた当座は一つの強迫観念に半年の期間を当てていました。
その期間は13の特徴のうちのひとつだけにフォーカスします。
(特徴のあらわれがセットになっている場合は複数も可です)
現在では一つの強迫観念に一週間を当てるようにしています。
そして一週間で教えられたこと気づいたことをその週のミーティングで話すようにしています。

◎回復と平安と祝福を祈っています。