(2020/01/22記事更新)依存症からの回復のための二つの解決策のうちの一つが共同体です。
共同体は回復の生命線であり、ここがおかしくなると構成メンバーの回復がおぼつかなくなります。
この記事では健全な共同体について解説しています。
1.12ステップ共同体の本質的な三つの要素
それは、お互いの経験と力と希望を分かち合うことによって、互いが互いを支え合うことです。
「AAの共同体はその規模も範囲もめざましい広がりを見せているが、その核心は至って簡単であり、個人を主体としたものである。今日も、世界のどこかで、一人のアルコホーリクが別のアルコホーリクの誰かに経験と力と希望を語る時、回復が始まっている」(ビックブック)
それではこの三つの要素を一つ一つ見ていきましょう。
a.経験による慰め
かつての自分はどうだったのか、それがミーティングに参加し、12ステップに取り組んだ結果、何が起きたのかを分かち合います。
b.力による支え
抱えている問題に対して『自分が無力』であることを真に理解した時、問題の真の解決は『自分を超えた大きな力』にあることを悟りました。
この自分なりに理解した神を信じるようになったことを分かち合います。
またハイヤーパワーが自分に何をしてくれたかを分かち合います。
c.希望による励まし
12ステップに取り組むときに与えられるのは回復です。
12ステップを踏んだ結果、霊的目覚めを得て、どのように自分の人生が変化したかを分かち合います。
◎このように互いの経験と力と希望を分かち合うのが、あるべき共同体の姿です。
2.こうなってはいけないという共同体とはどのようなものか?
・ミーティングが自分たちのひどい状態を振り返るための委員会になっている。
・自分が助かるためにではなく、自分以外の誰かを変えるためにミーティングに参加している。
・自分以外の人の話をしている。
・人を裁いたり、批判したり、議論したりしている。
・個人の問題や家族の問題に対してアドバイスをしている。
3.茶話会(さわかい)をフェローと呼ぶことについて
共同体のことを英語ではフェローシップと呼びます。
我が国ではミーティングの後の茶話会をフェローと呼びます。
たぶん茶話会での交わりの面を指してこのように呼ばれるようになったのでしょう。
しかしミーティングでは仮面をつけて建前で話し、後の茶話会で本音を話すというのなら、それはいかにも不健全です。
またそのような場合の「本音」は世間話であったり、泣き言であったり、陰口であったりすることが多いのではないでしょうか?
私たちお互いは回復の大路の一本道を歩みたいものです。
◎回復と平安と祝福を祈っています。