(2020/01/17記事更新)「自分の回復が最優先」と聞くと、何かエゴイズムのような印象を持つかもしれません。
しかしこれはアダルトチルドレンが回復していくための唯一の方法です。
この記事ではありのパパの個人的体験をもとに解説しています。
1.自分の回復を最優先する本当の意味
何かトラブルが起きたとき、その原因を相手や組織また原理・思想などに求めてしまえば、私たちは気楽(きらく)でいられます。
悪い言い方をすると、自分のことは棚に上げて、人様のことを言い募(つの)っていれば良いのですから、気が楽なのに決まっています。
しかこのようなことをしていると、二重の副作用があります。
一つは当然のことながら自分の回復が進まなくなってしまいます。
もう一つは何でも人のせいにするという新たな性格上の欠点を作ってしまうことになります。
2.ACの問題はすべて親の責任か?
ACの分かち合いを伺(うかが)っていると、時としてナンでもカンでも親のせいにしている人がいます。
しかし事実はそうではありません。
ACの回復のために必要な三つの原則があります。
a.子供時代に起きたことは親に責任があります。
b.成人してからのことは、その人自身に責任があります。
c.回復していく責任は本人にあり、親にはない。
今現在抱えている問題は、あなたに責任があり、親にはありません。
もちろん抑圧された子供時代の記憶を呼び覚ましていくことはACの回復にとり必須の作業です。
しかしその作業をする理由は今抱えているトラブルの責任を親のせいにするためではありません。
そうではなく、なぜ自分自身がこのようなトラブルを起こしてしまうのかの真の理由を見つけるためです。
真の理由を知ることによって、ではどうすれば良いのかという次の一手を見いだすことが可能になります。
3.起きたトラブルを自分の性格上の欠点・短所と刷(す)り会わせてみる
ありのパパの個人的経験を申し上げますと、私の母が介護施設でお世話になっていたことがありました。
その母がある介護職員との間でトラブルがあり、それを私に訴えました。
話を聞きながら、私の心には怒りが込み上げてきました。
怒りは恨みの一種であることに注意してください。
しかし日々の棚卸しをやってみると、それは的外(まとはず)れであることが分かりました。
この類のトラブルを解決しようとする時、介護職員のミスが故意(こい)によるものなのか、それとも単なる人間的弱さから来るものなのか正しく判断する必要があります。
しかしありのパパは恐れに心を支配されて「虐待されたにちがいない」と思い込んでしまいました。
また不正直さによって、それを知恵深く確かめることをしませんでした。
このように恐れが動機となって不正直な対応をとり、一方的に恨むというカラクリに気づかされました。
気づいてみれば「なぁ~んだ、またか!」ということです。
4.性格上の欠点・短所を自分の行動から例外なく取り除く
『恐れが動機となって不正直な対応をとり、その不正直な対応が原因となってトラブルが起きる。
そのトラブルが起きた人を自分に落ち度があるにもかかわらず一方的に恨む』
この性格上の欠点・短所が自分の行動に反映されていないかを確かめることが大切です。
これをやり続けると人格の変容が促進されます。
もしありのパパが上記のトラブルを表面に現れた情報だけを鵜呑(うの)みにしていたら、私は気が楽だったでしょう。
しかし「いつまでたっても回復しないし、内面的成長がないなぁ~」とボヤく人生を送ることになります。
トラブルが起きたら、人のせいにしないで、自分の性格上の欠点・短所である行動パターンに照らし合わし、どんな性格上の欠点が引き出されたのかを見てみる機会とするのです。
「自分の回復を最優先する」とは、このような生き方を指しています。
どうやら回復・成長の秘訣はすべての出来事を気づきが与えられる機会と捉(とら)える生き方にあるようです。
(すべての問題をこのように処理して良いわけではありません。 なぜなら老齢者への虐待の過半数は介護施設の職員によるという事実があるからです。ですから母の問題も私が注意深く見守っていく必要があるのは当然のことです)
◎回復と平安と祝福を祈っています。