アダルトチルドレンの無力は毒親ではなく、依存症回路が真の原因!

AC系のミーティングでは生育歴が語られるときが多いです。
しかしACの回復は12ステップに取り組むことによります。
この記事ではACの無力の原因は他の依存症と同じであることを明らかにし、ACの回復について解説します。

        

1.ACの無力の原因は毒親ではなく依存症回路

『ACの問題』には13の特徴が書かれてあります。
孤立することを嗜癖として使うことから始まって、闇雲に脊髄反射的に反応するのを嗜癖として使うことまで実に多くの嗜癖の一覧が記されています。

多くのACは「なぜ自分はこんなふうになったのだろう?」と訝(いぶか)しみ、原因を探します(犯人探し)。
ある人はカウンセリングを受けたり、ACについて書かれた書籍を読みます。
そこには一様に虐待を受けたり、機能不全家庭で育ったのが原因であるとされています。

ありのパパはこの主張に疑義を唱える者です。
なぜならアルコール依存症者で「私がこうなったのは親のせいだ」という人はいません。
皆一様に「逃れる手段として飲酒を使っているうちに、気がついたら飲酒の奴隷になっていた」と言われます。
これは実に客観的で合理的な事実描写です。
誰のせいにもしていないし、また責任逃れもしていません。

ACが回復しようとするときにも、アルコール依存症者と同じ客観性と合理性が必要です。
ACも「生きづらさから逃れるためにACの13の問題を使っていたら、気がついたらそれらの奴隷になっていた」という理解が必要です。

この「気がついたら」というのは脳の報酬系に依存症回路が完成してしまったという意味です。
もうこうなると私たちは無力なのです。
なぜなら人間は欲求をまず満たしてから理性的な判断をするように造られているからです。
だからお腹が減っていたり、疲れていたり、眠たかったりするときは、理性的な判断よりも欲求を充足することが本能的に優先されます。

理性よりも優先的な位置にある欲求を司(つかさど)る報酬系に依存症回路ができると、報酬系は欲求に対してアクセル踏みっぱなしの状態になってしまいます。
こうなると前頭葉が司る理性は無力化されてしまいます。

これが私たちが無力である真の原因であり、決して私たちの意志が弱いからでもなく、人や環境に問題があるのでもなく、ましてや生育歴に原因があるわけではありません。

        

2.問題の本質は強迫観念と渇望現象に対して無力ということ

世の中にある問題は二種類に分かれます。
それは問題の原因が分かっただけで自然に解決するものと、問題の原因が分かっただけでは解決のしようがないものです。

たとえば誉められると後頭部を叩く人がおられますが、これは子供時代に養育者に叩かれていたのが、大人になってからは叩く人がいないので代わりに自分で自分の頭を叩いているのだという理解があります。

この理解が正しいかどうかは別として、「あぁそうか。私が人に誉められた時、『そんなことないですよ』と言いながら、自分の頭をポンポンと叩くのはそういう訳だったのか!」と理解できれば、その人は頭を叩こうとするたびに「あっ、いけない!」とブレーキが働きます。

これに対してACの問題は「あぁそうか。私の問題は毒親に刷り込まれたのが原因か!」と分かっただけでは何ともなりません。
これが多くのアダルトチルドレンが高額な代金を支払ってカウンセリングを受けても一向に良くならない本当の理由です。

もし依存症回路が出来ていなければ気づいただけでそこから解放されることが可能です。
しかしほとんどすべてのアダルトチルドレンにとって「気づいたら依存症回路の奴隷になっていた」というのが実体験ではないでしょうか?

依存症回路から強迫観念と渇望現象が出てきます。
強迫観念とは「スイッチを入れたらイカン」と強く決心しているにもかかわらず、いざとなるといとも簡単にスイッチが入ってしまうことです。

渇望現象とはいったんスイッチが入ってしまうと精神的・肉体的・時間的に限度を無視してとことんやり続けてしまうことです。

たとえば夜ふかしの問題が分かりやすいでしょう。
その時間が来るまでは確かに「早寝早起きするんだ!」と固く決心しているのですが、寝る時間がやってくると同時に「少しぐらいドラマを見てもいいだろう」という強迫観念がやってきて、「お前、少しは抵抗したらどうだ!」と言いたいぐらいにいとも簡単に屈してしまいます。
そして見始めると結局、普段の日よりも遅くまで起きてしまうのです。

これは皆ありのパパのことを言っております。
「あぁそうか。これは単純な夜ふかしの問題ではないのだ。依存症回路からやってくる強迫観念と渇望現象の問題なのだ」と理解できた時に初めて夜ふかしの問題に正しく対処できるようになりました。

        

3.アダルトチルドレンの回復の方法

ACが本当に回復したいと願うのであれば道は一つです。
それはACの問題リストに書かれてある事柄に対して無力を認め(ステップ1)、自分を超えた大きな力が健康な心に戻してくれると信じ(ステップ2)、そのために行動のプログラムに取り組む(ステップ3)ことです。

そしてステップの最後までやって霊的に目覚めたら今度は統合作業をやります。
この作業は生涯に渡って続ける作業です。
やればやるほど症状が軽減します。
もちろん依存症回路がいったんできると死ぬまでなくなることはありませんから、治るということはありません。
しかし回復は可能です。
問題リストが自分の中からなくなることはありませんが、使わないで生きていくことが可能です。

◎回復と平安を祈っています。

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