依存症者やアダルトチルドレンが無力を認めるとはどういうことか?

この記事ではステップ1の「無力を認める」とはどういうことかを明らかにします。
そして実践的な無力の認め方を解説するとともに、ステップの1を理解しているかどうかを確かめるための質問をご紹介します。

        

1.共同体の中で無力を認める

実質的にステップの1と2を踏むとはどういうことでしょうか?
それは自助グループのミーティングに参加して、自分の話をし、他の仲間の話を聴くことによってです。
なぜこれがステップ1と2を踏むことになるかと言えば、ミーティングでは「いかに自分が無力であるか」が分かち合われ、「回復のためには自分を超えた大きな力に頼るほかはない」と告白されるからです。

これによってミーティングに参加するごとにステップの1と2を踏むことになります。
ある人々がミーティングから遠ざかる理由の一つは自分自身の無力を認めなくなることによります。
もちろん「私は一人で無力を認める」ということも頭の中では可能です。
しかし現実の世界では無力を認めた人は他の無力を認めた人と一緒にいることを求めるものです。

寒いということを認めた人は服を重ね着するでしょう。
寒いと言いつつ「いや私は薄着のままでいる」という人はいません。
これと同じように自分の無力を認めた人は重ね着するように他の無力を認めた人と一緒にいることを求めます。
それが無力を認めるということでもあります。

        

2.完璧に無力を認めることはありえない

12ステッププログラムでは次のように教えられます。
「他のステップは完全に理解できなくても構わないし、理解できるものでもない。しかしステップ1の無力を認めることだけは完全に理解する必要がある」

これも多くの人が間違って理解していると、ありのパパは感じています。
本当の意味で自分の無力さを認めるということは人間には出来ないことではないかと思います。
だからこそミーティングに参加して、仲間の話を聴き、ミーティングごとに初心にかえる必要があるのです。

もし本当に無力を認めることが出来るのであれば、ミーティングに参加する必要はなくなるはずです。
事実、そのようなセリフを残してミーティングに来なくなる方もおられます。

しかし、ありのパパは生きている限り本当の意味で無力を認めることは出来ないことであると考えています。
だからこそ規則正しくミーティングに参加する必要があるのです。

        

3.日ごとに無力を認める営みを続ける

無力を認めることは生涯に一度限りです。
これは転機的出来事です。
しかしその前後に継続的に無力を認め続けるという営みが必要です。

どういうことかと言うと、人生の何処かで無力を認めても、それは砂上の楼閣のようであり、放っておくと世間の荒波にさらわれて砂で出来たお城は跡形もなく無くなってしまうということです。

そうならないためにはミーティングに参加するとともに、日ごとに朝ごとに祈りと黙想を通して自分の無力を認め、神に告白することが大切です。
ありのパパも毎朝「あなたもご存知でしょうが、私には5つの無力がございます。それは………」と神に祈っています。

どうぞ皆さんも朝ごとに自分なりに理解した神に自分の無力を告白してください。
そうすることによって砂で出来たお城でもあっても波にさらわれることから守られることが可能です。

4.問題は二つしかない

たとえ無力の対象がいくつあったとしても、問題は二つしかありません。
それは強迫観念と渇望現象です。
依存症やアダルトチルドレン&共依存症の構造は外面的には複雑に見えても内面はシンプル極まりない構造をしています。

問題はたった二つしかありません。
強迫観念と渇望現象です。
強迫観念とは「絶対スイッチを入れないぞ!」と堅く決心しているにもかかわらず気が付くとスイッチが入っている働きをするものです。
渇望現象とはスイッチが入ってしまうとブラックアウトするまで止めることが出来ない現象のことを言います。

時々「私には渇望現象はありません」とおっしゃる方がいます。
そのような方にお聞きしたいのは「アルコールにおける渇望現象はなくても、たとえばドラマ見放題サービスのドラマを見はじめると見るのを止めることが出来ず、気が付くと朝になっていたということはありませんか?」ということです。
もしそのようなことが一度や二度ではなく、何度も起きたことがお有りなら、あなたの中にも渇望現象があるということになります。

多くの人は「他の人もそうに違いない」と思い込んでいます。
しかしアルコールの場合ならほとんどの人はある程度飲んだら「もうこれ以上は飲みたくない」と感じ、そこで飲むのを止めてしまいます。
これが心が健康な人の有り様なのです。
いくらでも飲めてしまい、止めるのに苦労するというなら、その人はアルコール依存症か、その予備軍の疑いがあります。

5.問題の本質は一つしかない

さらに問題の本質はたった一つしかありません。
それは私たちが強迫観念と渇望現象に対して無力であるということです。
なんと真実は単純なことでしょうか。
もっと問題を複雑にして「自分の意志にも問題があるし、自分を取り巻く人々や環境にも問題がある。ひょっとしたら生育歴も関係しているかも?」と思いたいものです。

しかしそうではありません。
問題の本質はたった一つです。
それは強迫観念と渇望現象に対して私たちが無力であるということです。

6.ステップ1の質問とは?

12ステッププログラムにはステップごとに質問があります。
それはステップを本当に理解しているかどうかを確かめるためのものです。

①あなたの無力は何ですか?

「あなたの無力は何ですか?」と質問されても、一言でお答えになることができない方がおられます。
自分自身の無力の対象を明確に理解していないければ当然のことながらステップを踏むことはできません。

②問題は二つありますが、それは何と何ですか?

答えは4.に書いてあります。

③問題の本質は何ですか?

答えは5.に書いてあります。

④無力の原因は何ですか?

それは脳の報酬系に依存症回路ができたのが真の理由です。
これ以外に理由はありません。
そして依存症回路がいったん出来ると、それは死ぬまでなくなることはありません。
これが依存症は治らない病気であるということの根拠になっています。
ですから依存症者やアダルトチルドレンが「俺、治ったかも?」「私、治っちゃった?」と思い違いするのは微笑ましくはありますが、妄想でしかないということになります。

この記事を読んでくださっている皆さんは、上記の質問に正しくお答えになることが出来るでしょうか?
もちろんこの記事をしっかりとお読みになっているなら、正しくお答えになることができます。

◎回復と平安を祈っています。

        

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