癇癪の原因が依存症にあるなら、アンガーマネジメントは効果がない!

アンガーマネジメントと呼ばれる怒りをコントロールする手法があります。
12ステップによって癇癪から回復した当事者であるありのパパはこれに疑問を持っています。
この記事ではその理由と真に効果のある方法について書きました。

        

1.癇癪の原因が依存症にあるなら、アンガーマネジメントは効果がない

アンガーマネジメントが効果があるのは脳の報酬系に依存症回路ができていない人だけです。
既に依存症回路ができている人にはアンガーマネジメントは全く効果がありません。

なぜなら依存症回路からは強迫観念と渇望現象が出てくるからです。
強迫観念は普段は決して怒りを爆発させてはならないと堅く決心しているにもかかわらず、いざ強迫観念が襲ってくるといとも簡単に強迫観念が教えるウソに騙されてしまう、そのような働きをします。

まるでお化け屋敷に出てくる幽霊のようです。
お化け屋敷に入る前は「決して怖がらないぞ!」と考えているにもかかわらず、いざお化けに遭遇すると一目散に逃げ出してしまいます。

お化け屋敷であってもそうなのですから、これがもし現実の世界で真夜中にお化けが出ようものなら叫び声を上げてしまうでしょう。

        

2.依存症回路ができてしまう原因

なぜ依存症回路が脳の報酬系にできてしまうのでしょうか?

アルコールを例に上げて説明すると、アルコールを多量に頻繁に飲み続けると脳の報酬系にアルコールの依存症回路ができてしまいます。
できてしまえば単なる大酒飲みから一人前のアルコール依存症者へと移行します。

これと同じように怒りを爆発させるという嗜癖を多用していると、脳の報酬系に少しずつ怒りを爆発させる依存症回路が出来上がっていきます。
そして依存症回路が完成すると、あなたは立派な怒り依存症者となります。

こうなってしまうと、あなたには怒りを爆発させない自由はありません。
依存症回路から強迫観念が発せられ、発せられると否応なしにスイッチが入り、スイッチが入って怒りが爆発すると、今度は渇望現象が現れ、ず〜っと怒りが爆発し続けます。

体内の怒りが全部消費しつくされると、まるでアルコール依存症者における二日酔いのように身体のだるさを感じるほどです。

        

3.解決の処方箋(しょほうせん)を明らかにします

それは問題は何かをはっきりさせることです。
問題は二つあります。強迫観念と渇望現象です。

もしご自分の怒りの爆発が強迫観念と渇望現象によると思われるフシがあるなら、ジタバタしないで(否認しないで)しっかりとお認めになることです。

問題が他人のせいや環境にあるのではなく、自分の中にあると認めることができたら回復へのスタートを切ることができます。

次のステップは問題の本質はたった一つであると理解することです。
それは強迫観念と渇望現象に対して私たちが無力であるということです。
これが回復の基礎になリます。

基礎ができたら、今度は土台づくりです。
土台は基礎の上にのせる家(人生という家)を支える台です。
その土台とは何でしょうか?

4.自分を超えた大きな力

自分が無力であると悟った人は解決を自分以外の者に求めます。
例えば自分がガンであると知った人は咳止め薬を飲むのをやめるでしょう。
なぜなら咳をとめる対症療法薬を使っても問題の解決にならないと理解するからです。
その人は自分以外の自分を超えた力である医師に頼ろうとします。

では自分の問題が依存症回路から出てくる強迫観念と渇望現象にあると理解した人はどのように行動するでしょうか?
その人はまず医療の世界に頼ろうとするでしょう。
しかし依存症回路が脳の報酬系にいったんできると死ぬまでなくならないということを知り、また現在まで強迫観念に効果のある新薬は発見されていないということを知ります。

また依存症回路は理性の働きを無力化するので、理性を活用することによって問題解決を図ろうとするカウンセリングも効果がないと知ります。

自分の置かれた状況を正確に理解すればするほど絶望するほかはありません。
その人は自分を超えた霊的な力だけが自分を健康な心に戻してくれると信じるようになります。
それ以外に解決はなく、もしこれがダメだったら本当にホープレスという理解です。

5.共同体から受ける助けと霊的目覚め

問題が二つあるように解決策も二つあります。
それは共同体から受ける助けと支えであり、霊的に目覚めることです。

①なぜ相互支援グループに参加する必要があるのか?

共同体とは相互支援グループを指しています。
相互支援グループは自助グループとも呼ばれます。
そこでは同じ病気に悩む人々が12ステッププログラムに取り組むことによってどのようにして回復の道を歩んでいるかを分かち合います。
(もちろん初めての方は自分の問題を分かち合うだけでも良いのです)

正直になること、悩んでいるのは自分だけではないこと、回復の道を歩む仲間が存在すること、これらのことを知ると大きな励ましを受けます。
「よし、自分も霊的な力を活用することによって回復するぞ!」という感じです。

②本質的な解決策は霊的に目覚めること

強迫観念はお化けのような存在です。
お化けは真夜中に出てくるから怖いのです。
これを依存症に当てはめると、お化けは強迫観念であり、真夜中は感情の暴走(不快感情)ということになります。

私たちは不快感情から逃れるために嗜癖に陥る必要があったのです。
この事実に気づいている人はとても少ないと感じます。
しかし気づいていようがいまいと、これは事実なのです。

霊的に目覚めるとは感情が暴走しなくなることを指しています。
感情が暴走しなくなるためには本能が傷つかなくなる必要があります。
本能が傷つかなくなるためには自分自身の行動パターンが変わる必要があります。

12ステップはこれらのものをことごとく実現させるために設計されたプログラムです。
徹底して取り組むなら必ず霊的に目覚めることができると、全ての人に約束されています。

依存症は治らない病気。しかし回復は可能。だから回復に専心しよう!

◎回復と平安を祈っています。

        

2 Replies to “癇癪の原因が依存症にあるなら、アンガーマネジメントは効果がない!”

  1. はじめまして。ACのあ~たんです。

    先日、縁あって、アンガーマネジメントの講座を受講しました。
    大変ためになりましたし、理性では分かるんですが、どうも受け入れられないと感じるところがありました。

    ありのパパさんのこちらの記事を偶然拝見し、「効果があるのは脳の報酬系に依存回路ができていない人」というくだりで納得できた気がします。
    ありがとうございました。

  2. こんにちは、あ〜たんさん。
    コメントを下さり、ありがとうございます。

    そうですね。突発的に怒りが爆発する人のことを癇癪持ちと言いますが、このような状態の人にとってはアンガーマネジメントは効果がないと思います。
    しかし突発的に怒りが爆発しない人で「どのようにして怒りをコントロールすればよいか?」という課題を持っている人にはアンガーマネジメントは絶大な効果があるでしょう。

    私たち各々は自分の置かれているところを正確に理解したいものです。

    またコメントしてください。お待ちしています。

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