アダルトチルドレンは棚卸しが怖い。でも棚卸ししないと回復は不可能

「12ステップの3までは踏んだが4以降はそのままになっている」方が案外多くおられます。
これは大変もったいないことです。
そこでステップの4・5を踏むと得られるメリットと踏まないことによるデメリットについて記事にしました。

        

1.地獄は住み慣れているが、天国はどんな所かわからないので怖い

ある方が「今の自分の人生は地獄そのものだが、住み慣れており、どのように振る舞えばよいか分かっている。しかし回復した先にある地上天国のようなところがどんな所か自分は知らない。だから不安で足がすくみ、地獄にずっととどまっている」と言いました。

たしかにその通りです。
アダルトチルドレンは地獄のようだった子供時代を生き延びる術(すべ)を身につけたサバイバーです。
しかし、そのサバイバル術はもう必要ありません。
親はもうあなたに影響を与えていません。
かえってそのあなたのサバイバル術があなたの人生を地獄にしているのです。

中には「いいえ、今でも親は私に支配的です!」という人もいます。
しかし、のこのことわざわざ自分から支配されに行っているのはどこの誰でしょうか?
アダルトチルドレン本人にほかなりません。
このような愚かな真似を止めなければなりません。

親のせいにするために「ほら!私の親は今でもこんなにひどいのよ」と言っているのです。
そのように言っている間は自分は被害者でいられますが、しかし被害者であることからくる疾病利得を受け取っている限り、回復はありません。
そのままでは人生を棒に振ることになリます。

ですから「何としても回復したい」と願うなら、棚卸し作業に突入する必要があります。

2.回復と人生の変革はステップ5で起きる

人生最大の奇跡はステップの5で起きます。
「なぜ自分は嗜癖に陥らなければならなかったのか?」
「どうしたら嗜癖に陥らないようになるのか?」
これらの問いに答えがすべて与えられます。

ステップ6・7は古い生き方を使わず、新しい生き方を使って生きていく決心と実践ですが、何が古い行動パターンであり、何が新しい行動パターンなのかを明確に理解することができます。

四つある不快感情のうちの恨みと恐れはほとんど消えてなくなります。
(残りの罪悪感と後悔はステップ8・9の埋め合わせ作業によって解消します)

ステップ5は人生を歯車に例えると軸に相当します。
ステップ5がうまく行けば人生全体が回り始めます。

        

3.ステップ5を踏まないデメリット

ステップ5を踏まないことによるデメリットはあまりにも大きすぎます。

①まず人生を棒に振ります

たとえ熱心にミーティングに参加していたとしてもです。

ミーティングはメンバーがどのように12ステッププログラムに取り組んでいるかを分かち合うところですから、ミーティングに熱心に参加していながら12ステップに取り組んでいないというのは本来はありえないことです。

②単なるソブラエティを維持するのにとどまる

「私はただ嗜癖が止まっていればそれでいい。別に生き方まで変えたいわけじゃない」という方が時々おられます。
しかしそのようなことを言っておられるのもしばらくの間だけです。

しばらくすると強迫観念と渇望現象がやってきて私たちを嗜癖の虜(とりこ)にします。
そして自分が嗜癖の奴隷であったことに気づくのです。
しかしそのときに気づいても遅すぎます。
強迫観念の後には渇望現象が続きブラックアウトするまで嗜癖から解放されることはありません。

③ステップ9の約束がいつまで経っても自分のものにならない

多くの回復した依存症者が「私は依存症になってよかった。なぜなら依存症になる前は人間の幸せでないものを幸せであると錯覚していた。依存症になってはじめて人間の幸せとは何かを知るようになったから」と仰います。

この理由はステップの9の約束と言われるものがご自分の中にことごとく実現したからにほかなりません。
「心の平安とは何かを人に教えてもらわなくても自然に理解できるようになった」
「かつてはできなかったことを神が自分の代わりにやってくれているのを感じるようになる」
「人間関係のトラブルや経済的不安が過去のものとなる」

4.なぜACがステップ5を踏む必要があるのか?

①自分自身を勘違いしている可能性があるから

アダルトチルドレンが棚卸し作業をいつまでもやらない理由の一つに「自分は他の人と違って嗜癖を持っていないから」というのがあります。
ありのパパはそのようなセリフを聞くたびに心の中で「『アダルトチルドレンの問題』に書かれてあることは嗜癖行動そのものなんだけどね」と毒づいています(笑)。

アダルトチルドレンの問題はアルコールや薬物などの物質への嗜癖ではなく、ギャンブルや癇癪などの行動の嗜癖でもありません。
アダルトチルドレンの嗜癖は人間関係への依存です。

人間関係への嗜癖は物質や行為依存と比べると目に見えないものです。
そのため分かりにくく気づきにくいものです。

しかし高をくくっていないで死ぬ気になってステップの5に取り組むことが大切です。
そうしたら必ず悔いのない永続的な祝福をご自分のものにすることができます。

②共依存症者は必ずステップ5を踏んで視点の転換を勝ち取ろう!

世の中でステップ5を最も必要とする人々が共依存症者であるかもしれません。
なぜなら視点の転換は自分一人では決して勝ち取ることができないからです。

共依存症者が視点が転換しているかどうかを確かめる方法があります。
それはステップ10の日々の棚卸しをやって、心が軽くなれば視点が転換していると言えます。
しかし日々の棚卸しをやればやるほど苦しくなるというなら、視点が転換していないままの可能性があります。

共依存症者の特徴は「私が我慢すればよいのだから」「私が変われば全ては変わる」と思い込んでいることです。
事実はそうではなく、あなたが我慢しても事態はますます悪くなる一方であり、あなたが変わっても相手が変わる可能性などはそもそもないのです。

この現実に目が開かれる必要があります。
しかしこのようにお話するとほとんどの共依存症者が「分かっています!」と仰います。
しかし棚卸しするとご自分が悪くないことで「私が悪かったのです」と言います。

確かに共依存症者が視点を転換するのは自分一人ではできないことです。
ただステップの5に取り組むことによってのみ、視点を転換することが可能です。

5.ACの棚卸しを聴く『もう一人の人』はこう選べ!

シェアリングパートナーとか第五ステップパーソンと呼ばれる「もう一人の人」をアダルトチルドレンが選ぶときは注意が必要です。

それは当然のことながら、そのもう一人の人はアダルトチルドレンについて理解している必要があります。
盲滅法(めくらめっぽう)棚卸しを聞けばいいというわけではありません。

また反対に親への恨みに焦点を当て続けている人であってはなりません。
カウンセラーの中には他のクライアントには「親への恨みなんかほっといて自分の回復に専心しよう」と言うが、「アダルトチルドレンには心ゆくまで親への恨みを話させる」という人もいます。

しかしそのようにして回復したアダルトチルドレンがいるとは今まで聴いたことがありません。
やはりアダルトチルドレンであっても回復したいと願うなら、親への恨みをいったん脇において自身の回復に専心する必要があります。

そうですから棚卸しの際に次のように言う人はダメです。

a.「親を許さないと回復しないよ」回復に親は関係ありません。

b.「ずっと親を恨んでいいんだよ」許す必要はありませんが、恨みの感情を解消しない限り回復はありません。

ではどのように言ってくれる人なら良いのでしょうか?

a.「子ども時代の虐待・養育放棄やレイプ経験は棚卸しの範囲外です」これが正しい見解です。

b.「棚卸しするのは過去のあなたではなく、現在のあなたです」これが12ステッププログラムが教えていることです。

◎回復と平安を祈っています。

        

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