複数の依存症を持っている人は一度に一つずつ取り組むのが最善

依存症からの回復に取り組む中で「自分には他にも依存症がある」ということに気づき、同時並行的に複数の依存症からの回復に取り組もうとされる方がおられます。

今日はこの問題について考えます。

        

1.なぜ一度に全部の依存症に取り組んではならないのか?

ありのパパ自身は同時並行的に三つの依存症からの回復をはかるというアクロバット的なことをしました。

なぜそのような経過を辿ったのかをまずお話します。

怒りの爆発という問題(怒り依存症)がどうにもならなくなり、中間施設で12ステッププログラムを徹底して学ぶ決心をしました。
(病院と自助グループの中間にあって両者を橋渡しする役目を果たすところから中間施設と呼ばれます)

中間施設で12ステップを学ぶ中で自分の中に性の領域にも依存症と言わなければならないような問題があることに気づきました。

それで中間施設での学びが修了したと同時にアダルトチルドレンの回復を含めて3つの依存症からの回復に取り組むことをしました。

ありのパパはラッキーだったという他はありません。
なぜなら中間施設で12ステッププログラムを学ぶことができたからです。
これが何を意味しているかというと、ごく短期間(三ヶ月)に、徹底して(28時間)、プログラムの全体を学ぶことができたということです。

これに対して自助グループで12ステップに取り組む人々は何年間も掛けて全体ではなく細部を積み上げていくやり方でプログラムを学びます。
これにも利点はあります。それは気づきを得ながらステップを学ぶことができる点です。

しかしありのパパがそれらの人々を見ていて思うのは、多くの人が12ステップの最後に行くまでに『やる気エネルギー』が無くなってしまうということです。
その結果これらの人々はミーティングに参加しているだけの状態を保つか、最悪の場合は自助グループから離れてしまいます。

このように一つの依存症から回復するのだって大変なのに、それを複数の依存症からの回復を同時に行おうとするのは正気の沙汰ではないということもできます。

すべての人が中間施設で12ステッププログラムを学べればそれに越したことはないのですが、それは現実的ではありません。

2.まず一つの依存症から回復する

依存症からの回復で最も現実的で確実な方法は、まず一つの依存症からの回復を果たし、その過程で『回復のコツ』をつかむことです。

そうしてその掴んだコツを次から次へと自分の中にある未解決の問題に適用することです。(ステップ12の「すべてのことにこの原理を適用しようと努力した」とあるのは、これを指しています)

しかしながら同時に複数の依存症からの回復を目指す必要がある場合もあります。

たとえばアルコール依存症と薬物依存症のセットの場合はどちらも放っておくと生命に関わりますから、同時に取り組む必要があります。

またギャンブル依存症と買い物依存症のセットの場合もどちらも放っておくと経済的破綻を招きますから、これも同時に取り組む必要があります。

しかしこれはある意味では例外中の例外です。

なぜ依存症者が同時に複数の嗜癖(しへき)からの回復を目指す傾向があるかと言えば、それは依存症者自身が持っている完璧主義・偏執的こだわりがあります。

でも、この完璧主義・偏執的こだわりが私たちを依存症者にしたという面があるのではないでしょうか?

ですからこのことを考えると、同時並行的に回復を目指すことが良いとは言えず、かえってその振る舞い自体が性格上の欠点からくる行動パターンから出ている場合もあるのではないかと考えてみる必要があります。

そういうわけで、まず一つの依存症から明確に回復することによって『回復のコツ』をつかむことを最優先すべきです。

        

3.依存症から回復するコツをつかむ

どうしたら『回復のコツ』をつかむことができるのでしょうか?

ありのパパの考えるところを述べます。
一つは12ステッププログラムを一ヶ月から三ヶ月ぐらいの短期間で学び終えてしまうことです。

依存症者の中には腑に落ちるまで次に進みたくないという方が多くおられます。
しかしその偏執的こだわりが私たちを依存症者にしてしまったのではないかということを考えていただきたいのです。

それで偏執的こだわりが頭をもたげるたびに「いけない、いけない。また強迫観念に騙されるところだった」と偏執的こだわりを避けて、先へ先へと進みます。

そしてステップの12まで行ったら、またステップの1に戻ってブラッシュアップをします。
これを生きている間ずっと繰り返します。

4.依存症から回復するコツを他の依存症に応用する

12ステップを何度か繰り返したら、今度は無力の対象を別の依存症にします。
このようにして無力の対象を変えながら12ステップを続けて行います。

これが最も確実で効果を最大化するやり方であると、ありのパパは考えています。

5.自分の中に残っている未解決の問題に取り組み続ける

12ステップは依存症の回復に効果のあるプログラムです。
では12ステップは依存症以外には効果がないのでしょうか?
これについてステップの12の文言の最後には「私たちはすべてのことにこの原理を実行しようと努力した」とあります。

ありのパパの個人的見解ですが、12ステッププログラムは依存症以外にも効果があると考えています。

それはいわゆる「単なる嗜癖」と呼ばれるものです。
たとえば「夜ふかし」「ダイエット」「無駄遣い」などです。

これはアルコール依存症と大酒飲みぐらいの差があります。
しかし依存症は単なる嗜癖を繰り返しているうちに、脳の報酬系に依存症回路ができてしまうことによって強迫観念と渇望現象に対して無力化されてしまう病気です。

ですから単なる嗜癖と依存症の間に明確な線を引くことはできません。
「俺は単なる大酒飲みだ!」と言っている間に、誰が見ても立派なアルコール依存症者になっているなどはよくあることです。

嗜癖を繰り返しているうちに少しずつ依存症回路が完成していくのです。
そして依存症回路が完全に完成しておらず、一部分だけが動いている状態が「単なる嗜癖」であると考えることが可能です。

そうだとしたら嗜癖に対して12ステッププログラムは効果があるということができます。

ありのパパは夜ふかしという悪習慣を持っています。
これを世の中の(世俗的な)ライフハックの手法で解決しようとしましたが何ともなりませんでした。

それがある時に「夜ふかしの問題に12ステッププログラムを適用してみてはどうか?」とひらめきました。
そうしたところビンゴ!一発で夜ふかしがとまりました。
その翌日からスリップしてしまいましたが(笑)。

そういうわけで今は夜ふかしの問題に12ステッププログラムを応用しようと努力しています。

◎回復と平安を祈っています。

        

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