アダルトチルドレンの回復には依存症特有の構造を理解することが大切

AC(アダルトチルドレン)と依存症の関係を理解する際に、ACを依存症になった原因と捉えるのが一般的です。
もちろんその見方は正しいのですが、しかし忘れてならないのはACそのものが依存症の一種であるという事実です。
この事実を考慮に入れておられない方が案外多くおられるのではないかと危惧しています。
そこでこの記事ではACの回復の勘所(かんどころ)であると、ありのパパが考えているところをご説明します。

1.スポンサーシップが盛んな共同体とそうでもない共同体がある理由

ありのパパ自身は中間施設(依存症専門病院と自助グループの橋渡し的存在)で12ステップを学びましたので、スポンサーを持ったことがありません。
それで自分がスポンサーを持った経験がないので、スポンシーを持たないようにしています。

しかし全ての人が中間施設で学べるわけではありません。(それでも土曜日コースの開設や一般向けのコースが開かれるようになり、以前に比べれば随分敷居は低くなりました)

12ステップ共同体ではスポンサーとスポンシーという一対一の関係での12ステッププログラムの受け渡しが一般的です。
AAのごく初期には教室形式のスタディーミーティングが行われていたようですが、すぐに廃れてしまいました。
理由はみんなの前で話をするのは個人的な負担が大きいということだと思います。

ありのパパが個人的範囲で経験したことに過ぎませんが、物質依存や行為依存の自助グループでは12ステップのスポンサーシップが盛んに行われているようです。
しかし思考習慣の依存症であるアダルトチルドレンや感情・情緒に問題を持つ人々の自助グループではスポンサーシップはほとんど行われていないようです。

ありのパパは「スポンサーシップって何ですか?」とミーティングに長く参加しているメンバーから聞かれたことがあるほどです。

ACであって依存症者でもある人は、その依存症のグループのメンバーにスポンサーを頼みます。

しかしどういうわけかアダルトチルドレンの回復のためにスポンサーを頼もうとする人はあまりいません。

依存症からの回復のためには12ステップを使っても、ACからの回復のためには12ステップを使わずにグループセラピー(集団療法)のやり方を用いるという方が案外多くおられるように感じます。

しかしアダルトチルドレンは擬似アルコール依存症であると言われるように依存症の一種ですから、グループセラピーによる治療法でよくなることはありません。
どうしても12ステップに取り組むことが必要です。

アダルトチルドレンや感情と情緒に問題を感じる人々の共同体の中にも12ステップとスポンサーシップが浸透していきますようにというのが、ありのパパの願いです。

2.否認している限り依存症から回復しない

アメリカで中間施設にお世話になるための費用は約2万ドル程度のようです。
2万ドルと言えば日本円に換算すると約二百万円です。

「12ステップの実践」という本の中には二万ドルを掛けて中間施設に入っているにもかかわらず、自分の人生がどうにもならなくなったと思えない人の話が出てきます。

ありのパパはこの話を読んで、「二百万円を中間施設に投資しているにもかかわらず、自分の人生が思い通りに生きていけなくなっていることを認めないなんてどうかしてる」と思ったのですが、その時の私は自分を棚に上げていました。

ありのパパもまた中間施設での学びに(交通費も含めると)何十万円も掛けていたのでした。
あるときに、そのことにようやく気づき「愚か者!他人のことを笑ってる場合か?」と自分突っ込みしたのでした。

自分の人生がどうにもこうにもならなくなっていることを認めたら、人生は好転し始めます。

人生が好転しないのはどうにもこうにもならなくなっていることを認めていないからです。

(アメリカでは中間施設入所は保険の適用対象であり、日本でも平日の利用については公費補助の対象です。ありのパパは土曜日コースでしたので全額自己負担になり、このような数字になりました)

3.新しいことを始めることによってではなく、古いやり口をやめることによって人生は変わる

ある人が中間施設の職員に向かって「私はここを出たら、こんな良い事をしようと思っています」と言いました。
そうしたらところ中間施設職員は「その計画も素晴らしいけど、まずその前にキセルを止めようね。それとタバコのポイ捨ても止めようね」と言いました。

それを言われた入所者は文字通りショボーンとなりました。

しかしこれはどうしても必要な指摘でした。
なぜなら私たちの人生が変わるのは、新しいことを始めることによってではなく、古いことを止めることによってだからです。

古い行動パターンを捨てないで、新しい行動パターンを始めても、はじめは何か新しくなったような気がして嬉しさもこみ上げてきますが、それもしばらくの間だけです。
必ずそれは元の木阿弥(もとのもくあみ)になります。

ステップの6と7は一対(いっつい)になっています。
ステップの6で古い行動パターンを使わないで生きていく決心をし、ステップの7では新しい行動パターンを使って生きていく決心と、神に助力を求める祈りをします。

4.回復のための転機的経験

回復は霊的に目覚めることによってスタートします。
これはまさに転機的経験であり、多くの人にとって一瞬の出来事です。
霊的に目覚めるとは回復するのに十分な人格の変化であり、それは物事の受け止め方・感じ方・理解の仕方がそれ以前とは全く変わってしまうことです。

依存症からの回復のためには、この物事の受け止め方が全く変わってしまうということが生命的に重要なことになります。

今までは「全部他者が悪い。私は全然悪くない」と思い込んでいたので被害者意識満載で他人の振る舞いによって本能が傷つき、本能が傷つくことによって感情が暴走し、その感情が暴走したことによって生み出されたマイナス感情から逃れるために刺激に嗜癖(しへき)するようになりました。

そして単なる嗜癖行動が依存症へと移行するのは時間の問題です。

こうしてみると依存症から回復するためにはどうしても性格上の欠点からくる一人芝居を止めることが必要です。
なぜなら性格上の欠点からくる一人芝居をやめれば本能が傷つくことはなくなり、本能が傷つかなければ感情が暴走することもなくなるからです。

感情の暴走がなければ、マイナス感情から逃れるために嗜癖行動に走る必要もなくなります。
マイナス感情がない状態での依存症回路から発せられる強迫観念は霊的に目覚めた状態を維持していれば十分コントロール可能なものです。

霊的に目覚めることは依存症者だけではなく、アダルトチルドレンもまた自分のものにする必要があります。

5.回復のための漸進(ぜんしん)的経験

新しく購入したタブレット(fire HD8[8980円])では今まで使っていたノートソフト(simple note)が使えなくなったため、新しいノートソフト(JotterPad)に乗り換えました。

その作業の最中に古いメモファイルが目にとまりました。
それは目標日記と感謝日記でした。

目標日記には来る日も来る日も延々と「私は〜しない」と行動目標が書かれてあり、感謝日記には「今日は打ち勝つことができた」と書かれてある日もあれば、「今日は負けてしまった」と書かれてある日もありました。

それは段々と勝った日が多くなり、そしてついには勝つことが当たり前のことになったとき、そこで目標日記は終わっていました。
(今は違う方式で感謝日記と目標日記を書いています。それは統合作業です)

一年ごとに神は目標を与えてくださり、捨てるべきものを示してくださいます。
最初は抵抗するのですが、段々と自分の回復と成長にとって捨てることが最善であると理解できるようになります。

アダルトチルドレンにとっては「問題」とか「ランドリーリスト」と呼ばれる問題リストに書かれてあることを統合作業によって症状の軽減をはかることが大切です。

アダルトチルドレンや共依存症者には捨てるべきものが多くあります。

まず「人が怖いという人への恐れ」です。
これがすべての問題行動の核になっています。

これを認識することができたら、ご自分で最も切実に感じられているものから取り組んでいきます。
(順番に取り組んで行っても構いません)

統合作業は一生続く作業です。
やればやるほど回復が進みます。

ステップの12番目の「すべてのことにこの原理を実行しようと努力した」とあるのは「自分の中にある未解決の問題を12ステップの原理を応用することによって解決しようと努力した」という意味です。
そしてそれはアダルトチルドレンにとっては統合作業を行うことにほかなりません。

◎回復と平安を祈っています。

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