12ステップの2が教える通り信じても回復しない場合があるのはなぜ?

ステップの2は信じるステップです。
それで多くの方が「信じます」と告白します。
しかし何も起きません。
それには理由があります。
信じる前に理解しておかなければならない大切なことがあるのです。
それをスルーして信じても願ったような効果は現れません。

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1.無力を認めると、回復への強い意欲を持つようになる

「私たちは自分を超えた大きな力が私たちを健康な心に戻してくれると信じるようになった」(ステップ2)

12ステップは順番にやるように出来ています。
ステップ1ができたら次にステップ2を踏み、次に3を踏むというように。
そうしなければ12ステッププログラムは効果を発揮しません。

信じる前に自分の無力を認めている必要があります。
「無力を認めていますか?」と聞くと、多くの人が「はい、認めています」と答えます。
しかし本当に無力を認めていると、回復への強い意欲を持つようになります。
逆に言えば、回復への強い意欲を持っていないなら、無力を認めているとは言えないということです。

2.二つの問題を理解する

回復への強い意欲を持つことができるような無力の認め方とは、どんな認め方なのでしょうか?

それは二つあります。
一つは依存症の問題を明確に理解することです。
依存症の問題は強迫観念と渇望現象があることです。

強迫観念とは普段は「やってはならない」と思っているにもかかわらず、いざその時になると「少しぐらいいいだろう」などと見え透いたウソにコロッと騙されてしまうことです。

渇望現象とは、いったん始めるとブラックアウトするまで止めることができないことです。

これが依存症における二つの問題です。

3.問題の本質は何かを理解する

問題の本質は、この強迫観念と渇望現象に対して私たちが無力だということです。

①ありのパパの個人的体験

ありのパパは30年前にテレビを見始めると止めることができなくなるのに困って、テレビを捨ててしまいました。
それでこの問題は解決したのですが、30年経って新たな問題が生まれました。
それはネットを使った映画やドラマの見放題サービスが始まったことです。

ありのパパは内心で「テレビを捨ててから30年も経っていることだし、ひょっとしたら治っているかもしれない」と考えました。
それで仮契約をしてみたのですが、結果はと言えば朝の6時までドラマを見続けてしまいました。

心の中では「もう寝なければならない」と焦りながらドラマを見続けていたのですが、しばらくすると刺激に嗜癖にするというACの問題リストの8番目に想いが行きました。(問題リストの8番とは「私たちは刺激に嗜癖するようになっていた」を指します)

「何十年経っていたとしても、やっぱり無力なんだな」と改めて確認するときとなり、その日に見放題サービスの仮契約を解除しました。

②依存症は治らない病気と言われるのはなぜか?

強迫観念と渇望現象を特徴とする依存症回路が脳の報酬系にいったん出来てしまうと、その回路は死ぬまでなくなることがありません。
これが依存症は治らない病気と言われる所以です。

ステップの1で「二つの問題は何か?」そして「問題の本質は何か?」という質問に答えることができるなら、私たちは真の意味でステップ1を理解したということができ、回復への強い意欲を持つようになります。

なぜ回復への強い意欲をもつようになるのでしょうか?
それは自分の抱えている問題と問題の本質が分かると、自ずと解決と解決策も明らかになるからです。
解決と解決策が明らかになってもなお、強い意欲を持たない人など一人もいないでしょう。

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4.解決は何か?

問題の本質が強迫観念と渇望現象への自分自身の無力にあると理解できれば、解決は自ずと無力な自分以外のところにあると理解できるようになります。

それで私たちは自分を超えた大きな力が健康な心に戻してくれると信じるようになったのです。
取って付けたように「信じます」と何回告白したとしても意味はありません。

肝心なのは「問題の本質」と「解決」がセットになっているのを理解することです。

5.問題が二つあるように解決策も二つある

依存症の解決策とは、共同体から受ける助けと霊的に目覚めることです。
この二つの解決策を自分のものにするために「自分を超えた大きな力を信じる」のだという理解がどうしても必要です。

この理解なしに「信じたら、どうにかなるんじゃないか?」という気持ちで信じても奇蹟が起きることはありません。

① なぜ共同体から受ける助けが必要なのか?

依存症者は人を信頼することが苦手です。
ある面では自己開示できないから、そこから生じるストレスの解消のために依存症に陥ったと考えることも出来ます。

共同体では「言いっぱなし・聞きっぱなし・他言無用」の原則に基づいてミーティングが開かれます。

他のメンバーの話に反応することは禁じられているし、自分の話だけをするように言われています。

そうすると「自分の病気は大したことはない」とか「こうなってしまったのは自分のせいではない」などの否認をし続けることが困難です。
そこでは依存症者お得意の建前の話や虚栄心に満ちた自慢話を最初はしたとしても、いつかは化けの皮が剥がれます。

ですからどんな人も次第に本音を話すようになり、否認が解けるようになります。
この「自分の本音を話す」ということが自己開示であり、そして自己開示こそが、他者を信頼することの前提になるのです。

依存症者はミーティング会場で人を信頼する訓練をしていると言ってもいいぐらいです。

②霊的に目覚めるとは一体何のことか?

霊的に目覚めるとは回復するのに充分な人格の変化を指しています。
回復するのに充分な人格の変化とは要するに物の見方が一変してしまうことです。

物の見方が変わるとは、今までは「あの人が悪い。この人に原因がある」と思っていたのが、「そうじゃなかった。悪いのは自分であり、原因は自分自身にあった」と視点が変わることです。

この霊的に目覚めることは、12ステッププログラムに徹底して取り組むなら誰にでも与えられると約束されています。

ところで「霊的に目覚めなくてもミーティングに参加していればよいのではないか」と考える人々もおられるようです。
しかしそうではありません。

なぜなら強迫観念は共同体の仲間と一緒にいない時に襲ってくるからです。
共同体の仲間と24時間一緒にいるわけにもいきません。
そうすると必ず一人の時間が出来るわけです。
その一人の時間に強迫観念が襲ってきます。
いったん強迫観念が襲ってくると、ひとたまりもありません。
なぜなら依存症者は強迫観念に対して無力だからです。

しかし霊的に目覚めると、強迫観念が教えるウソを容易に見破ることが出来るようになります。
そういうわけで、依存症からの回復のためにはどうしても霊的に目覚めることが必要ということになります。

◎回復と平安を祈っています。

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