12ステップ共同体のミーティングとグループセラピーの違いとは?

今日は「ミーティングで何を話せばいいのでしょうか?」というご質問に答えます。
この問題を考える時に大切なことは12ステップ共同体のミーティングと、それ以外のグループセラピー(集団療法)のミーティングの違いをわきまえておくことです。

ご相談内容:

 初めまして!
私はACで共依存の30代の男性です。
現在自助会に毎週通っていて、次回で5回目です。
カウンセリングにも通っていまして、12ステップが3ステップぐらいです。

12ステップの本をネットで調べてたら、ありのパパさんのブログを見つけ、それ以来よく拝読してます。

今日は、自助会についての相談です。

分かち合いのところでは、子供時代の卸(おろ)したい恥ずかしい体験や、忘れたい経験をみんなの前で話した方がいいのでしょうか?
パパさんは、どうゆう内容を分かち合っていますか?

こんにちは、ヨッシーさん。
ご相談を下さり、ありがとうございます。
「どんな内容をミーティングで話せば良いのか」というご相談ですね。

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1.ミーティングに参加する目的

①霊的に目覚めるため

自助グループに参加する目的は12ステッププログラムに徹底して取り組むことにより霊的目覚めを得るためです。

霊的目覚めとは回復するのに充分な人格の変化を指しています。

12ステップ共同体のミーティングとは要するに、構成メンバーが「霊的に目覚めるために自分がやっていること」の分かち合いです。

②共同体から助けと支えを得るため

「問題が二つあるように解決策も二つある」と言われます。
解決策とは霊的に目覚めることと、共同体から得られる助けと支えです。

この部分は12ステップ共同体以外の集団療法(グループセラピー)と共通の部分です。
ただし、グループセラピーはメンバーが共通の体験を分かち合うことにより、共感の力によって回復を目指すのに対して、12ステップ共同体では「私はこうやって12ステッププログラムに取り組んでいる」という分かち合いを話したり聴いたりすることによって助けと支えを得るという違いはあります。

③メッセージを運ぶため

12ステッププログラムに徹底して取り組んだ結果、霊的に目覚めた人々は「霊的に目覚めることこそ依存症からの唯一の解決策である」ことを伝えます。

今までは受けるばかりであったのが、これからは与える側にまわります。
受けるよりも与えるほうが幾倍も回復と成長にとって有益であることを多くの人々が実感しています。

2.推奨されている分かち合い

12ステップ共同体では例外なく「私たちは経験と力と希望を語る」と言われています。
では「経験」「力」「希望」とは何を指しているのでしょうか?

①経験

12ステッププログラムに出会う前の自分はどのようであったかを語ります。

回復した人々が陥りやすい罠は回復ばかりを語り、自分の物語を話さないことです。
自分の体験を話さないと、聞いている人はお説教されているように感じてしまいます。

②力

12ステッププログラムに徹底して取り組んだ結果、自分はどのように回復したのかを語ります。

③希望

12ステップは完全ではなく成長を目指すプログラムです。
また、治ることではなく回復を目指しています。
それでこれから自分はどのように変化していきたいのかを語ります。

○この「経験と力と希望」をバランスよくミーティングごとに語ってください。
このバランスが取れていれば、何を語ってもOKです。

3.ACと共依存症者が気をつけるべきこと

①AC&共依存には否認がある

物質依存や行為依存とAC&共依存症が異なる点は否認があるということです。
もちろんアルコール依存症者にも「俺は単なる大酒飲みであって、依存症ではない」というたぐいの否認はあります。
しかし記憶の否認という問題はありません。

これに対してAC&共依存症には記憶(生育歴)の否認と抑圧と合理化という問題があります。
これは一人では到底解決できない問題であり、長期に渡ってミーティングに参加して仲間の分かち合いを聞くことによってのみ、否認が解除されます。

その点でACは過去の生育歴を語り続け、聴き続けなければならないとも言えます。
「私はもう回復したから、過去のことはもういい」とは決して言えないのです。

②無意識に芝居をしている

特に共依存症者に多いですが、回復を演じる危険があります。
これは共依存症者の人生が人々の期待を薄々感じると、それを先回りして演じてきたことの名残です。
演じるとは、本当はそうしたいのか、したくないのかという自分自身の本音を聞くことなく、人々が期待していると感じると脊髄反射的に行動してしまうことを言います。

③卸すことが、泣き言と毒吐きにならぬように

物質依存や行為依存の場合、スリップすると肉体的・精神的・社会的な死を意味します。

しかしACや共依存症はスリップしても死ぬことはありません。
ある面ではスリップし放題ということもあります。
このことはミーティングに対する緊張感の欠如という形で現れます。

それでミーティングに参加して分かち合いを聞いても、誰一人12ステップの話をする人はおらず、「卸(おろ)す」という名の泣き言と毒吐きに終止している場合もあるようです。

これではグループセラピーにも劣ると言わなければなりません。
私たちお互いはこのような罠に嵌らないように気をつけたいものです。

◎回復と平安を祈っています。

コメント

  1. ヨッシー より:

    ありのパパさん。詳しい詳細の返信ありがとうございます。共依存ヨッシーです。

    先日5回目の自助会時、恥ずかしい過去の体験を語りました。
    今のいままでだれにも言った事がない話しです。
    そしたら、インナーチャイルドが表に少し出てきたような感覚があり、頭が少し軽くなりました。
    次回は、希望と力も付け加えるように頑張ります。

    回復のステップ本も購入し、まだ4の棚卸しまで行ってないですが、少しずつやろうと思ってます。
    ステップ5の所のスポンサーはやはり探した方がいいのでしょうか?
    あとステップの進め方も、自分の腑に落ちるまでは次に進めないほうがいいのでしょうか?

    • ありのパパ より:

      こんにちは、ヨッシーさん。
      コメントをありがとうございます。

      ご質問にお答えしますね。
      少しずつやろうとしないで、一気呵成(いっきかせい)にやりきってください。
      標準で一ヶ月、長くても三ヶ月でやりきってください。
      多くの人が少しずつやろうとして、挫折しています。
      これはやる気がなくなってしまうからです。
      12ステップは習い事ではなく、命を救うブログラムです。

      ステップの5こそ、12ステッププログラムの肝(きも)です。
      ステップ5をやらないで、12ステップをやったことにはなりません。
      腑に落ちるも何も、ステップの1から3までは一分でやることができます(笑)。

      回復と平安を祈っています。