12ステップを依存症からの回復を目指す中間施設で学んでみた!

依存症からの回復を目指す施設、いわゆる中間施設と呼ばれる所ではどんなことが行われているのでしょうか?

今日は皆さんにRD(リカバリー・ダイナミクス)デイケアセンターで2017年07月15日から行われている『RD5日間トライアル 土曜日セミナー』の様子をご紹介ます。

        

1.RDデイケアセンターでの12ステッププログラムの学び方

本来のリカバリー・ダイナミクスのセミナーは1セッション75分のセッション28回で12ステッププログラムを学びます。
この土曜日コースでは、28セッションを15時間で学びます。
要するに43%の短縮バージョンというわけです。

今日ご紹介するのはステップの1に当たるセッション1から4までです。

セッション1 アルコホリズムとAAの歴史

セッション2 アルコホリズムの身体的側面(渇望現象)

セッション3 問題の正確な本質(強迫観念)

セッション4 思い通りに生きていけなくなった

        

2.依存症は否認の強い病気

考えてみれば、依存症以外の病気で否認する人はいません。
医師に「あなたは糖尿病です」と言われて、「いいえ、そうではありません。私は単なる肥満に過ぎません」と答える患者さんを見たことはありません。
ただ、依存症患者だけが「いいえ、私は単なる大酒飲みなのです」と答えます(ここで教室爆笑)。

12ステップの各項目は疑問形で自分に質問されていると思ってください。
例えばステップ1の「私たちは〜に対して無力を認めた」は「私は〜に対して無力を認めているか?」という具合です。

その質問に対してイエスと答えられれば(次のステップに進んでも)大丈夫です。
こうやって自分の中にある否認を打ち破りながら、回復のための12ステップを踏んでいきます。

        

3.リカバリー・ダイナミクスとは?

①リカバリー・ダイナミクスの紹介

12ステップは一つ一つの提案をこなすことによって回復を果たそうとするプログラムです。
その12ステップを中間施設用に改編したのがリカバリー・ダイナミクスです。

リカバリー・ダイナミクスは1977年にアメリカ人で黒人であったジョー・マキューが創案しました。
そのRDが日本に入ってきたのは2010年です。
RDデイケアセンターも出来て6年目です。(2011年創立)

②リカバリー・ダイナミクスの特徴

RDの特徴は施設用に作られたプログラムであることです。
二つ目の特徴は「視覚化」を用いているということです。
三つの特徴は「構造化」です。

RDは12ステップを「問題」と「解決」と「回復に向けた実践」の三つに分けています。

③問題の明確化、解決策の明示、解決に向けての実践

この切り分けは依存症だけでなく、すべての問題に適用可能です。

要するにリカバリー・ダイナミクスを学んでコツを体得すると、そのコツを依存症からの回復だけでなく、人生途上で起きるすべての問題に応用できるということです。

これが依存症からの回復者が「私は依存症になってよかった」と言う理由でもあります。

        

4.アルコホリズムとAAの歴史(セッション1)

人類と酒のかかわりは古く、既に7千年前に人類が酒を飲んだとの記録があるそうです。
聖書の箴言にも酒についての警告があり、10世紀のローマ帝国にはアルコールについての法律があったそうです。

技術の進歩によりアルコール度数の強い酒が安価に流通するようになり、アルコール依存の問題が顕在化してきました。

自然酵母による酒は15〜20度程度ですが、テキーラは55度、蒸留酒40度だそうです。

①ワシントン協会(1840年)

居酒屋で酒を飲んでいた6人の男が、お酒を止めようという運動を始めました。

ピーク時に60万人を集めたが、10年もたなかった。
原因は奴隷制度についての意見を世間に発表し、それを受け入れられない人たちが脱会し、運動が消滅したためです。

これが現在すべての相互支援グループが「私たちは外部の問題に対して意見をもたない」としている理由でもあります。

②回復に必須の三つのコマ

a.1928年に回復のために何をしたらよいのかを見つけだしたのはオックスフォード運動。(一世紀キリスト教信者共同体)

b.1930年に回復のためには「激烈な霊的体験」が必要であると発見したのはカール・ユング博士。

c.1933年にアルコール依存症は罪や弱さではなく、病気であることを発見したのはシルクワース医師。

この三つの発見がビル・ウィルソンの中に一つに融合しました。

そしてついに1939年にブックブックが発刊されました。

この歴史の流れは依存症者個人の回復の歴史そのものでもあります。

5.身体のアレルギーとは何か?(セッション2)

アレルギーとは食べ物や化学物質に対する異常な反応を指しています。
異常とは、通常とは異なるということであり、本来は弱いとか悪いとか酷いという意味はありません。

大部分の人々とは違う反応がでることを異常な反応といい、これをアレルギーと言います。
依存症においては特定の物質が体内に摂取されると他の人とは異なる反応が引き出されることを渇望現象と呼びます。

①渇望とは強い欲求

一杯目を飲んだ後に生じるのが渇望現象です。
その症状の特徴は、コントロールを失うところにあります。

・「ごちそうさま」ができない。
・「ほどほど」ができない。
・「とことん」やってしまう。

②渇望現象に解決はない

依存症は脳の病気であり、脳が変性・変質しています。

病気(DISEASE)とは安心から隔絶されている状態⇒DIS(隔絶されている)EASE(安心)

身体のアレルギーに解決はないので、アルコール依存症の唯一の解決法は酒を全く飲まないことしかありません。(ビッグブック38頁)

6.問題の正確な本質:強迫観念(セッション3)

渇望現象とは、いったん始めたら決して止めることが出来ないこと。
残念なお知らせ、それはどんな力をもってしても治らないということです。

ではなぜ全く飲まないことが必要なのに、アルコール依存症者はどうして最初の一杯を飲んでしまうのでしょうか?

その原因は強迫観念にあります。
強迫観念とは「最初の一杯を飲ませる狂った考え」のことです。

○強迫観念とは「飲まなきゃいい」と分かっているにもかかわらず初めの一杯に手を付けてしまうこと。
事実でないことを信じさせる力のことである。

この強迫観念が教える嘘を容易に見破る力を与えるのが「霊的目覚め」です。

12ステッププログラムを意欲をもって取り組むと、あたかもドミノ倒しのような勢いが与えられます。
そのような中で心理現象のような霊的変化(霊的目覚め)が起きます。
この霊的変化は12ステップに取り組むならで誰にでも与えられると約束されているものです。

7.思い通りに生きていけなくなった(セッション4)

嗜癖(しへき)との蜜月期間

かつて嗜癖は私たちの問題の解決策でした。
人々との間に壁を作り、その孤立からくる苦痛に耐えるための解決策でした。

しかし僅かな蜜月期間を過ぎると、それはあっという間に自分の問題となってしまいました。
そして嗜癖を抱えたままでは、自分の人生を思い通りに生きていけなくなったことを認めたのでした。

◎このシリーズは全部で5回更新する予定です。
12ステップの概要を知りたいという方は是非5回の記事をお読みください。
皆さんの回復と平安を祈っています。

(二回目)共同体の助けと霊的目覚めが依存症の解決策。信じることは難しくない

(三回目)自分が信じられる神からスタートして、人生を変える営みを始める

(四回目)恨みを追い出すと愛が増大し、恐れを追い出すと勇気が増大する!

(五回目)依存症は糖尿病と同じで、治療し続けることが必要な病気

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